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私たちはなぜ、体の不調と同じように心の不調を訴えないのか?

  • 2022.6.2

ニューヨーク在住のアディリーン・メヒアは、フリーのライターで、セックスとデートを専門としている。普段はタントラセックスからTinderでの有意義な会話の始め方まで、主に恋愛について寄稿する彼女が、今回は自身が経験した“不安”の感情と上手く付き合う方法について教えてくれた。アメリカ版ウィメンズヘルスから見ていこう。

ある火曜日の朝。真っ白なGoogleドキュメントの上で、カーソルが意地悪く点滅している。書くことに対する苦手意識が前面に出て、不安の波が押し寄せる。黒人女性のヘルスサポートをする団体に関する記事の締め切りが数時間後に迫っているのに、私はまだ1文字も書いていない。

こうなった理由は自分でも分かっている。全般性不安障害、完璧主義、物事を先延ばしにする悪い癖。

おかげさまで集中力は続かないし、パニック発作で仕事にならないときもある。雇用主からメンタルヘルスに関する話をされたのは、当然1度や2度じゃない。

以前の私は、羞恥心から、苦しいときに苦しいと認めることができなかった。締め切りを伸ばしてもらうのは厚かましく感じたし、人の助けが必要になっても、いまさらな気がして頼めなかった。自分や自分の能力に対する上司の評価も気になって仕方なかった。でも、本当は気付いていた。不安のもとは、私自身と社会に根付く心の病に対する偏見。

Women's Health

体の調子が悪いときは、みんな堂々と会社を休む。心の不調も堂々と訴える権利があるのに、上司に事情を説明をし、締め切りを1日伸ばしてもらうのは気が引けた。

そういう会話をする勇気が出るまでには時間がかかった。アウトプットの量だけで成功をはかる社会では、基準を満たせないことや、自分の能力を最大限に発揮できないことが情けなくなる。私も長年、人や自分の期待に応えられない自分自身を責めていた。でも、最近やっと、自分にやさしくすることを学んだ。

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職場で自分の意見を言って問題を未然に防ぎ、メンタルヘルスや、それが仕事に与える影響を普通に話せる環境を作らないと、バーンアウトとして周囲に迷惑をかけてしまう。必要なサポートを求めるのは気が引ける。でも、勇気を出して頼んでみると、毎回のように分かってもらえる。大ごとだと思っているのは、大抵いつも自分だけ。

モノを生み出す能力で私の価値は決まらないし、絶対決まるべきではない。私は人間であり、機械じゃない。心の状態でパフォーマンスが下がることはあるけれど、不安を障害物として見るのはやめた。不安は、自分の置かれている状況から一歩引き、心を休めてリセットするための大事なシグナル。体の声に耳を傾け、完璧を求める前に自分のメンタルヘルスを大切にする。それは何も恥ずかしいことじゃない。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Translation: Ai Igamoto

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