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現代美術家アニッシュ・カプーアによる個展が開催中。異次元における虚構とは?

  • 2022.5.9
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《Eclipse》2018, Stainless steel and Lacquer,Each_121×121×15cm
《Eclipse》2018, Stainless steel and Lacquer,Each:121×121×15cm

人間の知覚および空間に直接的に働きかけ、既成概念を覆す数多くの作品を多数発表してきた現代美術作家のアニッシュ・カプーア。これまでロンドンオリンピックで記念モニュメントを設計したり、ヴェルサイユ宮殿で個展を開催したりするなどその経歴は華やかで、現代美術界において不動の地位を築く芸術家の一人だ。

カプーアはかねてより“Void(虚空)”の概念を、色、光、知覚、空間といった諸要素との造形的実践において探求し続けてきた。2016年には、99.965%の光を吸収する「地上で最も黒い黒」ベンタブラック(Vantablack)の芸術的用途における権利を取得し芸術に置ける構想を重ねるなど、ある種研究者のような一面もある。現在イタリア、ベニスでは、アカデミア美術館とパラッツォ・マンフリン両会場で英国人アーティストとしては初となる大規模回顧展が開催中だ。自身のキャリアを総括する重要な作品群とともに、同素材を使用した新プロジェクトが初公開されている。

六本木・スカイ ピラミデで開催中の「アニッシュ・カプーア: Selected works 2015-2022」展では、ベニスで開催中の展覧会に合わせて、作家の新作を含む展示構成にてカプーア作品の魅力と“芸術的研究結果”を披露する。物質と非物質、存在と非存在、空っぽなのに満ちているという、矛盾した概念の三次元空間が広がる本展で、私たちは“新たな地平”を見ることができるだろう。

色、光、知覚、空間といった要素を探求し続けるアニッシュ・カプーアの見る世界の全貌を覗いてみては。

《Oriental Blue》2021, Stainless steel and Lacquer,80×80cm
《Oriental Blue》2021, Stainless steel and Lacquer,80×80cm

アニッシュ・カプーア: Selected works 2015-2022

会期/2022年5月7日(土)〜7月9日(土)

会場/SCAI PIRAMIDE 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル3F

開館時間/12:00~18:00

休館日/日、月、祝日

https://www.scaithebathhouse.com/ja/exhibitions/2022/05/anish_kapoor_selected_works_2015-2022/



Text: Mei Fujita

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