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貯蓄はあるのに…高齢者という理由だけで賃貸入居を拒絶されるケースが相次ぐ そのワケは?

  • 2022.6.12

高齢者が不動産会社や大家から賃貸物件の入居を門前で拒絶されるケースが相次いでいます。なぜそのような事態が起こるのでしょうか?大家が高齢者の入居を断る理由について解説します。

■1 孤独死のリスク

高齢者が賃貸物件への入居を拒絶される大きな理由に「孤独死のリスク」があります。国交省は、「賃貸物件に入居する高齢者が孤独死しても、それが自然死なら事故物件の届け出を行う必要はない」としています。

ただ、一般的にはそのような物件は事故物件とみなされ、大家はその物件の家賃を下げざるを得ないのが現状です。

また、身寄りのない高齢者が孤独死した場合、大家は遺品整理や賃貸契約の解約などにも頭を悩ませることになります。

■2 近隣トラブルのリスク

高齢者が原因となる近隣トラブルのリスクも、多くの大家が警戒します。高齢者は認知機能や感情制御機能の低下で近隣トラブルを起こしやすいからです。

高齢者の近隣トラブルで目立つのが以下の事例です。

・ささいなことでキレる
・入居物件がゴミ屋敷化する
・入居物件が悪臭の発生源になる
・認知症が原因で近隣住民に迷惑をかける

高齢者が入居すれば、以上のトラブルが多発して入居者がゼロになりかねません。そのことを懸念して高齢者の入居を拒む大家も多数います。

■3 火災のリスク

高齢者による火災のリスクも大家は警戒しています。

高齢者は心身の衰えが原因で火事の原因となるミスが増えます。たとえば、「ガスコンロの火の消し忘れ」はその代表格です。

また、同じ理由で仏壇・神棚のロウソクやたばこの火の不始末も増えますが、それも火災のリスクを高める要因となります。

火災が発生すれば賃貸物件の焼失で大きな損害を被り、他の入居者への損害賠償も発生して大変な事態になります。そのリスクを避けるために高齢者の入居を拒む大家も少なくありません。

■4 家賃滞納のリスク

家賃滞納のリスクも高齢者が入居を断られる原因です。

現在、平均的な高齢者世帯(年金受給世帯)は毎月の収支がマイナスです。また、死ぬまで安定して家賃を払えるほど多額の貯蓄を持つ高齢者世帯は限られています。

そのような現状から、家賃の滞納を恐れて高齢者の入居を断る大家も目立ちます。

■5 ゴミ屋敷化のリスク

大家は高齢者による「ゴミ屋敷化」のリスクも恐れています。

高齢になると体力の衰えや認知機能の低下で整理整頓や掃除を行うのが難しくなります。また、認知症や寝たきりになると、まったく整理整頓や掃除ができなくなります。

その結果、居住空間がゴミ屋敷化して悪臭の発生源になり、他の入居者や近隣住民とトラブルになる恐れがあります。

それを理由に高齢者の入居を断る大家も多いのです。

■高齢者が賃貸物件への入居を断られた場合の対策

以上の理由から賃貸物件への入居を拒絶されて困っている高齢者は、まず国の「セーフティネット住宅情報提供システム」で物件を探しましょう。

「セーフティネット住宅情報提供システム」では、高齢者などの入居を断らない物件を紹介しています。また、このシステムと連携する各市区町村では、物件探しや家賃補助などの相談に応じています。

もしそこで物件が見つからない場合は、駅から遠いなどの理由で入居者の確保に苦労している物件を狙うのがおすすめです。ぜひ根気よく物件探しを行い、よき終の棲家を見つけましょう。

文・大岩楓
元銀行員ライター。預金・為替業務に長く携わった経験をもとに、節約などの記事を多数執筆。現在はジャンルを広げて教育系の資格を生かした記事まで幅広く執筆。

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