【福岡県立美術館】「杉浦非水　時代をひらくデザイン」に行きました！

こんにちは！リビングふくおか・北九州Web地域特派員のAIです♪ 今CMでも見かける「杉浦非水 時代をひらくデザイン」展を見に行って来ました！ 杉浦非水さんは「日本初のグラフィックデザイナー」という事で、現役グラフィックデザイナーの主人にも感じる所があるのでは？と二人でお出かけしましたよ。期待を裏切らない素晴らしい内容だったので、早速レポートしたいと思います♪

三越呉服店 春の新柄陳列会

入り口に入るとすぐに代表作でもある「三越呉服店 春の新柄陳列会」がお迎えしてくれます。今どきの広告デザインとは違い、絵画の様な趣ですね♪ この作品の横に本展の趣旨を紹介するパネルがあったのですが、こちらでは展覧会チラシからの抜粋でご紹介致します。

非水は愛媛に生まれ、日本画の修行を積んだのち、当時は職業としてまだ認知されていなかったデザイナーの道に進み、明治41年（1908）に三越呉服店で図案の仕事を得た後は、同店の広告デザインを一手に担い、時代の流行を生み出しました。交友のあった同時代の作家の作品を加えた約300点により、非水の仕事の全貌に迫ります（展覧会チラシより抜粋）

約300点の展示ですよ～！！学芸員さんからもこの点数の多さが見どころの一つだと伺いました。どんな感じだったのか画像をご覧下さい。

レトロでどこかなつかしい。 モダンでありながらあたらしい。 かわいいけれどかっこいい。

展覧会チラシで見たりＣＭで聞いていたこのキャッチコピーですが、「正にその通り！」と言いたくなる作品ばかり。ポスターだけでなく、絵本・雑誌・パッケージデザインまで種類豊富な展示に時間を忘れて見入ってしまいました。

こんな、レトロ可愛いすごろくの展示もありましたよ。保管状態の良さにも驚きます！ このすごろくがどんな方に向けて作られていたのか興味があったので、学芸員の高山さんにお尋ねした所、「こちらは『少年世界』という当時流行していた少年向け雑誌の折り込み付録として製作されたもので、当時すごろくはお正月や普段の遊びとして一般的でした。描かれている絵にはマラソン・野球・相撲・砲丸投げ等の様々なスポーツに興じる少年たちの姿が見受けられます。少年は体を鍛えて、健全ですこやかであるべきというメッセージのようなものも読むことができます。」という、お返事を頂きました。このすごろくの中にそんなメッセージが込められていたなんて！！！お話を伺うと、また見方が変わってきますね♪

そして、作品では無いのだけれど私が気になった展示は、非水さんが「大恋愛の末に結婚した妻」の翠子さんに宛てたお手紙。

イラスト付きでオシャレすぎませんか？？これは取っておきたくなりますね♪

翠子さんは歌人でもありました。歌集の装丁のほとんどを非水さんが手掛けていたそうですよ。芸術家同士の2人は「二人展」も度々開催していて、お互いを理解・尊重しあっていたそう。素敵なご夫婦で憧れます♡

時代をひらくデザイン

今回の展示で私達夫婦が一番盛り上がったのは「カルピス」の広告物です。ラクトー株式会社（現・カルピス株式会社）が大正10年(1921)に非水さんを顧問として迎え入れ、ポスター・瓶ラベル・包装紙のロゴを手掛けられているのですが、今で言う「ブランディング」を任されているという事ですよね？とっても自由な発想のデザインが斬新で、当時の皆さんはどんな反応をされたんだろう？と気になりました。

飲料水の広告物のモチーフが象なんて本当に斬新！！

こちらの象さんのポスターもインパクト大なのですが、瓶ラベルと包装紙のデザインが秀逸でレトロ可愛いの極みでしたよ！

いかがですか？今のカルピスのパッケージも白地に水玉模様ですよね！！この水玉模様のアイデアが大正時代からあって現代に引き継がれているなんて、非水さんは本当に「時代の先を走っていた」方なんだなぁと感じました。

日本のモダンデザインのパイオニア

広告物のデザインって、「絵（モチーフ）」と「文字（フォント）」と「組み合わせ（レイアウト）」で構成されていると思うのですが、本展を見終えて、非水さんの凄い所はこの「全ての要素をご自身で生み出せる」事なんだと感じました。今見ても色あせず、洗練された作品達は現代の私達の心にもしっかり響きましたよ♪

最後にプチ情報を！！今回の展覧会には平日限定で「着物割引」（当日券300円割引）というサービスがありました。素敵なフォトスポットもありますし、着物でお出かけしてみるのも良いかもしれませんね♪

杉浦非水 時代をひらくデザイン 開催中〜2022年6月12日（日） 休館日 月曜日 開館時間 10:00〜18:00（入場は17:30まで） 会場 3階展示室 料金 一般：1300円、高大生：900円、小中生：600円 ※日時指定は不要※ 身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方とその介護者1名、特定疾患医療受給者証・特定医療費(指定難病)受給者証の交付を受けている方は無料