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漢数字の「一二三」は「壱弐参」とも書くけど違いはあるの?わざわざ画数を増やすメリットは?

  • 2022.6.11
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漢数字の「一ニ三」は、「壱弐参」という表記がされる事もあります。 わざわざ画数を増やして難解にするのも不思議なような気もしますが、間違い防止や不正防止、詐欺防止などの意味があるそうです。 この難しい漢数字「壱弐参」は大字というのですが、ここではこの大字はいつ頃からあるのか、他にもどのような大字があるのかを解説します。

「壱弐参」は大字という

 

難解な漢数字の壱弐参のことを指す「大字」は「だいじ」と読みます。 まずは大字がどういうものなのかを見ていきましょう!

大字がある理由

そもそもなぜ、壱弐参という大字はあるのでしょうか。 それは、間違い防止や不正防止、詐欺防止のためだとされています。

単純に一二三という簡単な漢数字であれば、あとから付け加えて数字を変更することが可能となってしまいますよね。 例えば、一に「_」を加えれば二になってしまいますし、一に「|」を足せば十になります。

それもあって、二や三は本来の数字に、線を付け加えられたものではないかと疑われたり、勘繰られる可能性があります。 そのような改竄や疑念を抱かれるといったことを未然に防止するため、難解な形状にした「大字」は誕生したのです。

大字の使用される場所

大字は数字の改竄による詐欺などを防ぐ他、カタカナとの混合が起きないように用いられるものだとされています。 特に戸籍や領収書や登記などの法的文書や会計書類などは大字を用いる、とされています。

また、紙幣でも大字が使われています。 一万円札は「壱万円」、二千円札には「弐千円」と書かれています。 ちなみに、千円札は「千円」となっているので大字は用いられていません。

大字の歴史

大字という文化はいつから始まったのでしょうか?

これに関しては、少なくとも飛鳥時代には存在したことが分かっています。 701年に制定された大宝律令において、公式文書の帳簿類に大字を使うことが定められています。

当時から漢字の読み間違いや書き間違いを防ぐために用いられた他、線を書き足すことで数字を変えられないようにするためのものとして活用されていたのではないかと考えられています。

大字は、中国でも古くから存在していたとされています。 一部は簡体字に変化しているものの、現代でも使われています。

他にも大字はあるの?

 

改竄しやすい「一二三」の大字「壱弐参」がやはり代表的ですが、他の漢数字にも大字は存在しています。 ここからは、他の大字についても見ていきましょう。

日本の法令では「壱・弐・参」そして「拾」のみ

現在の日本の法令で用いるべし、とされている大字は壱弐参の他に「十を意味する拾」のみとされています。 大字の指定について書かれた現行の法律で一番古いものは、明治41年法律第53号の第三十七条三項とされています。

その第三十七条三項によると「数量や年月日および番号を記載するには壱弐参拾の字を用いるべし」と明記されています。 他にも指定している法律がありますが、いずれも大字は壱弐参拾とされています。

実際にはある他の大字

ただし、壱弐参拾の他にも「四・五・六・七・八・九」や「百・千・万」を大字で表現することが可能です。 詳しくは以下を参考にしてください。

・四の大字:肆 ・五の大字:伍 ・六の大字:陸 ・七の大字:漆(柒) ・八の大字:捌 ・九の大字:玖 ・百の大字:佰(陌) ・千の大字:仟(阡) ・万の大字:萬

もうひとつの「大字」

 

実は他にも「大字」という言葉が用いられるものがあります。 それは、住所に用いられる「大字」です。

しかし、こちらは「おおあざ」と読みますので、全く別物として認識してください。

住所に用いられる「大字(おおあざ)」

こちらの「大字」は、市町村内の区画名称である「字(あざ)」の一種とされています。

これは、もともと公布された市制および町村制の施行時に従前の村名・町名を残したものとなっています。 しかし、中には市制・町村制施行後の分離や埋立などによって新しく作られた大字もあります。

前者の場合、その歴史は江戸時代までさかのぼることができます。 明治時代に市制・町村制へ移行され、市町村合併が行われたのですが、消滅することになった江戸時代から続く村の地名や区画を新制度でも引き継ぎ残すために用いられたとされています。

表記は略していいの?

手紙などで住所を書く際、少しでも各文字は減らしたいですよね。 郵便番号を正しく書いてあれば、都道府県名や市区町村は省略することができます。

では「大字」はどうなのか。 これはケースバイケースですが、場合によっては略すことができます。

まず省略できる場合をご紹介します。 町域名に先立って大字が冠されている場合は、記載を省略することが可能です。 例えば、以下のように省略できます。

・333-0823 埼玉県川口市「大字」石神○○○ ⇒333-0823 石神○○○

しかし、完全に省略できないとされる場合もあります。 それは、大字が冠された町域名のあとに「字」の文字が続く場合です。 この場合は、「大字」は省略できますが、「字」の方は省略できないとされています。

例えば、以下のような場合は、省略せず表記する必要があります。

・038-3802 青森県南津軽郡藤崎町「大字」藤崎「字」西村井〇-〇〇 ⇒038-3802 藤崎「字」西村井〇-〇〇

しかし、場合によっては省略しても大丈夫、郵送が滞りなくされるとされることもあります。

まとめ

漢数字の「一二三」を難解に表記する「壱弐参」は、大字と呼ばれるものです。 これはお金にまつわるものや公的な書類など、重要な場面で用いられるものとなっています。

一二三でも表記可能なのですが、その場合だと改竄されてしまうこともあるため、より重要な書面では大字を使う方が好ましいとされています。 法令では「一二三」の他に「十」の大字が採用されていますが、「四五六」などの漢数字にも大字は存在します。

また、地域によっては住所に使用されている「大字」は「おおあざ」と読み、漢数字の大字とは別物なのでご注意ください。

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