1. トップ
  2. 「ローソンでしか買えない!」“世界初のカミソリ”の秘密に迫ってみた!《独自取材》

「ローソンでしか買えない!」“世界初のカミソリ”の秘密に迫ってみた!《独自取材》

  • 2022.7.5

2022年4月1日に施行された「プラスチック資源循環促進法」を受け、使い捨てカミソリ国内シェアNo.1(※1)を誇る貝印株式会社は、様々な“環境対応カミソリ”の提供を開始しています。

今回は、その中でもとりわけユニークな“世界初の「紙カミソリ」”に注目しました(※2)。開発の際、どのような点が大変だったのか。また、発売後の反響などを同社広報に取材し、商品の魅力に迫ります。

(※1)インテージSRIデータ 男性・女性使い捨てカミソリ市場 2020年6月〜2021年5月

(※2)金属だけでできたヘッドと紙ホルダーからなるカミソリ(特許第6894054号)

世界初!「紙カミソリ®︎」が誕生

undefined

こちらが、貝印の「紙カミソリ®︎」になります。現在はローソン先行で販売されており、価格は152円(税込)です。

undefined

同社の製造する3枚刃カミソリに比べ、プラスチックがなんと98%も削減されているんだそう。1袋に1本入りで、1dayの使い捨て仕様となっています。

開発で苦労したポイントは?

世界初の「紙カミソリ®︎」を開発・製造する上で、いったいどのような苦労があったのでしょうか?

同社広報に質問したところ、下記の返答をいただくことができました。

大変だった点は主に2つあります。
1.紙の選定です。濡れても丈夫な紙を探すこと/我々は紙を扱っている会社ではないので、どのような紙を評価し最適なものを選べばいいのか分からなかったので苦労しました。
2.カミソリの形に紙を折る際の折り方/複雑な折り方をすれば強度は上がりますが、それだと使う方が大変になってしまいます。
シンプルな折り方と強度を両立させなければならない点が大変でした。

普通のカミソリと変わらない使用感!

undefined

「紙カミソリ®︎」は組み立て式となっており、袋にはこのような状態で入っていました。数字と点線がついていますし、難しい部分は一切なし。誰でも簡単に組み立てられるはずですよ。

undefined

組み立てた状態がこちら。本体を固定している白いテープは刃の保護シールになります。

undefined

「紙カミソリ®︎」と聞くと切れ味に不安を持たれるかもしれませんが、ご安心を。刃は金属製のため切れ味に問題は全くありません。剃り残しもなく、スムーズに毛をそることができました。

(※写真はイメージです)

なぜローソンで先行販売しているの?

undefined

現在はローソン限定での先行販売となっていますが、これには理由があるのでしょうか?

脱プラスチックに積極的に取り組んでいるローソン様から、共感をいただき先行販売するに至りました。
使い捨てカミソリは、緊急で必要になり購入される方が多いため、ローソン様との相性も良かったことも大きな理由の1つです。

たしかに、ローソンは一部商品の容器を紙製に変更するなど、プラスチック削減のため様々な取り組みをしています。

また、コンビニエンスストアは早朝から深夜まで営業しているため、使い捨てカミソリを販売する場所としてはぴったりと言えそうです。

発売後の反響は?

undefined

プラスチックを削減しながらも、カミソリとしての機能性をしっかりキープした「紙カミソリ®︎」。テスト販売時は3日で完売を記録したそうですが、正式発売後の反響をうかがいました。

女性のお客様からもデザイン性の高さをご評価いただいており、他の小売店様からもお問い合わせがございました。

本製品は“ジェンダーフリーなデザイン”も重視されたそうですが、その点も評価につながっていることがわかります。

今後の商品展開について

undefined

「紙カミソリ®︎」は、まさに時代の最先端の使い捨てカミソリと言えそうです。

しかし、今後の商品展開について、貝印は再生紙を使用するなど「紙」の可能性を模索する一方で、プラスチック製品の販売も継続していくんだそう。また、こちらも「再生プラスチック」など環境負荷の低い素材に順次切り替えを検討しているんだとか。

あくまで「紙カミソリ」はアプローチの1つとして、これからも人々のライフスタイルに合ったカミソリを選べる状態を作ることを目指していくそうです。



筆者:松本陸杜/ライター

カルチャー系メディアを中心に活躍するフリーライター。ジャンル問わずさまざまなコンテンツを執筆している。なかでも食レポに関するワーディングに定評がある。週5日はコンビニに通う、コンビニ情報通。戦略を考えながら対戦するカードゲームが好き。