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メルカリ、赤字転落…売上増、利用者増にもかかわらず赤字のワケは?

  • 2022.5.7
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大手企業が赤字決算になる理由にはどのようなものが挙げられるでしょうか。ここでは、誰もが知る有名企業3社を例に、各社の赤字決算の理由とこれからの見通しを考えていきます。

■メルカリ、赤字転落…売上増、利用者増にもかかわらず赤字

大手フリマサイトを運営するメルカリが、直近の決算で赤字に転落しました。しかし売上や利用者は増加しています。

ここでは、メルカリの赤字転落のワケについて解説します。

メルカリが先日公開した2022年6月期の中間決算によると、売上高は前年同期比47.7%増の約712億円となっています。 また、メルカリJPにおけるGMV(流通取引総額)は2,268億円(前年同期比約15%増)で、MAU(月間アクティブユーザー)も2,045万人(前年同期比約13%増)で過去最高 となっています。

一般的に、これらの数字を見ると利益が出ている決算となりそうですが、実際には営業利益、経常利益ともに約17億円から18億円のマイナスとなっています。 ただし、メルカリによると、これは成長に向けた計画的な赤字とのことです。

■楽天、大赤字…楽天ポイントも改悪、赤字の元凶は?

楽天グループが、直近の決算で大きな赤字となりました。その影響だけとはいえませんが、楽天ポイントも改悪となっています。ここでは、楽天グループの赤字とその原因について解説します。

楽天グループやユーザーに大きな影響を与える赤字の原因は、実は楽天モバイルです。

楽天グループの2021年12月期における決算で、セグメント別の営業利益をみると「インターネットサービス」で約1,075億円の黒字、「フィンテックサービス」で約891億円の黒字と、ともに黒字になっています。

しかし、「モバイルサービス」だけは、約4,212億円の赤字です。しかも、かなり大きな数字です。

ただし楽天グループでは、次の要因によって来期以降のモバイルサービスの業績は改善していくとしています。

・1年無料キャンペーンが終了する顧客が課金ユーザーになること
・契約者獲得が加速すること
・ローミング費用が減少すること

■松屋は過去最高売上から一転、2年連続赤字

コロナ前となる2020年3月期の松屋(松屋フーズホールディングス<9887>)の年間売上高は過去最高の1,065億円。経営状態は良好でした。

しかし、新型コロナ流行後の2021 年3月期は売上高が大きく減少、営業利益は大幅な赤字になっています。2022年3月期もまた赤字となる見通しです。松屋2年連続赤字の要因を探っていきます。

要因1:売上高の減少
要因2:売上原価の増加
要因3:販管費率が高い

松屋フーズは2年連続赤字となる見込みです。しかし、経費を縮小できれば、赤字の早期改善も見込めそうです。

一番のカギとなるのが、売上高の7割を占める販管費の縮小でしょう。客の動向に左右されにくい販管費は、企業努力で縮小できる部分です。そこをどれだけ縮小できるかが、松屋フーズの今後の収益を左右するのではないでしょうか。

■赤字企業のこれからに注目

同じ赤字でも、積極投資をしているのか、単純に業績が悪化しているのかでは、その企業の行く末は大きく変わるでしょう。単純に赤字か黒字かを見るのではなく、理由を深掘りしていくことで、その企業の未来が見えてきます。今回紹介した3社の今後も注目していきたいですね。

文・fuelle編集部

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