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「アクションシーンには意味があるべき」マーティン・キャンベル監督が映画『マーベラス』でのこだわり語る【インタビュー】

  • 2022.6.22

師匠を殺された最強の暗殺者が復讐の旅に出るキリングアクション『マーベラス』。『007/カジノ・ロワイヤル』『007/ゴールデンアイ』を⼿掛けた監督のマーティン・キャンベルが、本作のアクションシーンにかけたこだわりをフロントロウ編集部に語った。

画像1: 「アクションシーンには意味があるべき」マーティン・キャンベル監督が映画『マーベラス』でのこだわり語る【インタビュー】

『マーベラス』の軸は主演3人の人間関係

『マーベラス』では敏腕暗殺者アンナ(マギー・Q)が、師匠であるムーディ(サミュエル・L・ジャクソン)を惨殺したターゲットへの復讐を誓い、彼を守る護衛のレンブラント(マイケル・キートン)と対峙する復讐の物語。

キャンベル監督:複雑な人間関係がこの作品の魅力のひとつです。マギー・Qと父親代わりであるサミュエル・L・ジャクソンの関係、そして、彼女とマイケル・キートンの関係。後者は非常に競争的な関係にあり、常に緊張感が張りつめています。そして映画の最後には、2人の関係がどのような結果に繋がったかを見ることができます。彼女とキートンの競争関係は、この映画全体の中で最も興味深い点だと思います。

画像2: 「アクションシーンには意味があるべき」マーティン・キャンベル監督が映画『マーベラス』でのこだわり語る【インタビュー】

ひとつひとつのアクションに意味があるべき

本作では『ジョン・ウィック』製作スタジオと共に激しいアクションシーンを作り上げたキャンベル監督は、「アクションシーンには意味があるべきだと思います」と自身が持つモットーを明かす。“アクションを入れたいがためのアクションシーン”にならないように、本作でもひとつひとつのアクションにストーリーを持たせたという。

キャンベル監督:例えば、マギー・Qとマイケル・キートンがアパートの一室で戦うシーンは、とてもセクシーで、非常に競争的で、エッジの効いたシーンです。あれはとても興味深く、セクシーなシーンです。2人のキャラクターの前戯のようなシーンですね。2人の関係性を物語っています。

キートンが襲われる路地裏のシーンは、彼というキャラクターの面白さを物語っているシーンです。彼は面白くて、セクシーなのですが、同時にとても残忍になれる。素顔は冷酷な殺人者なのです。だから、あのシーンはそれを表しています。

最後のシーンでは、老人がスピーチをして、追い追われるチェイスがはじまり、映画のラストへと向かっていく。だから、すべてのアクションシーンには、物語を先に進める役割があるのです。最近の映画でよく見られるような、アクションを入れたいがためのアクションシーンではありません。そのために、アクションの信憑性、面白さ、そしてキャラクターとの関連性を高めることを意識しました。

画像3: 「アクションシーンには意味があるべき」マーティン・キャンベル監督が映画『マーベラス』でのこだわり語る【インタビュー】

マギー・Qはほぼノースタントでこなした

ムーディという師匠がいるアンナように、ジャッキー・チェンという師匠がいるマギー・Q。「スタントはフィジカルなストーリーテリング」とRogerEbert.comで語っている彼女は、『マーベラス』ではほぼすべてのアクションを自分でこなしたという。

キャンベル監督:マギー・Qは素晴らしい役者であるだけでなく、アクションにも優れています。アメリカのテレビで『NIKITA / ニキータ』というアクション・ドラマシリーズに出演していましたが、彼女はその中で素晴らしい演技を見せていました。彼女は映画の中でアクションの98%を自分でこなしました。

彼女の素晴らしいところは、信憑性があることです。彼女ならば、あれだけ激しいアクションが実際にできると信じられる。すべてのアクションシーンにおいて、悪者を相手に闘う彼女の行動を信じることができる。アクション映画では信じられないようなアクションシーンがよくありますが、彼女ならばその能力があると信じられる。

画像4: 「アクションシーンには意味があるべき」マーティン・キャンベル監督が映画『マーベラス』でのこだわり語る【インタビュー】

マイケル・キートンとサミュエル・L・ジャクソンの魅力

監督はマギー・Qを絶賛すると共に、マイケル・キートンとサミュエル・L・ジャクソンという2人の大御所俳優の魅力についても語った。

キャンベル監督:マイケル・キートンが素晴らしい俳優であることは周知のとおりですが、彼はいつも何か新しいものを(作品に)もたらしてくれます。いつも驚かされる俳優のひとりで、脚本に書かれている以上のものをその役にもたらすのです。そして、サミュエル・L・ジャクソンは、演技に関してはカメレオン的な存在です。コメディの演技もできるし、トラウマの演技もできるし、シェイクスピアもできる。それが何であるかは問題ではありません。彼はそれをうまくこなすことができ、観客に信じさせられる才能のある俳優なのです。

画像5: 「アクションシーンには意味があるべき」マーティン・キャンベル監督が映画『マーベラス』でのこだわり語る【インタビュー】

議論を呼んだエンディングは観客テストの結果だった

『マーベラス』はエンディングシーンが、欧米の公開時に大きな議論を呼んだ点でも話題になった。その詳細は劇場で確認してほしいが、当初は別のエンディングが用意されていたという。

キャンベル監督:じつはオリジナルのエンディングは違うものだったのです。もともとは窓から銃声が聞こえてきて、2人が引き金を引いたことが分かり、玄関へと歩く足音がして、ドアが開き、そこで映画が終わるという、誰が撃ったかはわからない結末でした。しかしテストスクリーニングをしたところ、観客はそれが不満だった。ドアから誰が出てきてほしいかという点で観客の意見は一致していて、だから我々は代替案としてあのように変更したのです。かなり大きな変更でしたが、観客は最初のエンディングに満足していなかったので。私は個人的には、生き残ったのが誰だかわからないというオリジナルのエンディングが好きでしたけどね。本当はそちらを望んでいました。でもテストスクリーニングをしたときの観客の意見は違ったので、変更したんです。

復讐の暗殺者、完璧なる護衛者、贖罪を求める工作員が戦うキリングアクション映画『マーベラス』は7月1日(金)より全国公開中。(フロントロウ編集部)

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