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心地よい呼吸を1日10回!今すぐ始められる究極の「リラックス呼吸法」

  • 2022.6.7

深く吸って、深く吐く。理想の呼吸を意識すれば心身がクリーンに輝き出す

何かと気ぜわしい季節の変わり目。気づかないうちに不安やストレスをため込んでいる人もいるのでは? そんなときは決まって「呼吸が浅くなっている」ことが多いといいます。

呼吸はふだん誰もが当たり前にしていることですが、実は現代人の多くが「正しい呼吸ができていない」のだそう。そうすると体のエネルギー循環が滞り、さまざまな不調につながる可能性が。逆にいえば、多忙やストレスにさらされることがあっても、呼吸をしっかり整えることで、心身ともに良好な状態を目指すことができるはずです。

そこで今回は、日本式アーユルヴェーダを提唱する岡清華さんに、心身をリラックスに導く究極の呼吸法を教えていただきました。

呼吸とは、生命を動かすエネルギーそのもの

インドの伝統的医学・アーユルヴェーダの観点から呼吸法の指導も行っている岡さん。彼女が呼吸の大切さに目覚めたのは、やはりアーユルヴェーダとの出合いがきっかけでした。「もともとダイエットがきっかけで栄養学を学んでいたのですが、だんだん体だけでなく心も同時に整えていきたいと考えるようになって、アーユルヴェーダの存在を知りました」

そして「当時カウアイ島にいらっしゃった指導者のもとで、食事法などとともに『呼吸法』を修行した結果、自らの心身に変化が起こった」といいます。「最初は呼吸の仕方を変えるだけで、何が変わるのかと半信半疑でした。でも呼吸法を学ぶうちに『ただ呼吸をしているだけで気持ちいい』という感覚になっていったんです。呼吸は、生命を動かすエネルギーそのもの。だからこそ呼吸を意識する瞬間は、自分自身のエネルギーを感じる大切な時間だと思うのです」

岡さん
慢性的な疲労や不眠など現代人ならではの不調は「正しい呼吸法を身につけることで解消できる場合も多い」と岡さん

緊張や不安、ストレスを感じたとき、人は無意識に呼吸が浅く速くなるのだとか。その結果、自律神経の失調に陥ることも……。「日々の生活の中に意識的に深くゆっくりとした『呼吸法』を取り入れることで、酸素不足を緩和し心身をリラックスに導くことができますよ」

まずは深く吸って吐く、基本の呼吸をマスター!

では具体的に「呼吸法」とはどのようなものなのでしょうか。「最低限知っておくべき3点を念頭に置いて実践するだけで、誰でも今すぐ基本の呼吸法を始められる」と岡さんはいいます。

〈呼吸法の3つのポイント〉
1. 口は使わず、鼻から吸って、鼻から吐く。
2. ゆっくりとした深い呼吸を心掛ける。
3. 息を吸うことばかり意識しすぎて、吐くことがしっかりできていない人が多いので、吸う時間の2倍ぐらいの長さをかけて吐く。

瞑想中の岡さん
呼吸には、姿勢も大切。目を閉じてリラックスし、座骨を床に根付かせ、その上に上半身をすとんと乗せるような感覚で座ります。背骨は「エネルギーが流れるホースのような通り道」といわれるので、猫背にも反り腰にもならないよう緩やかなS字カーブを意識して。その姿勢で、まず最初に息を吐き切って、その後、鼻から大きく息を吸います。次にその倍の時間をかけて鼻から息をゆっくり吐きます。まずは10回繰り返してみましょう

呼吸法を行う時間帯は、食事の直後を避ければいつでもOK。食事の前や、仕事を始める前など、実践するタイミングを決めてルーティン化すると続けやすく、効果を実感しやすいそう。

また、肺を広げることを意識するのもポイント。「肺は形状記憶をするといわれているので、1日に何度か意識的に深い呼吸をして、大きく肺を膨らませることを習慣化すると、意識していなくても自然に深い呼吸が身につくようになります」

初心者の場合は下のように、呼吸に動きをプラスすると深い呼吸をマスターしやすいとか。

STEP2
1.まず体の前で両手で輪をつくるようにして、お腹を縮めながらゆっくり息を吐きます。2.手を広げて、肩甲骨を寄せるようなイメージで胸を広げ、深く息を吸います。こうすると「肺を広げること」を意識しやすいそう。いずれも鼻呼吸で行いましょう

深いリラックスへと導く「片鼻呼吸法」と「ヨニムドラ」

さらにワンランク上のリラックス呼吸法も教えてもらいました。

「まず、おすすめなのが『片鼻呼吸法』。両鼻から息を吸うよりも効果的にエネルギーのバランスを整えるとされる呼吸法で、ストレスも解消してくれるといわれています。慢性的な鼻詰まりに悩んでいる人も、この片鼻呼吸法を毎日続けると、自然に鼻が通って深い呼吸がしやすくなると思います」

STEP
1.右手の人差し指と中指を折り曲げます。2.まず最初に両方の鼻の穴から息を吸い切って、右手の親指で鼻の右側を押さえ、左の鼻の穴から息をゆっくりと吐きます。そしてそのまま左の鼻から息を吸い込みます。3.吸い切ったら、右手の薬指で左の鼻を押さえ、両方の鼻をつまみます。4.今度は右手の親指を離して、右の鼻の穴から息をゆっくりと吐きます。この際も、吸った時間の倍の時間をかけて吐くことを意識。これを10セット繰り返して

また、膨大な情報に翻弄されがちな昨今、ぜひ試してほしいのが、アーユルヴェーダでも実践される「ヨニムドラ」という呼吸法。「五感を内側に向けて内省させ、感覚を研ぎ澄ませてクリアにするための呼吸法で、考えすぎて脳が疲れたなというとき、あるいは集中したいときにおすすめです」

SIDE
両手の人差し指を眉の上、中指をまぶたの上、薬指は小鼻と頬の境目、小指は口角に添えて、親指は耳の穴の中に入れます。その状態で10回ほど、ゆっくりと基本の呼吸法を行います。それぞれの指先が当たっている場所は、ツボのようなエネルギーの通り道。そこを手で覆うことでエネルギーが制御されるので、意識が内側に向いていく不思議な感覚が得られるはず

瞑想をプラスすれば、ポジティブ思考のきっかけに

呼吸法の後には「瞑想(めいそう)」をプラスすると良いそう。

「瞑想というと皆さん『心を無になんてできない!』とおっしゃるんですが、そこまで難しく考える必要はありません。瞑想初心者はまず、ふだんは外部に向けられている意識を内側に向け、自分の心と体の声を聞いてあげるイメージをするといいですよ。今私の体はどんな状態か、ちょっと肩が凝っているな、今日は疲れているな……などと、心と体を観察していくと、今の『自分』と、『本当はこう思っている・本当はこうしたい』という内側からのサインに気づくことができるはず。要は“心のしつけ”みたいなことなんです」

まずは1日5分から。じっと目を閉じて過ごす時間をもつことで、ストレスが軽減されて集中力が高まり、思考がポジティブに変わっていくそう。

瞑想中の岡さん
瞑想するタイミングは、呼吸法の後がベスト。肩の力を抜いて、目を閉じて座り、意識を内側に向けていきます。「いろんな考えが浮かんでも、無理に消さなくて大丈夫。まず、いろんな考えがめぐっていく自分を俯瞰して観察してみることから始めてみましょう。瞑想中は呼吸は意識しなくてもOKです」

さらに呼吸とセットで習慣化したいのが「毎朝、白湯(さゆ)を飲むこと」。「水を熱してポコポコと沸騰させてつくる白湯は、アーユルヴェーダ的考えでは、心身をニュートラルに戻す効果があるとされています。また、体を温かくほぐしてリラックスさせてくれるので、体が冷えがちな現代人にもぴったり」

白湯
朝いちばんに白湯を飲んで、その後に呼吸法と瞑想を実践する流れが理想。岡さんは、生姜(しょうが)を浸した水を煮立ててつくる「生姜白湯」を毎朝飲んでいるそう。「瓶に水と生姜を適量入れて冷蔵庫に保管しておき、その水を使うだけで、あとは白湯のつくり方と同じです」

呼吸を意識した生活を続けることで、自分にとって本当に必要なものがクリアになり、シンプルながらも心豊かに暮らせるようになったとほほえむ岡さん。心身ともにクリーンになるために、まずはフーッと深呼吸から始めてみませんか?

PROFILE
岡 清華

アーユルヴェーダ講師・管理栄養士

大学在学中に管理栄養士資格を取得した後、ハワイ・カウアイ島にてアーユルヴェーダを学び、全米ヨガアライアンスを取得。アーユルヴェーダの教えをより現代の日本にフィットさせる方法として「Japanese modern Ayurveda」を提唱し、これまで5万人以上にヨガや瞑想・呼吸法を指導。2020年にアーユルヴェーダの指導者を養成するスクールを開校。ウェルネス空間のプロデュース、商品開発、イベント、セミナーなど、さまざまな形でアーユルヴェーダをもとにした情報を発信中。著書に『無敵のデトックス大全 -溜まっているオトナを巡らせる!-』(ワニブックス)がある。

Instagram:https://www.instagram.com/okasaya/

CREDIT

取材・文/井口啓子 編集/乾 純子(Roaster) 撮影/藤井由依

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