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センスのいい鉱物好きの飾り方。〈シーオール〉デザイナー・瀬川誠人

  • 2022.6.3
鉱物_ディスプレイ

同系色のアートや陶器と合わせるモダンディスプレイ

鮮やかな緑のトルマリンやカルサイトの隣には濃緑の織部焼。アメシストと一緒に並べたのは、紫色の花を写した一枚の写真。

「鉱物を飾る時は、同系色のアートや陶器を合わせます。生活空間では、色の数を絞った方が落ち着くので」と話すのはファッションブランド〈SEEALL〉の瀬川誠人さん。伝統的な手編み技術でニットを作るためにアルゼンチンへ行くことが多く、自宅にある鉱物は現地で買ったものがほとんどだ。

トルマリンとカルサイト_織部焼
上から3段目には、緑色のトルマリンやカルサイトと、陶芸家・木曽志真雄による織部焼の花器。その下は南米のブラックトルマリン。シェルフはトム・ディクソン。
アビシニアンと鉱石
リビングテーブルの上には、愛猫アビシニアンのキキとそっくりな色のカルサイト(奥)と、加熱処理したシトリンと思しき南米の石。

飾る場所は、1950~60年代の名作や90年代のデザイナーズものなどモダンな家具。例えば、ジョージ・ネルソンの黒い棚にモノクロームの平面作品と灰釉の花器を置き、さて、石はどう選ぶ?

「ここに単結晶の鉱物だけだとすっきりしすぎてしまうので、造形にも質感にもクセのあるパイライトを合わせ、バランスを取っています」

多忙で煩雑な日々を送っていると、情報から切り離されたものを身近に置きたくなる、と瀬川さんは言う。
「僕たち人間の意思の及ばないところでこんなにも美しい存在が生まれている。そのことに救われるんです」

鉱物_ディスプレイ
パイライトとリー・ウーファンの平面作品、山田隆太郎の花器
南米産のパイライトは、ほぼ完全な立方体の単結晶と「クセのあるもの」の2種。ルイ・カルフの照明、リー・ウーファンの平面作品、山田隆太郎の花器と合わせた。
鉱物と写真
寝室の棚。右は高橋恭司による紫色の花の写真とアメシスト。左はフランスの写真家オリヴィエ・ケルヴェルヌ。砂漠のような風景に合わせてデザートローズを置いた。

profile

〈シーオール〉デザイナー・瀬川誠人さん

瀬川誠人(デザイナー)

せがわ・まさと/1976年京都府生まれ。ファッションブランド〈SEEALL〉デザイナー。東京・清澄白河に家具や作家ものの器も並ぶギャラリー型コンセプトストア〈FAAR〉をオープン。

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