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出会い系サイトで成功する人、しない人。

  • 2015.10.3
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出会い系サイトで成功する人、しない人。

仕事に美容に恋愛に、女の人生ってけっこー大変! 私はこのままでいいのかな? 幸せになれるかな? そんなモヤっとした悩みを浄化し、毎日がもっと楽しくなる痛快エッセイを、毎週土曜日お届けします。

「いい人に出会いたい」のは、妙齢の女子なら誰しも思うこと。果たして、出会い系サイトで恋は実るのか? 恋愛ジャーナリストが自ら飛び込んだネット時代の恋の駆け引きを一部始終、お見せします。


【恋愛はしたいけれど1mmも傷つかずに生きたい】vol.11

出会い系が最近熱い!

これは個人的な感想なのだけど、でもでも、最近友人がある出会い系アプリで彼氏を見つけたし、別の出会い系会社を取材したら、そこは毎月数万人の入会希望者がいると聞いてかなりワクワクした。

「ネット時代の出会いに有効なのかしら?」

気になったら止まらない性格なので、早速私もある出会い系サイトに登録してみようと試みます。

おおしま、人生初の出会い系デビュー

メールアドレスを登録して、とりあえず登録者が見られるようになるまでほんの数秒。この手軽さ、カップ麺よりも早し! Facebookを思わせるサイトの作りが、グッと親近感を湧かせます。試しにプロフィールを書き込む前に、まずは男どもを物色開始。

「名前 チャッピー」自分でチャッピーとか名乗るって、なんかバカっぽい。

「年齢 40歳」できれば年齢は私よりちょっと上に抑えたいなー。

「身長 166cm」私より小さいから保留。

「職業 建築業」肉体系はね…

「年収 300~400万円」低い。

自分勝手に物色するも、「この人!」という男性が一人も見つからない。私は普段ストライクゾーンがかなり広いことが有名で、性格さえ合えば何歳上でも下でも、仕事も年収も何でも構わない。そのスタンスのハズなのに、ネットを通じて人を選ぼうとすると、どうしても条件に目がいき、そして必ず何かが引っかかる。

「いい男が見つけられないなら、とりあえず見つけてもらいましょ♪」

めずらしく受け身スタンスで、ひとまず自分のプロフィールを作ることにする。

文字で自分を演出するには…

・名前 りえ

・身長167cm

・年齢30歳

…ここまでは順調なのだが、問題はここからだ。

「趣味は読書、映画鑑賞、以上」

書くことが無くなりました。

読書と言っても読む本はほとんど仕事関係の書籍のため、一番好きな作家というのが存在しない。映画だってほぼ売れているものを観る程度。仕方がないから『プラダを着た悪魔』と書いて、恋も仕事も頑張る自分を演出しよう。

でも苦しい自己開示はまだまだ終わらない。休日の過ごし方を振り返ると、

「ほぼ仕事orダラダラ」

開始早々入力スペースに書くことがなくなり、私は自分の人間の薄さに凹んだ。そして、もう1つ凹むことがあった。それは私のステイタス。

データにすると難あり女臭がぷんぷん。

婚活サイトは当然結婚を視野に入れた出会いを目的としているため、色々な登録項目が用意されている。例えば、転勤の有無や両親との同居の可能性。聞きにくいことを先に聞ける反面、正直にステイタスを記入すると損をする人物もいる。私である。

・ギャンブルの有無 有

麻雀は接待要員ですし、競馬は大きいレースだけだし、スロットだってほんのスキマ時間にやるだけだから、自分はギャンブラーとは言えないんだけどなぁ。

・お酒 飲む

最近は飲む回数も減ったし、量もほとんどこなせない。だからたしなむ程度ですがね。

・タバコ 吸う(でも禁煙中)

絶賛4年目突入。

・結婚歴 アリ。

「ちゃんと見たら、なんてダメそうな女!」

登録しながら携帯をベッドに投げつけ、叫んでしもーた。しかも、出身とか趣味とか一通りのことを紹介したあとに、これらステイタスがまとめて並んでいるもんだから、ダメージがより大きく見える。今まで自分を「ダメ女」と思ったことは何度もあったが、「難あり女」と思ったことは全くなかった。でも文字にすると「つまらない×難あり」で全くステキな女に見えないではないか。

メッセージが来たものの…

そんな凹むようなプロフィール登録ですが、隠しても仕方がないと一応全部正直に記入した。

「こんな私だけど、何万人もいれば、何人かは連絡してくるだろう!」

そんな希望を胸に一晩寝かせて結果を待つ。すると次の日、メッセージが来た!!! その数なんと21通!

1通1通ご紹介できないのが非常に残念なのだけど、結果から申し上げて9割が定型文。それも一方的な自己紹介で、皆目関心が湧きません。かろうじてプロフィールを見たであろう男性の文章も、辻褄があっていない。

「りえさん初めまして! りえさんの趣味は読書と映画鑑賞なのですね! もしよかったらアクティブに遊びましょ~」

私がいつ、アクティブを望んだのだ?

読書と映画鑑賞は文化系人間の定番趣味なはず。私は人生最大に嫌いなイベントはBBQ(略すのも嫌だわ)という超インドア人。それなのになぜかアクティブに遊ぶって、キミ、ドライブに連れていけば女がみんな喜ぶと思っているタイプかい? そんな突っ込みを1つ1つのメッセージに入れていたら、1時間以上たっていた。そしてもちろん気になる人はゼロ。出会い系は難し。

出会いがないから出会い系はNG。

出会いがないとは言うけれど、「出会いがないから出会い系を使おう」というひねりも努力もない結論に、私はとてもダサさを感じる。恋愛もセックスも結婚生活も、血の通ったコミュニケーションなのに、出会いの段階で、探せない選べないメンドクサイって、この人たちは人生20年、どうやって他人と接してきたのだろう。

ちなみに、出会い系サイトで成功するコツは、毎日でもいいからメッセージを送り続けることなのだそうだ。送るのは結構なのだけど、そもそも読んで一目で定型文とわかるような残念メールを送り続け、婚活がうまくいくと思っているその発想が、恋人ができない原因なのではないだろうか。

出会い系に偏見はないのだけど、登録して人を条件でうんうん唸りながら探す行為は、コミュニケーションというよりまるでバイトの求人情報をみているような感覚だった。あ、でも結婚もある意味求人活動ってことかしら?

おおしま りえ/雑食系恋愛ジャーナリスト・イラストレーター

10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。20代で結婚と離婚を経験後、アップダウンの激しい人生経験を生かし、現在恋愛コラムを年間100本以上執筆中。そろそろ幸せな結婚がしたいと願うアラサーのリターン独女。

HP:http://oshimarie.com

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