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ジョニー・デップとアンバー・ハードの裁判で女性の人権運動は後退しない、エマやMeToo団体がコメント

  • 2022.6.13
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ジョニー・デップとアンバー・ハードの裁判によって、女性の人権を求めるMeToo運動が後退するのではないかという懸念があるなか、エマ・トンプソンやMeToo運動団体がコメント。(フロントロウ編集部)

ジョニー・デップとアンバー・ハード裁判、その影響

俳優であるジョニー・デップとアンバー・ハードの元夫妻が、お互いを名誉毀損で訴えていた裁判。まず、ジョニーがアンバーに対して名誉毀損で裁判を起こし、アンバーもジョニーに対して名誉毀損で反訴。

ジョニー側は、アンバーが2018年に発表し、彼女がジョニーからDV(家庭内暴力)を受けていたとした米Washington Postの論説から3つの点で名誉毀損を訴え、すべてが認められた。アンバー側は、過去にジョニーの弁護を担当していた弁護士のアダム・ウォルドマン氏が英Daily Mailの複数の記事でアンバーについて中傷的な発言をしたとして、2つの点で名誉毀損を訴え、そのうちの1つが認められた。

そして、この裁判によって、アンバーが嘘を言っていると思っている人からも、アンバーが嘘を言っていないと思っている人からも、同じ1つの懸念があがっている。これによって、社会の改善を進めてきた女性の人権運動であるMeToo運動がストップしてしまったり、後退してしまったりするのではないかということ。

たった1つの裁判例によってMeToo運動がダメになることはない

画像1: たった1つの裁判例によってMeToo運動がダメになることはない

2017年にハリウッドで始まり、全世界的に女性たちが連帯したMeToo運動は、女性に対する性暴力を告発し、もう許さないという姿勢を示すもの。これにより、数えきれないほどの女性たちから性暴力を告発されたハーヴェイ・ワインスタインは有罪判決を受け、その他にも何名もの業界関係者が告発された。

しかし、女性が性暴力被害を告白すると言われがちなのが、嘘ではないのかということ。日本でも自民党の政治家が「女性はいくらでも嘘をつける」と発言したことは大きな問題となった。また、まずもって性犯罪は通報されないことが多く、通報しても加害者が適切に処罰されないことのほうが多い。

そのため、アンバーが嘘を言っているとしても、言っていないとしても、どちらにせよジョニーとアンバーの裁判を例に出して女性の人権を抑え込もうとする意見が出てくると予想される。また、現在夫などに家庭内暴力をふるわれている女性が、裁判を見たことでその被害を明かせない心境になってしまう可能性もある。

しかし、MeToo運動だけでなく、映像業界で何十年と女性の人権のために闘ってきたエマ・トンプソンは、英BBCのラジオ番組『Woman’s Hour』でこう指摘した。

画像2: たった1つの裁判例によってMeToo運動がダメになることはない

「あの件において最も大きな問題は知名度と、有名人は異なる扱われ方や見られ方をしているということでしょう。MeToo運動はあれによってダメになることはありません。しかし、ダメにしないためには、私たちが話し続ける必要があります。とても、とても、とても有名な2人による裁判によってMeToo運動が失敗することを許さないために、私たちは話し続ける必要があります。

2人の主人公があれほど有名である裁判は、代表例にはならないでしょう。そして、MeToo運動は人間の優しさについてであり、非常にシンプルであるにもかかわらず、非常に複雑なものとされていますが、ただ1つの裁判によってダメにさせられることはないと覚えておくのは非常に重要なことです」

まず、ジョニーとアンバーのドロ沼裁判は特例すぎて代表例にはならない。そして、世界では日常的に女性に対する暴力や差別が何億と起こっており、それを改善しようとする運動が、たった数億分の1の裁判によってダメにさせられることはない。そしてエマの言葉通り、MeToo運動を「ダメにしないためには私たちが話し続ける必要」があるだろう。

有名人2名による裁判が社会に与える影響は大きい。MeToo運動の公式ホームページでは、「デップ=ハード裁判で私たちが経験したことは、特権階級にある白人のセレブ2人の間で親しいパートナーによる暴力が公に語られたことでした」とし、裁判は「社会的、政治的な運動がどのように誤用され、奉仕すべき人々に反対する武器となるかを示すケーススタディ」になったと指摘。団体は最後にこう綴っている。

「中絶の権利や銃の安全性、そして黒人の命のための闘いに対する新たな恐怖に直面する今、私たちの運動を誤解させようとする人々のせいで、私たちが集中力を失ったり、尻込みしたりすることはありません。私たちの身体のための権利を尊重し、レイプカルチャーを崩壊させるための活動は続いていきます」

(フロントロウ編集部)

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