1. トップ
  2. ジェンダー平等は男性の生きづらさも解消する! 他人事じゃないジェンダー問題

ジェンダー平等は男性の生きづらさも解消する! 他人事じゃないジェンダー問題

  • 2022.6.10

SDGsの目標でもある「ジェンダー平等※」。見かけの性別で「こうあるべき」と決めつけ、差別されない社会をつくることで、多くの国が抱える経済成長、貧困や教育といった課題の解決ができるとされています。 ともすれば女性の問題と捉えられがちですが、男性にとっても大事なことのようです。 ※…性別役割分担やイメージによる男女の社会的性別による差別をなくすこと

出典:リビングふくおか・北九州Web
ジェンダー平等は男性の生きづらさも解消する
出典:リビングふくおか・北九州Web

多賀太さん 関西大学文学部教授。1999年、「男性のジェンダー形成に関する研究」で九州大学から博士(教育学)。久留米大学文学部助教授、関西大学文学部准教授などを経て、2009年から同教授。男性が主体となって女性に対する暴力撲滅に取り組む「一般社団法人ホワイトリボンキャンペーン・ジャパン」代表理事。近著に「ジェンダーで読み解く男性の働き方・暮らし方」(時事通信社)。

ジェンダーの問題は、男性にとっても他人事ではありません。 日本の男性の働き方や暮らし方には多くの課題があり、それが日本社会の停滞とも大きく関係しています。

性別役割分業を規範とする従来の社会は女性の社会的活躍の機会を制限する一方、男性を「女性に負けてはならない」「弱音を吐くな」といった「男らしさ」の達成へと駆り立ててきました。 競争や長時間労働に苦しむ男性、育児や私生活に時間を割きたくてもかなわない男性、弱みを見せたり相談したりできず、心身の健康をむしばむ男性も少なくありません。 ワーク・ライフ・バランスとジェンダー平等の実現こそが男性の生きづらさ解消の鍵になり、それによって男性も人間らしい生き方を取り戻せるのではないでしょうか。

また、男性から家事や育児のやり方をめぐって妻とぶつかったりモヤモヤしたり、仕事に追われて育児に関わる時間が短く、子どもがなついてくれないという悩みもよく聞きます。 衝突し、悩むということは、それだけ家事や育児に主体的に関わろうとしているのではないでしょうか。 家事や育児に正解はなく、やり方やペースが違って当たり前。 こうした状況を肯定的にとらえて、話し合いながら妥協点を見つけていくことで、夫婦ともにこの悩みから少しは解放されるかもしれません。

「リビングふくおか」「リビング北九州」2022年6月11日号掲載

元記事で読む
の記事をもっとみる