【中央区大手門】木浦奈津子展「表面をなぞる」静かな時間

地域特派員makimakiです。大手門にあるギャラリーEUREKAで開かれている、木浦奈津子展。DMの絵をじーっと見ていると普通の風景の絵じゃない、何か不思議な感じがしてぜひ見てみたい！と思いました。現実とファンタジー、そんな言葉が浮かんでは消えていく不思議な絵の空間を体験してきました！

木浦奈津子（KIURA Natsuko） 1985年 鹿児島県生まれ 2010年 尾道市立大学大学院美術研究科油画専攻修了 2022年 VOCA展２０２２ 現代美術の展望（上野の森美術館/東京） 個展「目の前をよぎる」（Takashi Somemiya Gallery/東京） 2021年 個展「うみとこうえんと、」（鹿児島市立美術館/鹿児島） 生きる私が表すことは。鹿児島ゆかりの現代作家展（長島美術館/鹿児島） 2019年 個展「遠くをみる」( EUREKA/福岡) 第45回鹿児島市春の新人賞受賞 2018年 Local Prospects 4 この隔たりを (三菱地所アルティアム/福岡) 2015年 個展「過ゆく景色」（トーキョーワンダーサイト渋谷/東京） 2014年 トーキョーワンターウォール 丸山直文賞受賞 （東京都現代美術館）

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写真を撮るように描く

ギャラリーの白壁には、海岸や公園、道路などの風景がさまざまな大きさのキャンバスに描かれ、配置されています。シックな色合いに統一された絵の中には人らしきシルエットも。

木浦さんは写真に撮った風景をそのまま描くやり方で絵を制作します。この刈り込まれた植栽の絵も写真をそのままに描いたという大作。でもまるでファンタジーの世界に引き込まれるようです。

違う世界への通路のような…。夢に出てきそうですね。

大きい絵も小さい絵も素敵。全てキャンバスに油彩です。描かれている風景の時間が切り取られたように止まっています。絵なので当たり前ですが、止まっている感が凄いです。でも、逆に受け取る私の中で動いていくような感覚。

DMの絵です。やっぱり不思議。向こう側に見える海の水色がとてもきれい。植え込みの緑は不思議な境界を作っています。他の絵と一緒に配置されて響きあってる。

私も見たことのある海岸！よく行く糸島の海岸かな、と思ったら木浦さんの家の近く、鹿児島の海岸でした。

木浦さんは、あまり自分の想いを入れたくない、と言います。そうすると"私の風景"になってしまうから。

見る人の風景になってほしい、だから場所も特定しなくていいのです。あのヒトはワタシカモシレナイ…

「うみ」「こうえん」など淡々とつけられたタイトル。絵は全体にモノトーンで描かれていて、それもとても静かな時間が流れる要素になっています。

作家の木浦奈津子さん 「写真を撮る感覚に近い」と木浦さん。パシャパシャとどんどん絵を描いていく。表面をなぞる－ように。まだ小さいお子さんを育てながらの制作で、どうしても途中で作業が途切れる。そのためより一層絵を描くのが早くなったと、木浦さんは微笑みます。

そんな木浦さんの持ってる時間と作りたいものの感覚がピッタリ！makimakiは大きく頷きました。

東北とか、行ってみたい。

これからの制作は？と質問すると、いつも家の近所の風景ばかりだったので、行ったことのないところに行って風景を描いてみたい、とのこと。初めて出会う風景を描く木浦さんのこれからの絵は、どんな風に切り取られ、1枚の絵になっていくんだろう？淡々と描く木浦さんの絵から また新たな現実とファンタジーを見れるはず。また1人素敵な作家さんと出会えて、EUREKAに感謝です。みなさんもぜひ。

木浦奈津子展「表面をなぞる」 会期：2022年5月21日(土)~6月12日(日) 会場：EUREKA【エウレカ】 福岡市中央区大手門2-9-30-201 開館時間：12:00 – 19:00※月・火曜日休み 入場料：無料 お問い合わせ：092-406-4555 http://eurekafukuoka.com/