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その「アドバイス」は正しい? 母親を追い詰めないために、周囲が知っておきたいこと

  • 2022.6.12

初めての出産や育児。「母乳が出ないのは母親の努力が足りないから」「無痛分娩だと赤ちゃんへの愛情がわきにくい」など様々なうわさを耳にする。迷信も多いのだが、当事者としては不安になってしまう。産後は情緒が不安定になりやすく、責任感の強い人ほど、周囲の何気ない一言に傷つき、ひとりで抱え込んでしまいがちだ。

2022年7月19日に発売される『新生児科医・小児科医ふらいと先生の 子育て「これってほんと?」答えます』(西東社)では、このようなうわさに専門家がエビデンス(=科学的根拠)にもとづいて回答していく。

監修は講談社の漫画『コウノドリ』の医療監修でも知られる新生児科医・小児科医の今西洋介さん。Twitterでは「ふらいと」というアカウント名でSNSにまん延する誤った情報に対し、正確な医療知識を発信し続けている。

母乳の出る出ないに「努力」は関係ない

例えば、「母乳が出ない。これって母親の努力が足りないから?」という質問。今西さんの回答はズバリ、「いいえ」だ。

産後すぐから頻回授乳をすると、母乳が出やすくなると言われているが、そもそも母乳の量には個人差がある。また、病院では助産師さんのアドバイスやマッサージをしてもらえるが、なかなか効果につながらないこともある。

「お母さんがつらいのは、出にくいという事実以上に、そのことで周囲から責められていると感じるからではないでしょうか」と今西さん。出産したのが母乳推奨の産院で、「母乳が出なければ母親失格」とばかりに、激痛をともなうマッサージをされたり、叱咤されたりして、落ち込んだ経験がある人は、その言葉に心当たりがあるだろう。

母乳が出ないのは、母親の努力不足ではない。ミルクを使う選択肢もあるし、自分を責める必要はない。ましてや周囲から責められるいわれは全くない。周囲の人が母親を追い詰めないように配慮をすることが大切だ。

他にも、「無痛分娩だと赤ちゃんへの愛情がわきにくい?」「夜泣きにお母さんは気づきお父さんは気づかないのは男女差?」という母性愛神話を丁寧に訂正する回答や、「赤ちゃんの体重が増えすぎ...ミルクや離乳食を減らすべき?」「ハイハイせずにいきなり立つ子は、足腰が弱くなる?」といった育児の不安に対する真摯な回答が掲載されている。

「お母さんって子供に何かあると自分を責めてしまう方が多い。誤情報を信じて自分を責めてしまっている方がいたら、この本を通じて少しでも自責の念が軽くなればいいなと思っています。あとは現役の子育て世代だけでなく、おじいちゃんおばあちゃんもこの本を読んで、自分の子どもにアドバイスしてもらうとか。これから親になる方も含め、広く読んでもらいたいと思います」

これから母親になる人だけではなく、すべての人にとって役立つ1冊だ。悪気がなくても心無い言葉で新米ママを追い詰めることのないよう、正しい知識を身につけておこう。

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