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[糖化4]体内をコゲさせない食生活で中からキレイに!

  • 2022.5.10
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できれば避けて通りたい!糖化で気をつける『3高』は高糖分・高たんぱく質・高温!

私たちの全身に影響を及ぼす糖化。
できれば、糖化を避けて日々を送りたいものですが、食事から完全に糖分を排除することは大変難しく、却って効率のよいエネルギー源を失うことによる悪影響も懸念されます。
残念ながら、糖化も以前お話しした酸化と同じく、影響をゼロにすることはできません。
しかし、毎日のちょっとした工夫で、抗糖化な生活を送ることはできるのです。
今回は、抗糖化な食生活を送るコツをお話ししたいと思います。

摂取に気を付けなければいけないものは?

やはり、糖化を防ぐために重要なことは過剰な糖の摂取を避けることです。
糖を過剰に摂取すると、体内で代謝しきれなくなり、還元糖とたんぱく質が反応して、AGEsがつくられてしまいます。
糖というと、糖質制限ダイエットの流行もあり、白砂糖や炭水化物の摂取に気を配っている方はいらっしゃるかと思いますが、忘れがちなのが果物に含まれる果糖(フルクトース)です。
フルクトースはグルコースの10倍の速度でたんぱく質と反応し、より多くのAGEsを生成するとの報告もあります。
ビタミンやミネラル・食物繊維の豊富な果物は、健康や美容に大切な食品ですが、やはり食べ過ぎには注意しましょう。
特に、ジュースやジャムなど、加工された果物は血糖値の上昇を防ぐ食物繊維が取り除かれていたり、壊れていたりするので吸収がよく、血糖値が一気に上がってしまいます。
果物を食べるときは、生のまま、ゆっくりよく噛んでいただきましょう。

食品からのAGEsの取り過ぎに注意!

AGEsを食べると、私たちの体にさまざまな影響を与えることが報告されています。
本来、私たちの体には抗酸化作用や酵素活性など、AGEsがつくられないようにする仕組みが備わっているため、少量のAGEsを摂取してもほとんど問題はありません。
しかし、過剰にAGEsを摂取すると、老化とも深いかかわりの深い酸化ストレスや炎症反応が高まることが示唆されています(出典:J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2007 Apr;62(4):427-33.)。
では、どのような食品にAGEsが多く含まれているのでしょうか?
まず、糖化は糖とたんぱく質の結びつきによって起こります。
そのため、高糖質且つ高たんぱく質の食品には注意が必要です。
もうひとつ重要なのが、調理方法です。
多くの食材は熱を加えて食べることが多いと思いますが、茹でる・蒸すなど、食材に水を加えるような加熱の仕方=湿熱と、焼く、揚げる、炒るなど食材の水分を減らすような加熱の仕方=乾熱をした場合では、AGEsの生成量が大きく異なることが報告されています(出典:J Am Diet Assoc. 2010 Jun; 110(6): 911–16.e12.)。
いくつか例をご紹介したいと思います(食品中のAGEsの量は、カルボキシメチルリジン含有量に基づきます)。


表にもある通り、食材としては野菜や豆類、魚類にはもともとAGEsが少ない傾向があります。
食品に含まれるたんぱく質や脂質の量とAGEsの量に関係があるようです。
また、肉類の中でも、加工肉には多くのAGAEsが含まれている事が分かりますね。
そして、生→湿熱→乾熱の順にAGEsは増えていきます。
実は、レモンや酢を使用して料理すると、AGEs量を抑えることができると報告されています。
例えば、上の表で鶏もも肉を水で茹でるとAGEs量は1,123でしたが、そこにレモンを加えることで957に抑えることができるとのこと。
同じ食材を食べる場合でも、調理法によってAGEsの含有量がかなり変わってくるということは頭に入れておきたいですね!
まとめると、
・食材の脂肪・たんぱく質量に気を付ける:肉類にはもともと多いが、特に加工肉には多く含まれる
・調理方法を選ぶ:乾熱より湿熱、特に揚げ物に注意!
・調理の際はレモン汁やお酢をプラスするとGOOD
がポイントのようです。
実際に、被験者138名を摂取カロリーはほぼ同じにして、高AGEs食(約15,000kU/日)を摂取する群(61名)と低AGEs食(約5200kU/日)を摂取した群(77名)にランダムに振り分け、12カ月その食事を続けたところ、低AGEs食を摂取した群の方が、酸化ストレスや炎症レベル、体重などが低下していたとのこと(出典:Diabetologia. 2016 Oct;59(10):2181-92.)。
この試験では、同じ卵を食べる場合でも、高AGEs群→卵焼き 低AGEs群→ゆで卵、鶏むね肉の場合だと、高AGEs群→グリル 低AGEs群→蒸す、牛肉なら高AGEs群→ステーキ 低AGEs群→ビーフシチューといった風に、調理法を変えておこなわれました。
食事で摂るAGEs量を減らす方が健康に良いことはさまざまな試験から示されていますが、どの程度摂っても良いのかなどのガイドラインは未だありません。
目安としては、15,000kU/日のAGEsだと摂り過ぎとなるようですので、10,000kU以下を目指して献立を考えてみてはいかがでしょうか?
ステーキや唐揚げ、炒め物などに偏らないよう、スープ、シチュー、蒸し料理などを上手に組み合わせるようにしましょう。

血糖値の上昇を抑えよう!GI値って知ってる?

もうひとつ、体を糖化から守るために重要なことは、血糖値の急な上昇を抑えることと、血糖値が上昇している時間を短くすることです。
血糖値が高い状態が続くと、体は糖化を起こしやすくなってしまいます。

GI(Glycemic Index)値とは、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取2時間までに血液中に入る糖質の量を計測し数値化したもの(グルコースの場合を100として比較)で、GI値が高いものほど血糖値が上昇する、ということになります。

GI値が高い食品には、白砂糖(109)や、精白米(84)・薄力粉(60)などがあげられ、これらを使ってつくられたパンやうどん、クッキーやケーキなどの焼き菓子も高い数値(80~90前後)を示します。

反対に、低GI値を示す食品は、わかめ(15)・昆布(17)といった海藻や、ほうれん草(15)・キュウリ(23)といった野菜、しめじ(27)・しいたけ(28)などのきのこ類があげられます。

単純に、高GI値の食品を避け、低GI値の食品を摂る・・・という方法でも悪くはないのですが、ご飯やパン、パスタ、うどん、ラーメン・・・といった主食類を食べないというのもなかなか難しいですし、たまには菓子パンやケーキといった甘いものもおいしく食べたいですよね!
実は、ちょっとしたコツで血糖値の急上昇を避けることができます。
それは、食べる順に気を付けるということ。

①食物繊維(野菜やきのこなど)→②たんぱく質(肉や魚、卵や豆製品など)→③糖質(主食や甘いものなど)

この順番で食べることで、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。
さらに、

●食事と食事の間をしっかり空ける(血糖値が下がる前に次の食事を摂らない)
●早食いはせず、ゆっくり噛んで食べる(一気にたくさん食べると、その分血糖値も上昇します)
●だらだらと食べず、食事の時間は長く取りすぎない(食べている間中血糖値も上がりっぱなしになります)

を意識することで、血糖値のコントロールがしやすくなります。
また、食後にウォーキングなどの軽い運動をすると、血糖値の上昇が緩やかになることわかっているので、おすすめです。

今回は、抗糖化を考える上での食生活について、避けたい食品と血糖値についてお話ししました。
少しの工夫で糖化対策ができますので、ぜひ試してみてくださいね!
次回は、今回とは反対に「糖化を防ぐために摂りたい食品」についてお話ししたいと思います。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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