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グリーン、グリーン。お皿のない野菜レストランは満員御礼!

  • 2022.5.21
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パリの東駅近く、1879年に建築されたパリで最古の消防署ラ・カゼルヌ・シャトー・ランドンがエシカル&サステイナブルなモードのスタートアップのための場所に生まれ変わったのは、いまから約2年前のこと。ブティックもオープンし、また広場ではショーや展示会などファッション絡みのイベントが開催されている。かつて消防車が並んでいたという正面の建物の地上階には、昨秋、野菜のレストラン「ORA(オラ)」がオープン。この春から建物の前にテラス席を設け、早速、人気を呼んでいる。聞けば、7月半ばまで週末の夜はすでに予約でいっぱいというほどで、オーナーもシェフもびっくりという好評ぶりなのだ。

左: かつての消防署がいまやサステイナブル・ベンチャーの地に。地下鉄7号線Château Landonから徒歩数分。中: 小さな扉の奥に広がる敷地内。正面がレストランのORAとそのテラス席。左右にはブティック、オフィスが。右: 上からの眺め。photos:Mariko Omura

ランチは食堂式である。週替わりのメニュー(前菜、メイン、デザート)の中から、好みの品をカウンター越しに料理人にオーダーして、プレートに乗せて……と長いカウンターを進んでゆき、最後にお会計!この店はお皿が一枚もないレストランである。クッキングペーパーがお皿の代わり。炉端焼き店並の巨大なしゃもじから、料理をのせたクッキングペーパーを料理人はカウンター越しにプレートの上に流し落とすというのがユニークである。素材となる野菜はほとんどがビオで、パリ近郊から届く。

組み合わせは自由。前菜とデザートだけでもいいし、あれもこれもとお盆にのせてゆくもよし。デザートも含め、すべての料理はクッキングペーパーがお皿の代わりだ。photos:Mariko Omura

かつて消防車が並んでいたスペースがレストランに。ランチタイム(12時~14時30分)は始まると同時に人が集まり始め、あっという間に行列ができる。photos:Mariko Omura

ニース出身のシェフSaaYaanによる料理はとてもカラフルで味わい豊かだ。レストランのエントランスにその週のメニューが表示されているが、さらに前菜のカウンター、メインのカウンターにその日の料理が黒板に手書きされているので、それも見逃さないように。主にアジアだが多くの旅をしたシェフは、さまざまな国の料理からのインスピレーションをクリエイションに取り入れている。「仲間に連れてこられ、野菜だけ?と浮かない顔だった客が、食後に大きなスマイル。これには喜ばせられますね」と。

左: グリーンにマリネされたブッラータ(7ユーロ)、アスパラガスのフライ(7ユーロ)、野菜のブルグール・リゾット(7ユーロ)。右: ランチの平均予算は8〜14ユーロ。前菜は5ユーロ〜。メインは4ユーロ〜。デザートは3ユーロから。photos:Mariko Omura

ディナーは45ユーロのおまかせメニューのみ。テーブルの上に敷かれたクッキングペーパーに、まず料理が並べられてゆく。そのあと、シェフがショーマンと化して各テーブルをまわって、ソースやナッツ類などで料理の仕上げをする。ディナーはセカンドサービスではライブ音楽つきで、食事客も最後はダンス!というお祭り気分の盛り上がりを見せるそうだ。ランチとディナーの雰囲気がまったく異なるだけでなく、さらに日曜のブランチ(10時~18時、1名28ユーロ/要予約)でも別の体験が味わえるというマルチな食の喜びが待つ場所、オラ。ジュール・ナケとトマ・ドゥ・ラヴィルジュグというふたり組によるEntourage.がオーナーで、リュクスなナイトシーンのイベントをこれまで多く手がけた会社である。このラ・カゼルヌでも最上階はルーフトップ、地下にクラブのオープンが今後予定されている。

ランチタイムから一変し、ディナー(前菜+メイン+デザートのおまかせで45ユーロ)は野菜レストランとは思えない雰囲気。料理に最後の仕上げを施すシェフのパフォーマンスが見られる。Z世代のグラマラスでセクシーな野菜料理、ここにあり。ディナーのファーストサービスは19時30分から。セカンドサービスは22時から22時30分で、店のクローズは翌2時。

ORA  x La Caserne12, rue Philippe de Girard75010 Paris営)9:00~翌2:00(月~土)10:00~18:00(日)無休Tel:06 75 70 59 72www.ora-paris.co@ora.lacaserne

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