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1975年生まれの人気エッセイスト、柳沢小実さんが考える「暮らしとお金」

  • 2022.6.7

暮らしや旅まわりの著書が30冊を超える人気エッセイスト・柳沢小実さん。最新刊ではこれまでにない「お金と暮らし」がテーマとなっている。柳沢さんに何があったのだろう?

30代後半になって、苦手なお金の問題に向き合い、コツコツ解決していった様子が、2022年6月2日に発売された『私らしい暮らしとお金の整え方』(主婦の友社)に綴られている。

お金はずっと苦手な分野でした。共働きで2人暮らしという状況に甘えていましたが、30代の終わりに「いつまでも逃げていられないな」と一念発起。
数年かけて問題を解決していって、なんとか少しずつお金が整う道すじが見えてきました。
家計管理は、ダイエットや部屋の片づけと同じで、やれば必ず変わっていく。だんだん楽しくなりますし、この先どのような暮らしをしたいかを見つめ直すきっかけにもなります。
お金を整えるのは、ほかでもない自分自身のため。私もまだまだですが、ちょっと立ち止まって、一緒にお金のことを考えてみませんか。(「はじめに」より)

本書では、3つのパートに分けて奮闘の日々が紹介されている。

PART1:柳沢さん流 家計の整え方

暮らしの土台をつくるまで/お財布/家計管理法/個人のお金と家のお金/物欲コントロール

「このままではマズイ」と思って、30代後半でゼロからお金に向き合い始めた柳沢さん。まずは、「先取貯金で収入の30%を問答無用で貯金する」、「計画的に食材を買い置きして、なんとなくの外食を減らす」など身近な家計を整えていったという。

中でもユニークなのが、「贅沢パン平日禁止令」。平日買うのはお手頃な食パンのみで、素敵なお店の高価なパンは、週末のご褒美にするのだという。たしかに、パン屋さんでは誰もが買いすぎてしまった経験があるのでは。

PART2:柳沢さん流 暮らしとお金の使い方

住/食/衣/健康/眠り/美容/日用品/家電/仕事道具/趣味と学び/癒やし/備え/寄付

暮らしの優先順位は、お金の使い方と比例します。大切なのは、お金をかける部分とかけない部分の線引き。

それがあると便利になる、心が満たされる、毎日使う、長く寄り添うと思うものには、思い切って予算をかける。そうでないものは、たとえ100円でも買わないという。

柳沢さんのワードローブは、シーズンはじめに使用頻度の高い定番アイテムや大物を買い、残った予算で他のものを選んで完成する。

40代になって自分に合うものが見てきたので、各シーズン1アイテムでも、心から愛せるものを手に入れたいと思っています。

記録してきたクローゼットダイアリーでは、過去の買い物を振り返ることができ、失敗の記録がむしろ役に立つという。

PART3:ファイナンシャルプランナー、深田晶恵さんの家計診断

ライフプラン表/収支の把握/口座の整理/固定費の削減/ぜいたく費/貯金簿

PART3には、なんと人気ファイナンシャルプランナー、深田晶恵さんが登場する。柳沢さんが実践してきた「お金整え道」へのアドバイスや、「これからのお金のこと」について対談している。

年金や住宅ローンのことなど、柳沢さんが「もっと早くに知っておきたかった...」という、お役立ちなお金の常識情報もたくさん紹介されている。

手元にある分で暮らしを営み、未来のために少しずつ備える。それで、気持ちに余裕が生まれて、自分にもまわりにも優しくなれる。心持ちもより健やかになって、それこそが自分が思う「丁寧な暮らし」だと、強く感じました。
もちろん、まだまだ道半ばで、改善できていない点も多々あります。わかっているのに削れなかったり、つい使いすぎてしまったりも、もちろんあります。
将来に不安があるのはみな同じ。だから、各々ができる範囲で整え、備えていきましょう。(おわりに)より

自分の目で選んだ好きなものに囲まれ、お金を上手に使っていく柳沢さんの暮らしは、私たちも見習いたいことばかりだ。少しずつお金を貯めて余裕を持つことで、毎日の生活にもゆとりが生まれそうだ。

■柳沢小実(やなぎさわこのみ)さんプロフィール

エッセイスト。整理収納アドバイザー1級取得。1975年、東京都生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。暮らしや旅にまつわる著書は30冊以上にも及ぶ。フェリシモで商品開発なども手がける。
Instagram @tokyo_taipei

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