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脳への悪影響は? 子どもの“ジャンクフード中毒”な食生活の改善法

  • 2015.10.1
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【ママからのご相談】

フルタイムで仕事をしている母親です。去年の夏休みまでは、仕事へ行く前にお昼のお弁当を作ってあげていましたが、子どもたちも大きくなったので、今年から毎日お金を渡して近くのお弁当屋さんで買わせていました。すると、 お盆前くらいから、日曜の朝にも関わらずファストフードを食べたいと言う頻度が高くなり、2学期が始まるころには夕食もファストフードでいいと言い始めたのです。よくよく聞いてみると、渡したお金で利用していたのは近くのお弁当屋さんではなく少し離れたファストフード店だったようです。食事に関してはちゃんとしてきたつもりだったのに、どうしたらいいでしょう?

●A. 最低でも2~3週間、ファストフードから遠ざけましょう。

こんにちは。心理食育インストラクターのSAYURIです。ご相談ありがとうございます。

お子さんが大きくなると、ついお金を渡して自分で買うようにと言いたくなりますよね。毎日、仕事と家事で追われていればそうなってしまうのも分かります。日ごろ、きちんとした食事をさせていれば尚のこと、お子さんもきちんとしたものを食べてくれるだろうと期待するのも当然だと思います。

しかし、夏休みに長時間、自宅でテレビを見ていればファストフードなどのおいしそうなCMを目にする機会も多くなり、その情報からの食欲で普段あまり食べる習慣がない子どもでもファストフード店に足が向いてしまうこともあるのです。

今回は、脳の機能からファストフードの常習性についてお話したいと思います。

●ジャンクフードが脳に与える影響

ファストフードや甘いお菓子、スナック菓子などをジャンクフードといいます。

ジャンクとはくだらないもの、役に立たないもの、といった意味があり、ジャンクフードとは高脂肪で糖分や塩分が多いのに、ビタミンやミネラルなどの栄養素が少ない低栄養価のものを指します。

ではなぜ、そんなジャンクフードを習慣的に食べたくなってしまうのでしょうか?

実はこれらのジャンクフードは、食べた物から体にエネルギーを取り込む調整に重要な役割を果たしている“脳内報酬系”を刺激するドーパミンの分泌を増加させる作用があることが分かっています。“脳内報酬系”は“快楽中枢”ともいわれ、ジャンクフードを食べることでドーパミンが分泌され、その分泌量が時間と共に低下するとまた、ドーパミンによる心地よさや満足感が欲しくなり、ジャンクフードを食べたくなるのです。そしてそれが習慣化し、依存症となり、最終的には中毒的に欲するようにさえなってしまいます。

●ジャンクフードはヘルシーな食事を嫌いにさせる!?

オーストラリアのニューサウスウェールズ大学の研究によると、ジャンクフードは太るだけでなく、ヘルシーな食品に対する食欲を減らすという結果まで出ているようです。しかも脳内報酬系に持続的な変化を引き起こすことも考えられているので、今回のケースもお母さんの手作りの食事よりファストフードがいいというのは、夏休みの食事の変化による可能性が高いと言えるでしょう。

●それでも改善の余地はあります!

働くお母さんであれば、日曜の朝くらい何もしたくないので、「ファストフードでも……」と思ってしまうのも仕方ありません。しかし、そこは子どもたちのためを考えるべきです。最低でも2~3週間は一切ファストフードを与えず、手作りのものを食べさせてあげましょう。そうすれば、元の食習慣に戻すことも可能だと言われています。

「ファストフードはダメ!」と言えば反発をされる可能性があるので、「せっかく作ったんだから食べてよ~」とうまくリードしてあげましょう。

【参考リンク】

・Cafeteria diet impairs expression of sensory-specific satiety and stimulus-outcome learning | Frontiers

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

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