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【六本木】泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅱ 光陰礼讃―モネからはじまる住友洋画コレクション

  • 2022.6.11

六本木の泉屋博古館東京では泉屋博古館東京リニューアルオープンを記念しての館蔵名品展第二弾、「光陰礼讃 ―モネからはじまる住友洋画コレクション」が7月31日まで開催されています。

出典:リビング東京Web

住友家15代当主である住友吉左衞門友純(春翠)が明治30年(1897)の欧米視察中のパリで印象派の画家モネの油彩画2点を入手した事に始まります。

洋画家鹿子木孟郎(1874 - 1941)が渡欧する際の費用を支給したほか、海外での作品の購入も任せていました。

出典:リビング東京Web

泉屋博古館東京 ホール

住友須磨別邸(洋館)に飾るための西洋絵画を収集

住友吉左衞門友純(春翠)は、当時購入した西洋絵画を明治36年に完成した兵庫県須磨別邸に各部屋の設えに合わせて絵画を飾ることを計画していたそうです。須磨別邸は第二次世界大戦の戦火によって現存していませんが、会場では模型が展示されています。

こちらの大邸宅に飾られるために取集された西洋絵画はどのような作品なのか興味深いものがあります。模型から当時の様子を伺うだけでも広大な敷地に建つ瀟洒な洋館です。

出典:リビング東京Web

兵庫県須磨別邸模型 ※特別に許可を得て撮影しています。

19世紀フランス絵画 印象派モネと古典派ローランス

こちらは住友吉左衞門友純(春翠)が明治30年(1897)の欧米視察中のパリで入手したモネの油彩画です。《モンソー公園》1876 年(右)は、凱旋門の近く、パリ8区にあるモンソー公園を描いた作品です。当時モネを支援していたパトロンの夫人と娘が画中に描かれています。

出典:リビング東京Web

右:クロード・モネ《モンソー公園》1876 年 左:クロード・モネ《サン=シメオン農場の道》1864年

こちらの絵画は、鹿子木孟郎が春翠の依頼を受けて購入した作品です。 18世紀のフランスの将軍マルソーの死と、その死を敵であるオーストリアの参謀らが悼む様子を描いています。

出典:リビング東京Web

ジャン=ポール・ローランス《マルソー将軍の遺体の前のオーストリアの参謀たち》1877 年

鹿子木孟郎は、ジャン=ポール・ローランスに師事し、フランス古典派の写実表現を追求していました。帰国後、関西美術院や太平洋画会、文展(文部省美術展覧会)でも中心的存在となり、明治末の文展等で活躍した画家の作品を春翠に仲介しています。

出典:リビング東京Web

鹿子木孟郞《ノルマンディーの浜》 1907年

出典:リビング東京Web

展示風景

初期文展の花形作家たちの代表作
出典:リビング東京Web

展示風景

東京美術学校(現在の東京藝術大学の前身)で黒田清輝に師事し後に同校教授となった藤島武二は明治末にフランスに留学し、古典的写実からポスト印象派まで幅広く学びました。 留学先のローマで描かれ、帰国後に完成させた作品で、第5回文部省美術展覧会に出品されて高い評価を受けました。

出典:リビング東京Web

藤島武二《幸ある朝》 1908年

住友春翠の子息、住友寛一(1896-1956)は、岸田劉生(1891-1929)と親交があり麗子像の作品他も展示されています。

出典:リビング東京Web

岸田劉生《二人麗子図(童女飾髪図)》 1922年

出典:リビング東京Web

展示風景

20世紀のパリと日本で活躍した画家達の競演

住友春翠のもう一人の子息友成(1909―93)は、20世紀のパブロ・ピカソやピエール=オーギュスト・ルノワールなど20世紀を代表する洋画家の作品をコレクションしており、同時代の日本人画家の作品を収集した作品が展示紹介されています。

出典:リビング東京Web

ミュージアムショップ

展示のテーマである光を追い求めた印象派を「光」、陰影表現による実在感を追求した写実派を「陰」と捉えて二つの流れから展開した近代洋画の様々な作品が展示されています。

住友吉左衞門友純(春翠)の洋画コレクションを始めた明治から、子息の住友寛一、住友友成により大正、昭和という激動の時代に収集された作品が展示されています。

歳月の意味と作品表現の特徴を表す言葉の掛け合わせからなる「光陰礼賛(こういんらいさん)」がテーマの展示は、ひとつひとつの作品を時代の流れを振り返りながら鑑賞することで様々感慨深いものがありました。

泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅱ 光陰礼讃 ―モネからはじまる住友洋画コレクション 開催期間 2022年7月31日(日)まで 開催場所 泉屋博古館東京 ※入館料のみで観覧できます

泉屋博古館東京 https://sen-oku.or.jp/tokyo/ 東京都港区六本木1丁目5番地1号 開館時間 11:00〜18:00 ※金曜日は19:00まで開館 ※入館は閉館の30分前まで 休館日 月曜日 ※7月18日(月)は開館、翌19日休館 入館料 一般 1,000円(800円) 高大生 600円(500円)中学生以下無料 ※20名様以上の団体はカッコ内の割引料金 ※障害者手帳ご呈示の方、および付添人1名様まで無料 TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル) 東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅下車 北改札正面 泉ガーデン1F出口より屋外エスカレーターで徒歩3分 東京メトロ日比谷線「神谷町」駅下車 4b出口より徒歩10分 東京メトロ銀座線・南北線「溜池山王」駅下車 13番出口より徒歩10分

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