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ジョージア・オキーフのアビキューの家【お手本インテリアvol.3】

  • 2022.5.22
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歴史に名を残したデザイナーやアーティストは快適な住まいを作る達人でもありました。限られたスペースを工夫して自分好みに整えた4人の部屋と家具をじっくり解剖します。

ジョージア・オキーフのアビキューの家

Georgia O’Keeffe

一輪の昼顔や蘭などを大型キャンバスいっぱいに描いた作品などで知られるジョージア・オキーフ。ニューモダニズムのアーティストとして、ニューヨークで脚光を浴びていたが、都会の喧騒に疲れ、60歳からニューメキシコ州に移り住んだ。標高2 0 0 0メートル、赤土の平野と岩山が続く荒涼とした大地こそ、創作に必要な孤独をもたらしてくれた。この地方にオキーフが持った2軒目の家が「アビキューの家」だ。もとは18世紀に建てられたアドービと呼ばれる日干しレンガの建物で、壁も床も藁を混ぜた土でできている。

Living room

廃墟同然だったこの家をオキーフは自分流に変えていった。リビングでは壁の左右いっぱいまで開口部を広げ、庭を一望できるようにした。床のアドービをそのままキューブ状に盛り上げて低いスツールに。また、壁の一辺にアドービでバンコ(長いベンチ)を造り、白い布のシートと背もたれを乗せた。バンコの一部分を四角く掘り下げ、中にガラガラヘビの骨を入れてガラスの蓋をし、ディスプレイにしたとは、なんと独創的だろう。オキーフは毎朝の散歩で道に転がっている動物の骨や石を拾っては、部屋の中に並べて楽しんでいた。イラストにあるのは1965年当時のリビングだが、晩年には明るい色彩を排除し、土色のトーンに統一した。外の景色と一体化したインテリアを望んだのだろう。

Pantry

一方で、パントリーはとても機能的にできている。白く塗った梁から野菜を収穫する時に使う籠を下げ、最小限の食器や盆などの形状に合わせて棚を作った。缶詰のストックやゴミ箱もきっちり収まっている。扉で隠さないオープン収納なのにこの整然とした印象は、モノの居場所が定まっているからなのだろう。

GINZA2022年3月号掲載

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