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ストレッチすら面倒! 筋肉痛を“手っ取り早く”治すアイデア

  • 2015.9.30
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【パパからのご相談】

40代です。DIY用品の専門店に勤務しているため、仕事柄重い商品の上げ下ろしや接客のための階段の上り下りが多く、仕事を終えて家に帰ると筋肉痛が起きていることがしょっちゅうです。病院に行くほどのことではないのですが、 肩から腕にかけての部分や太もも・ふくらはぎの筋肉痛はかなり痛く、痛みが残ったまま休日を迎えると、子どもたちと遊んであげる際にも多少影響が出ます。そうかといってストレッチのような面倒くさいことは自分にはできそうもありません。筋肉痛を治す最も手っ取り早い方法を教えてください。

●A. 市販の鎮痛消炎薬の中から、ご自分に合ったものを見つけておきましょう。

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

ご相談者様の筋肉痛、一種の職業病ですね。重たい道工具類、大きな脚立や台車などの販売に携わるお仕事は、筋肉痛を引き起こさないはずがありません。

根気よく筋肉痛とつき合っていかれるしかないように思いますが、実際に筋肉痛を抱えているご相談者様としては、「今すぐ何とかする方法をおしえて!」と言いたくなる気持ちもよく分かります。

「ストレッチのようなセルフケアは面倒くさくて無理」というのであれば、数ある市販薬の中からご自分に合ったものを見つけておくのが一番手っ取り早い対処法でしょう。都内で整形外科クリニックを開業する医師の意見を交えながら、お話を進めてまいりましょう。

●筋肉痛が起きる医学的なメカニズムは、実ははっきりとは解明されていません

『驚かれるかもしれませんが、筋肉痛が起きる医学的なメカニズムというのは、実を言うと未だにはっきりとは解明されていないのです。かつて主流であった、“運動で生じる乳酸が筋肉への酸素の供給を阻害して、肩こりと同様に鈍痛を引き起こす”という説は、筋肉痛が伸張性運動(エキセントリック運動。ダンベルでいえば“下ろしていく”動き。階段でいえば“下りていく”動き)の場合に発生しやすいという事実を説明できないため、今はあまり採用されなくなりました。現在、有力となっている筋肉痛の発生原因に関する説の趣旨は、

・1……同じ筋肉を使い過ぎることにより、筋線維(筋肉を構成している繊維)に傷がつく

・2……普段あまり使わない筋肉を使うことにより、筋線維に傷がつく

・3……傷ついた筋線維を修復しようとして白血球などが集まり炎症が起き、筋肉痛として感じる

の3つとなります』(60代男性/都内整形外科クリニック院長・整形外科医師)

●筋肉痛になったら、どうやって“手っ取り早く”治すか

さて、筋肉痛が起きるメカニズムがはっきりとは解明されていないにせよ、おおむね上述した医師の説明によるようなものであるとするならば、ご相談者様の筋肉痛はまさに“職業病”と言え、今のお仕事を続ける限りずっと付き合っていくしかないように思われます。

そして、一定の場所や時間を必要とするストレッチや入浴といった方法以外に、“手っ取り早く”筋肉痛を緩和する方法を持っておいた方がいいことはたしかです。

『外用鎮痛消炎薬は最寄りのどこのドラッグストアに飛び込んでも必ず置いてありますが、入っている有効成分も似通っているうえ、販売方法もOTC(オーバー・ザ・カウンターの略。カウンター越しに誰でも気軽に売ってもらえる大衆薬・市販薬のこと)なので手軽です。自分の肌質と筋肉痛のタイプに合ったものを見つけておくといいでしょう』(60代男性/前出・整形外科医師)

また、筋肉痛の薬として販売されてはいないのですが、アンモニア水やLーメントールを主成分としている液体外用薬は、成分の一部が他社の筋肉痛薬と似ていることもあり、筋肉痛にもよく効きます。アンモニアの吸熱作用による清涼感もあるため、意外とおススメです。他の筋肉痛用の外用医薬品がもうひとつ肌に合わなかったというかたは、試してみる価値があるかと思います。

●妊娠中の人が筋肉痛を起こしたときは、薬ではなく入浴やストレッチで治す方が安心です

ご相談者様、参考になりましたでしょうか。

最後に、筋肉痛が1週間以上取れないような場合や痛みが全身にわたっているような場合には、病院に行って医師の診察を受けることをおすすめいたします。そういう場合は、他の疾患の可能性もあるからです。

また、妊娠中の方が筋肉痛を起こした場合も、身近な外用鎮痛消炎薬を使用することには注意が必要です。消炎・鎮痛成分の中には妊娠中の人にとっては注意を要するものがあるからです。購入時に薬剤師に相談するか、そうでなければ念のため薬を使用するのはやめておいて、ぬるめのお風呂にゆったりとつかった後にゆっくりとストレッチをするなどの方法で血行を良くし、あとは休息をとることを心がけて筋肉痛を緩和するようにしましょう。

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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