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【中央区役所エリア】店主の変わらぬ思いから生まれた店『春楡珈琲』

  • 2022.4.29
コーヒーが落とされていくのを見守る感覚で

このお店がオープンするのを、数年間心待ちにしていた。 開店後のメニューの試作など、時々アップされるSNSの画像たちからは、どれも『とびきりのおいしさ』がスマホの画面を飛び出して、私に訴えかけてくる。

店主となる方がどんな方なのか、お会いする前から、とにかくセンスがいいことだけは間違いのないことだったし、オープンの予定は幾度か延期されたけれど、その理由がだらしなさの類からくるものではなく、しっかりとした軸を基準に、冷静な判断をしているからなのだという、不思議なほどの確信があった。

だから、いつもよく通るなじみの道沿いに、その名の看板を見つけたときは自分事みたいにうれしかった。 長く待っていた分の喜びがいっぺんにあふれ出してきた。

どんな器で迎えてくれるんだろう。 内装は? 品ぞろえは? 店主さんはどんな方だろう。。。

オープンの札が架かるその日までは、夢見心地なカウントダウンだった。

出典:リビング札幌Web
満を持してのOPEN

北国では馴染みの深いハルニレの木。 丈夫で、成長も早く、サクラと大よそ時を同じくして開花を始めます。

そんな、本格的な開花の時期を前に、2月のはじめにいよいよオープンを迎えた『春楡珈琲』さん。 地域に根差したお店を。。。 一所に根を下ろし、時代と人の移ろいを静かに見守る。 世話しない毎日の中でも、ここにくれば落ち着く、そんな場所でありたい。 木陰で羽根を休めるように、おいしいものでちょっとした幸せを感じてもらえたら…。

店を営むご夫婦が目指した姿が、そこにしっかりと形作られていました。

出典:リビング札幌Web
出典:リビング札幌Web
出典:リビング札幌Web

流れるジャズ&ソウルもまた空間に溶け込み、『人の手で作られたモノ』を意識して用意された器たちには、まるで魂が宿っているよう。そこにセンス良くおさまるお料理たちも、心地よさそうにしています。

出典:リビング札幌Web

こちらは『春楡特製オムライス』。

卵の厚みととろとろ具合が、写真でも確認できるでしょうか。

出典:リビング札幌Web

オムライスのためだけに生まれたような器にもキュンキュンしながら、いただいた一口目で衝撃が走ります。

まずはソースのお味。 チキンライスがゆったりと浸かっているのは、特製の甘味噌デミソース。 オムライスはお料理屋さんでも定番メニューですし、私も好きなのでよくいただきますが、そんな私にも初めての深い味わいでした。 さらにオムレツがまた、内側のふわっふわでプルップルな部分をやさしく覆う親鳥の羽根みたいな、表面の焼き上がり。神業としか思えないその仕上がりに、驚きを隠しきれないまま、でもすごい勢いでいただきました。

出典:リビング札幌Web

「このオムライスに本当によく合うんですよ」と教えていただいた『ライチ&アップル ミックスジュース』が、本当に好相性で、より一層食事スピードアップです。

心待ちにしていたデザートとコーヒーが♪

食後のデザートはこちら。

出典:リビング札幌Web

いただいたプリンは、その名も『おとなプリン』。 カラメルソースの海の中でたっぷんたっぷんと楽しそうにしています。 添えられたタイムがなんともおしゃれ。

カラメルは甘さ控えめ。 こちらで提供される全てのメニューに言えることですが、いわゆる化学的な、余計なものの味がしません。 素材そのものの味が集まって生まれる味のハーモニー。 いただいているうちにやさしい気持ちになってくるのも春楡珈琲さんの魅力の一つだなぁとしみじみ思いました。

珈琲は、『小春ブレンド』をチョイス。 さっぱりとした口当たりからやがてどっしりとした後味に変わってゆきます。 ドリンクは種類が豊富で季節限定のものもあり、かなり迷いました。

私はきっと、何かを達成したとき、どん底まで落ち込んでしまったとき、そして、ふっと気が向いたとき、何かの折にはここにやってくるんだろうなぁ。 そしてそのたびにこうして、目移りしながら何を注文しようか迷いに迷うんだろうなぁ。 そんな自分の姿をリアルに思い浮かべながら、食後のデザートタイムを過ごしました。

ここはまるで『まちなかの止まり木』

珈琲の焙煎と食事は旦那様。 ドリンクとデザートは奥様が担当。 お二人のたたずまいも相まって、ただただ安らぐこの空間。 初めてなのにどこか懐かしく、ずーっとそこで過ごしていたいような。

この安心感は、どこから来るのだろう。。。

しばらく私は考えていたのですが、答えが出ました。

店主お二人が、まるで春楡なのです。

じっくり、どっしり、たゆまぬ努力。 小さな気遣い、木漏れ日のようなあたたかいぬくもり。 大地にしっかりと張られた根でそこにそびえ、私たちを見守ってくれる。 だから安心してここにやってきては、リアルな世界での疲れを癒し、明日への活力を見出す。 このお店は、まちなかにある止まり木のような場所。

どこからどう撮っても映えまくりな店内で、おともだちと楽しく過ごすのももちろんおすすめですが、自分を見つめ直したり、自分を取り戻したいときに、一人で訪れるのもおすすめです。

ぜひ、あなたらしく、無理せずにひと時をお過ごしください。 どんなかたちであれ、ご夫婦はそれに見合った時間を提供してくださるのではないかと思います。

出典:リビング札幌Web

∽∽春楡珈琲∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ 札幌市中央区南4条西9丁目1006‐12 栄輪ビル1階 営業時間:11時~20時 定休日:木曜 駐車場:なし Instagram:@harunire_coffee ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

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