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ドライフラワースワッグを手づくりして母の日に贈ろう! プロ直伝こなれ感が出るつくり方

  • 2022.5.4
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数ヶ月楽しめるスワッグは年に1度の母の日にぴったりなギフトです

5/8(日)は母の日。おうち時間も増えて会う機会が減ったなと感じている方は、温かみのある手づくりギフトで「ありがとう」の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。手づくりできるアイテムはいろいろありますが、ドライフラワーでつくる花飾り「スワッグ」がおすすめです。

スワッグとは、壁や天井につるすドライフラワーの花飾り。逆さにつるすのが一般的ですが「飾り方に決まりはありません。立てかけてもかわいいですし、自分好みに飾ってください」と千葉さん

スワッグを大きく分けると、生花を乾燥させてつくるものと、すでにできあがっているドライフラワーを束にするものの2タイプがあります。生花からつくるのは時間がかかるうえ、乾燥後の完成形をイメージするのもハードルが高めです。なので初心者さんは、初めからドライフラワーを使ってつくるのがおすすめ。

ハイセンスなスワッグが評判なドライフラワー専門店「チバセイサクショ」のオーナー・千葉里奈さんにお話を聞いてみると、「ドライフラワーのスワッグは、生花にはない味わい深さが魅力です。手頃な予算でつくれて、お手入れいらずで長く楽しめるのもいいところ。つくる人にとっても贈られる人にとってもうれしいアイテムだと思います」とのこと。「花材を選んだり、プレゼントする人のことを思い浮かべながらつくる時間も楽しいですよ」

千葉さんは、スワッグやドライフラワーブーケのフラワーデザイナー。24年間フローリストとして生花店に勤めたのち、独立して2016年に「チバセイサクショ」を立ち上げました

初めからセンスよくつくるのはハードルが高そうですが、「初めての方でも、3つのポイントを押さえればぐっと“こなれ感”がある作品になりますよ」と千葉さん。
そこで今回は、千葉さんに花材の選び方からラッピングまで、おうちでできるスワッグづくりのハウツーを教わります。

こなれ感が出るスワッグづくりの3ポイント

スワッグづくりは大きく分けて3ステップ。「まず花材を選んで、それらをブーケのように組んでいきます。ひもでくくったら、最後にラッピングしてできあがり。いたってシンプルな工程ですし、初心者さんでも30分ほどでできると思います」

花材をそろえるにあたっては「専門店はもちろん、最近はドライフラワーを扱っているお花屋さんやネットショップも増えているので、好みの素材が手に入りやすい」そう。
「ただ、ドライフラワーは束で販売しているお店が多いため、購入した花材が余りがち。もし余裕があったら、お友達とシェアしたりお母さんとおそろいで自分用をつくるのもありですね」

そして「こなれ感を出すには、初めの花材選びが重要」と千葉さんは続けます。押さえるべきはこちらの3ポイント。

ポイント1 2種類以上のリーフ(葉っぱ)を使う

「お花に注意がいきがちですが、スワッグはリーフが占める面積が結構広いため、1種類では見た目が単調になります。さらに葉の色味によって全体の印象も変わるため、どんな作品にしたいかイメージを固めてから選びましょう」

2つのスワッグ
リーフの種類が異なる、2つのスワッグ。同じお花を使っていても、グリーンのリーフを使った右側は涼しげで爽やか、ブラウンを入れた左側は温かみがある印象に
ポイント2:木の実を入れる

「お花やリーフとは質感が違う木の実が入っていると、ナチュラルにおしゃれ感が出せますよ!」

ポイント3:使う花材は5種類ほどに

「種類が多いとバランスが取りにくくなるので、欲張らない方がスマートにまとまります。予算的にも、5種類であれば3500円くらいに収まりますし、材料費の負担も少ないはず」

花材はこちらの5種類
「今回使う花材はこちらの5種類。右からグレビレアの葉、ブラックベリーの実、テールリード、アンモビュウム、大山木(たいさんぼく)の葉。個人でも比較的手に入りやすい素材です」

花材が決まったら、さっそくつくっていきましょう。

束ねるときは、完成形をイメージしながら

結び目にする位置を指でつまんで
「おおよその長さを決めたら結び目にする位置を指でつまんで持ち、そこよりも下に生えている葉を取り除きます。ブラウンのグレビレアの葉は、今回は後で使うので取っておきます」

葉の処理をしたら、花材を少しずつ組んでいきます。このとき「テーブルの上に、水平に置きながら進めるとつくりやすい」そう。もろいドライフラワーは折れてしまうこともあるため、「試しに組んだりはせず、頭の中で完成形をイメージしてからスタートして」と千葉さん。「途中で鏡に映したり離れて見てみたりしながら、全体のバランスをチェックしてみてください」

束ごとに段をつける
今回つくるのは壁掛けタイプのスワッグ。各束が段になるように配置することと、裏側がフラットになるように組むのがポイント。「1束目(背になる部分)の位置を決めたら、2〜3束目はそれよりも少し下の位置に合わせていきます。花材ごとに2〜3つの段をつけると、より美しく見えますよ」

「さらに持ち手(結び目)の位置よりも上に茎が見えないように組むと、より美しく仕上がります。手よりも上の部分は、茎が見えないように段をつけながら花材で埋めていきましょう」

茎をカット
(上)仕上げにスワッグ全体にボリュームが出るよう、葉を処理する際に取っておいた葉をサイドに添えていきます (下)完成したら好みの長さで茎をカット。「茎の風合いを出したければ、長めに残すのもあり」

「茎を切るときは、園芸用のハサミがあると束でもきれいに切ることができます。100均でも売っていますが、一ついいものがあると長く使えるのでおすすめ。私は生花業界に入ったばかりの頃に、先輩から頂いたものを24年間愛用しています」

茎を切ったら、結び目を輪ゴムで留めましょう。千葉さんいわく「輪ゴムの掛け方にもコツがある」のだそう。

輪ゴムの掛け方
1.まず、束の中でも太めの茎(1本)に輪ゴムを掛ける。2.そのまま持ち手に近い位置までもってくる。3.ぐるぐると全体に2、3周巻き付ける。4.最後に残った輪ゴムを初めに掛けたものとは別の太い茎に掛ければ完成。「こうすると安定感が出て、型崩れしません」

「輪ゴムを何重にしても、ただ掛けるだけではつるしているうちに花材が抜けてしまいます。長く楽しむためにも、この作業は重要!」

さらにこの上から、麻ひもを掛けていきます。「輪ゴムだけでは見た目がさみしいのと、よりしっかり留めるために、麻ひもも使います」

輪ゴムを上から隠すように巻き付け
好みの長さを残して、輪ゴムを上から隠すように巻き付けていきます。「巻くときは下から上に。輪ゴムが見えない状態になったら、お花やリーフに近い位置でしっかりと2回固結びします」

最後に、残しておいたひもの長さとそろえてカットし、上部に引っ掛けるための輪をつくればできあがり!

ラッピングは3つの材料でシンプルに

華やかなスワッグ
今回のラッピングは、華やかなスワッグが映えるようシンプルに仕上げました

「ラッピングは、ギフトの要ともいえますよね。用意するものはお好みの包装紙とセロハン、リボンの3つ。セロハンはスワッグを保護するために掛けるだけなので、なくてもOKです」。セロハンは全体の半分を覆うくらい、包装紙は縦横ともにスワッグがすっぽり入るサイズにカットします。

1.先に上からセロハンを掛ける。2.セロハンテープなどで簡易的に留める。3.真ん中にスワッグを置いたらペーパーの右下と左下を持って、麻ひもを固結びした位置でVの字ができるように重ねる。4.リボンを結んだら完成

「チバセイサクショでは高級感があるブラックの包装紙で統一していますが、母の日ですし、ピンクや花柄などの気持ちが高まる華やかなカラーもおすすめです。お母さん好みの色を選んでくださいね」

そしてせっかくなら手渡ししたいところですが、離れて暮らす人はなかなか難しいもの。その場合は宅配便で送ることができますが、ドライフラワーはとても繊細なため千葉さんはあまりおすすめしないとのこと。どうしても宅配便で送りたい場合は梱包する際に注意が必要です。緩衝材などで優しく包んでから、箱の中で動かないようにテープで固定し、残っている隙間を丸めた紙や緩衝材でしっかりと埋めましょう。宅配便店に出す際も、スワッグが入っていることを伝えるのを忘れずに。

贈るときに伝えたい、スワッグの楽しみ方

伝えておきたいスワッグの楽しみ方
最後に、プレゼントする際に伝えておきたいスワッグの楽しみ方を伺いました

ドライフラワーでつくるスワッグは、小まめに手入れが必要なのでは?と思いがちですが「特別なお手入れをする必要はありません」との返事が! ただ飾るときは、「湿気と直射日光には気をつけた方がいい」と千葉さん。「湿度が高くなるとしんなりするので、なるべく風通しのいい日陰に飾ってください。直射日光は、朝のゆるやかな陽射しに当たるだけでもすぐに退色が進んでしまいます」

ですが最近は、そうした経年変化を楽しむ人も多いのだとか。「直射日光に当たっているとだんだん枯れたような赤茶色になっていくのですが、そのヴィンテージ感ある色合いがお好きな方も多いんですよ」

「つくりたての色味は、数ヶ月〜半年くらいもちます。同じところにつるしているとほこりがたまるので、こまめに場所を変えたりお部屋を換気してくださいね。ドライフラワーはもろいので、ぜったいにハタキはかけないこと!」

「経年変化による“味”も、スワッグならではの魅力。1年ごとにプレゼントして、さまざまな趣を味わっていただくのも楽しいですよ。ドライフラワーは種類も豊富なので、皆さんの個性が出ると思います。世界に一つだけのスワッグづくりを楽しんでくださいね」

PROFILE
千葉里奈

チバセイサクショ オーナー

20歳から生花の世界に入り、2016年にドライフラワー専門店「チバセイサクショ」として独立。現在はウェディングをはじめ、スワッグやブーケ、装飾のオーダーまでを一人で担っている。Webショップでドライフラワーを使ったタペストリーやスワッグなどのギフトも販売。店舗では、不定期でプライベートワークショップも開催中。
Instagram:https://www.instagram.com/chibaseisakusho/

CREDIT

取材・文/金城和子 構成/大倉詩穂(Roaster) 撮影/藤井由依

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