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あなたは家を「買う?借りる?」。都内と地方、借りる派でコストを比較。

  • 2022.6.11
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生涯、家賃を払い続けるか。それとも思い切って家を購入するか。永遠の悩みでもあるテーマ、住まいとお金のこと。コロナ禍をきっかけに、家の存在意義を見つめ直す人が増えています。「買う」に踏み切った人、「借りる」選択にとどまった人。ます。今回は、都内と地方、それぞれの借りる派でコストを比較。共通するのは「30代女性、一人暮らし」。年収や職種によっても住まいの選択は変わるけれど、一番大きなポイントは「どんなライフスタイルを送りたいか」。地方と都内、それぞれの住まいに関するお金事情を取材しました。

1.借りる・都内/@東京都・荻窪

ロフトは仕事の資料やシーズンアイテムを置くストックスペースとして使用。

・Name:Kさん
・Age:31歳
・Job:ゲームデザイナー
・Income:年収約300万円

・家賃:6万9000円/月(管理費込み)
・間取り・広さ:1K・約23㎡
・築年数:28年
・駅徒歩:13分

「備えとして、2つの口座のうち1つは手をつけず貯金に。常時100万円はないと不安ですね」とKさん。いずれ会社員に戻ることも検討中だそう。

イベントにアクセスできる東京ライフを満喫。

リビングの奥がベッドルーム。〈無印良品〉の本棚をパーテーション代わりに。
〈IKEA〉のスチールラックには愛用のカメラやお酒、エクササイズグッズなど実用アイテムをディスプレイ。

東北から上京して13年。東京で暮らす最大のメリットをKさんはこう話す。「情報をキャッチしてすぐ行動に移せるのは大きいです。音楽フェスや好きなお笑い芸人のライブなど、地方から参加すれば、時間と費用が絶対的なコストになる。でも都内に住んでいれば、その負担は軽いです」

今の住まいは、4回の引っ越しを経て初めて更新をした部屋だ。「フリーランスで収入が不安定なので、家賃はできるだけ抑えたかったけれど、このエリアでは難しくて。学生時代に比べると家賃はプラス2万円ほど。それでも日当たりの良さと学生時代の友達が近くに住んでいるのが、更新の決め手でした」会社に所属していた20代前半よりも、現在の年収は下がっているというが、その表情は明るい。

「毎月20万円ちょっとの収入があれば十分。物欲がないので、特にカツカツという感じはないです。唯一、本や漫画には出費を惜しまないと決めてますけど、それも月2万円以上使うことはまれ。身の丈に合った生活をストレスなく送ることができている現状には、満足しています」住まいは、今後も賃貸の予定だ。「東京の東側は未踏のエリア。昔ながらの商店街があると聞く亀有とか、気になっているんです。いいな、と思う街に出会ったら、身軽に動きたいですね」

MY FAVORITE

近所の出版社発行のカルチャー誌のファン。
愛読している『neutral colors』。「出版社が荻窪にあり、SNSで即売会の情報をキャッチして、お邪魔しに行きます」

締め切りが近い日は〈コメダ〉で仕事も。
定番はアイスコーヒーのたっぷりサイズ。「電源、Wi-Fi完備で集中できるんです」。

2.借りる・地方/@栃木県・那須塩原

和と洋の雰囲気がミックスされたリビングダイニング。大きなテーブルは実は襖(!)。元々あったものも上手に活用している。

・Name:Nさん
・Age:30代
・Job:医療関係
・Income:年収約550万円

・購入時の物件価格:3000万円台(諸経費込み)
・間取り・広さ:1LDK・約42㎡
・築年数:45年(購入時)
・購入時の頭金:0円
・ローン支払額:12万円/月
・借入金融機関:大手メガバンク
・ローン返済年数:35年(変動金利)

「30歳過ぎまで貯金はほぼゼロ(苦笑)。なので、頭金を用意することは最初から考えていなかった」というNさん。当初はネット銀行や地方銀行でのローン借入れを検討していたが、広さや築年数が条件をクリア出来ず、結果的に大手メガバンクに。

東京よりもここでの暮らしが好きになりました。

キッチンはオール電化。「東京よりもガス代が高いと聞き、物件選びの際に重視しました」。
服や荷物を置いている部屋にはデイベッドも。

人口減少や高齢化が進む地方に移り住み、地域協力活動に従事する「地域おこし協力隊」。転職活動中に訪れたハローワークで、Mさんはその存在を知る。「“大人のワーホリ”だと思って飛び込んでみよう。地方だからこそ得られるやりがいがあるかもしれないと思ったのも、応募した理由です。独身の今なら身軽に動けるし、嫌だったら帰ってこようと思って」

ダメ元でのチャレンジだったが、見事合格。33歳で栃木県那須塩原市に移り住み、間もなく任期の3年を迎える。「今の部屋もここでの暮らしも気に入っているので、活動終了後も定住しながら、できる仕事を見つけたいと思っています。一番の大きな変化は、東京に住みたいと思わなくなったこと。ドラマや雑誌に出てくるような部屋を借りようと思ったら、一体いくらかかるのか…ね。駅から近くて徒歩圏内にスーパーやドラッグストア、コンビニがあって、生活に不便はないし、大自然も満喫できて。それでいて管理費、駐車場代込みで5万円しない。東京へのアクセスも良いし、すごく理想的」

DIYを楽しみながら、いざとなれば身軽に動くこともできる。賃貸ならではのメリットを最大限享受する生活が気に入っているそう。「先のことはわからないけど(笑)。当分はこのままかな」

MY FAVORITE

“自宅の湯船より近くの温泉”が定番に。
塩原温泉郷、板室温泉、那須温泉など近場に色々な温泉が。「〈湯守 田中屋〉さんの露天風呂からの眺めは最高!」

集中したい時は徒歩圏内の図書館へ。
2020年にオープンした〈那須塩原市図書館 みるる〉。「天井が高く、開放的な雰囲気でカフェもあり、居心地抜群です」

(Hanako1209号掲載/photo : Kenya Abe, Wataru Kitao, illustration : naohiga text : Yoshie Chokki edit : Yoshie Chokki )

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