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歌手で俳優の加藤和樹さん、音楽番組でMCに挑戦 「ミュージカルの魅力を僕自身が再確認」

  • 2022.6.1

グランド・ミュージカルから、ストレートプレイまで、幅広い舞台に出演するシンガーで俳優の加藤和樹さん。6月3日からWOWOWで放送・配信される「加藤和樹のミュージックバー『エンタス』」で、メインMCを務めます。配信やイベントなどで司会を務める機会が増えた加藤さんに、MCとしての思いや番組の見どころについてお話を聞きました。

本人の前で曲を披露するプレッシャー

――WOWOWでの初のMC、そして冠番組となります。番組名にあるエンタスは、「縁を足す」という意味だそうですね。

加藤和樹さん(以下、加藤): 「ゲストで来てくださったお客様とのご縁が足されますように」との意味に加えて、「J-POPとミュージカルの2つの“エンターテインメントがクロス”する」という思いを込めました。
僕は店のマスターとして、ミュージカルで活躍する川久保拓司さんや朝夏まなとさんといった常連客の方と音楽でゲストをもてなします。ゲストの方がリクエストした思い入れのある“J-POP”や“歌謡曲”を歌うのは僕なんですね。これがものすごく緊張する。ゲストの方の思いを僕が壊してしまわないかと、ヒヤヒヤします。

――加藤さんがおもてなしとして歌われた楽曲はどんな曲だったのでしょう?

加藤: 初回ゲストのオーイシマサヨシさんからリクエストされたのは、尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」。筒美京平さんの名曲ですが歌ったことがなかったので、緊張しましたね。手拍子をしてもらいやすいコミカルでポップなアレンジで披露したら、オーイシさんも一緒になって楽しんでくださって。その様子を見て、ひと安心しましたね。

朝日新聞telling,(テリング)

ミュージカルに挑戦する人を増やしたい

――番組では加藤さんがゲストからのリクエストの楽曲でもてなす一方、ゲストの方はミュージカルの楽曲に挑戦されます。双方にとって非常に大変な番組ですね。

加藤: 互いにチャレンジして、それらがクロスするようなイメージの番組ですね。
ミュージカルを主戦場にする僕でさえ、歌ったことのないミュージカルソングの譜面を見ながら披露するのは、かなり難しいんです。それでも、ゲストの方々はご自身で選ばれた楽曲を果敢に歌ってくださる。

僕が感動したのは3回目ゲストのボイメン(BOYS AND MEN)の平松賢人さんと吉原雅斗さん。ミュージカル『エリザベート』の「闇が広がる」を歌ってくださって。ミュージカル好きということが、ものすごく伝わってきました。僕からしたら、「お二人とも、今すぐミュージカルができるじゃん」っていうくらい。だから「ミュージカルの世界に来られるのをお待ちしています。本当にお願いします」って思わず、お伝えしたんです。

――アーティストとして第一線で活躍されている方々が、この番組をきっかけにミュージカルの世界に足を踏み入れられたら、MCの加藤さんとしてもすごくうれしいですね。

加藤: まさにその通り。堂珍さんはミュージカルのご経験がありますが、オーイシさんとボイメンのお二人に関しては、「ミュージカルについてどう思っていらっしゃるんだろう?」という疑問がありました。

でも、「ミュージカルに挑戦してみたい」とおっしゃって。試せる場所が今までなかったそうなんです。ご自身のライブで突然、ミュージカルを披露するのもなんだか違うし、と。「だからこういう機会をいただけて、ありがたかった」と言ってくださいました。僕としても第一線のアーティストの「初めての楽曲体験」に触れられるのは、すごく贅沢な時間でした。
オーイシさんにしても、ボイメンのお二人にしても、シンガー目線だからこそ、曲を楽しんで理解しようとする熱量が感じられました。ミュージカルの魅力を僕自身が再確認することができましたね。

朝日新聞telling,(テリング)

MCとして頭をフル回転

――MCのオファーがあったときは、率直にどう思われましたか?

加藤: 「僕ですか?」という(笑)。まさか冠番組を持たせていただけるとは思っていなかったので、驚きました。ただ僕自身、シンガーとして音楽活動をしながら、ミュージカルにも携わっている。2つのジャンルに身を置く僕だからこそ、番組を通じて見えてくるものがあるのかなと思いましたね。

――実際にMCをやられていかがでしたか?

加藤: どうしたらゲストの方が楽しんでくださったり、お話を引き出せたりできるのか――。頭をフル回転させていましたね。「用意した話題は今じゃないな……」とか。現場で生まれる話の流れに対応しながら、トークを組み立てていくのは難しいですね。
話の流れで、自分で下調べしたことをフックにうまいパスが出せたらいいなと思うんですよね。僕がほかの番組に伺ったときに、「僕の意外な面も知ってくれているんだ」と感じられると、やっぱりうれしいですからね。

■横山 由希路のプロフィール
横浜生まれ、町田育ちのライター。エンタメ雑誌の編集者を経て、フリーランスに。好きなものは、演劇と音楽とプロ野球。横浜と台湾の古民家との二拠点生活を10年続けており、コロナが明けた世界を心待ちにしている。

■品田裕美のプロフィール
1983年生まれ。出版社勤務を経て、2008年 フリーランスフォトグラファーに。「温度が伝わる写真」を目指し、主に雑誌・書籍・web媒体での撮影を行う。

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