1. トップ
  2. 【エアコン】設定温度を上げる前にやってみて!「暖房代」節約の新常識、ダイキンに聞いてみた!

【エアコン】設定温度を上げる前にやってみて!「暖房代」節約の新常識、ダイキンに聞いてみた!

  • 2022.12.29
undefined
画像:pu_kibun/Shutterstock

最近寒さが厳しくなって、毎日のように暖房を使用しているという方も多いと思います。

「今月の電気代が心配…」
「なんとか低価格で抑える手段はないかな?」

このような不安や疑問を解決するために、今回取材したのが、ダイキン工業株式会社の由井 明日香さん。

この冬を快適に、そして少しでもお得に乗り切るために役立つ“暖房使用時の節電方法”をうかがってきました!

暖房は“つけっぱなし”がいいって本当?

undefined
画像:Kwangmoozaa/Shutterstock

--12月も終わりに近づき、いよいよ本格的に寒くなってきましたよね。私も暖房を使用する日が増えてきました。

ダイキン工業 由井さん:本当に寒くなってきましたよね…。

--そこで、ふと思い出したのが暖房は“つけっぱなしとこまめに消すのはどちらがお得”という話です。真相を教えていただけますか?

由井さん:基本的に、こまめにオンオフするよりも、つけっぱなしにした方がお得です。エアコンは、寒い部屋を一気に暖める時に、多くの電気を使います。設定温度まで暖めた後、その設定温度を維持している時は、寒い部屋を暖める場合と比べてとても少ない電気ですみます。

「部屋が暖かくなったらエアコンを止め 寒くなったら再びスイッチを入れる」というように、こまめにスイッチの入切を繰り返して温度調節を行うと、節電のつもりがかえって電気のムダ使いになる場合があります。 部屋にいる時はスイッチの入切を控え、エアコンの温度調節機能に任せるのがおすすめです。

undefined
出典:ダイキン工業株式会社/図:TRILL ニュース

--そのような理由があるために、つけっぱなしにした方がお得なんですね。ちなみに、つけっぱなしの方がお得なのは何時間まででしょうか?

由井さん:例えば外出する場合は、凡そ30分をつけっぱなしの目安にしてください。特に日中の時間帯(06:00~18:00)は、つけっぱなしの方が消費電力量を抑えやすい傾向にありますが、1時間以上など、長時間外出される場合は、消して頂いたほうが節電になると思います。

--なるほど。その日、もし日中家にいる時間が多いなら、暖房は基本的につけっぱなしにした方がよさそうですね。

undefined
画像:TRILL ニュース

節電に効果的な設定温度はある?

由井さん:エアコンの設定温度は消費電力に大きく関わり、設定温度を1°C下げると約10%の節電になるとされています。暖房時の室温は、健康的な暮らしをする上での最低限の温度とされている18°C以上(エアコンの設定温度ではなく、室温が18°C以上になっている状態)を目安として、寒く感じる場合は少し厚着をするなどで調整しましょう。

寒さを感じやすい首・手首・足首などをタートルネックやレッグウォーマーなどで保温するのもおすすめです。

undefined
画像:evrymmnt/Shutterstock

--1℃下げるだけで約10%も省エネできるなんて、驚きです!

ちなみに、暖房使用時に節電効果と快適さを両立できる最適な設定温度があればうかがってもよろしいでしょうか?

由井さん:前提として、環境省が推進するウォームビズでは、暖房時の室温は20℃を目安にすることを推奨しています。こうした目安を意識しながら設定温度を上げ過ぎない工夫が大切だと思います。

また、引き続き換気を意識することも重要ですが、厚生労働省は、窓開け換気で室温が18℃を下回らないようにすることを推奨しています。

undefined
画像:Vitaliy Hrabar/Shutterstock

--なるほど、18℃を目安として考えればいいんですね。

ただ、窓開け換気をした場合、どうしても室温が下回ってしまう…というケースもあると思います。そのような場合は、どのような対策が効果的なのでしょうか?

由井さん:厚生労働省は、十分に窓を開けると室温18℃が維持できない場合には、換気不足を補うために、HEPAフィルターを搭載した空気清浄機の併用が有効としています。

--ありがとうございます。それ以外にも有効的な方法はありますか?

由井さん:室温20℃(18℃以上)を目安にしてエアコンの設定温度を上げ過ぎないようにするには、厚着をすることも工夫のひとつです。

それ以外には、室内の温度ムラを抑えたり、加湿したりすることも効果的です。

室内の“温度ムラ”を抑えることが大事!

--先ほど、室内の温度ムラを抑えることが効果的とありました。よろしければ、温度ムラが生じる理由やそれを抑える意味についてお聞かせください。

由井さん:暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下に溜まる性質があります。室内に温度ムラがあると、人が暮らす足元の方が天井側に比べて温度が低い状態になります。温度ムラが大きい状態で足元を温めようとすると、エアコンの設定温度を上げることになります。

一方で、温度ムラを抑えて天井側に溜まった熱を足元に降りてくるようにしてあげれば、必要以上に設定温度を上げることを避けられます。

--なるほど! 設定温度を上げる必要がなくなれば、たしかに省エネにも繋がりますね。
ただ、温度ムラを抑えることの重要性はわかりましたが、具体的にはどのような方法をとればよいのでしょうか?

由井さん:まず、エアコンの風向を下に向け、熱が溜まりやすい天井付近に直接暖気を送り込まないようにすることです。加えて、室内機の向かい側に空気清浄機などの風を吹き上げるような機械を置くと、室内の空気が撹拌されて、温度ムラが抑えられます。

undefined
出典:ダイキン工業株式会社/図:TRILL ニュース

温度だけでなく“湿度”も重要!

由井さん:実は、温度だけでなく“湿度”も重要なんです。

--え! どういうことなんでしょう。詳しくうかがってもよろしいでしょうか?

由井さん:実は、人の体感温度は湿度によって変わります。特に冬時期は、意識的に加湿することで体感温度を上げることができるんです。

undefined
画像:New Africa/Shutterstock

--なるほど… それは盲点でした。ちなみに、具体的な数値や効果についてうかがってもよろしいでしょうか?

由井さん:湿度が低い冬、室内をエアコンや電気ファンヒーターなどで温めると、さらに湿度が下がります。実は、湿度が20%変わると体感温度は4℃変わると言われており、湿度は体感温度に大きく影響します。そのため、加湿してあげることでもエアコンの設定温度を必要以上に上げることを防げます。

undefined
画像:photoAC

--それほどまでに大きく変化するんですね!

由井さん:加湿の方法ですが、加湿器が無ければ、洗濯物の部屋干しでも結構です。先ほど、温度ムラを抑える工夫の中で空気清浄機を置くことをおすすめしましたが、加湿空気清浄機を置けば、温度ムラの抑制と加湿の両方で活躍してくれるので、一石二鳥です。さらに、厚生労働省が推奨する換気時の併用を考えると一石三鳥と言えるかもし

--一石三鳥はスゴいです…!快適に、そして健康に過ごすためにも、我が家にも加湿空気清浄機の導入を前向きに考えたいと思います。

undefined
画像:TRILL ニュース

値上げの冬も、暖房を賢く使おう!

今の時期は、どうしても暖房を使用せざるを得ませんよね。しかし、今回のアドバイスを実践すれば、少しでも電気代を抑えることができるかもしれません。

暖房を賢く使って、冬の厳しい寒さを乗り切りましょう!



取材:ダイキン工業株式会社コーポレートコミュニケーション室広報G
由井 明日香さん

取材・執筆:松本陸杜/ライター
カルチャー系メディアを中心に活躍するフリーライター。ジャンル問わずさまざまなコンテンツを執筆している。なかでも食レポに関するワーディングに定評がある。週5日はコンビニに通う、コンビニ情報通。戦略を考えながら対戦するカードゲームが好き。れません。