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ガラス瓶で漬ける保存食のつくり方

  • 2022.4.28
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ピクルスやオイル漬けは、野菜が安く手に入る時季にうってつけの調理法です。状態が一目瞭然なので、ガラス瓶を使うのがお薦めです。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。

ガラス瓶で漬ける保存食のつくり方

■中が見える安心感

太陽の光をたっぷりと浴びた植物は、消費が追いつかないほど次から次へと農作物を実らせます。料理として食べきれない分は加工して保存するのが、昔の人の知恵。つくっておけば忙しいときの食事の支度にも役立つからうれしい限り。ガラスの保存瓶は中身が見えるから、ピクルスの漬かり具合などの状態もひと目でわかります。キッチンの棚に並べて眺めるとなんとも豊かな気持ちになれるし、そのまま贈り物にしても喜ばれるはず。

□“セミドライトマトとモッツァレラのオイル漬け”のつくり方

◇材料 (つくりやすい分量)

ミディトマト:30個
モッツァレラチーズ:2個
オリーブオイル:400ml
にんにく:2片(軽くつぶす)
アーモンド:30個(から炒りする)
タイム:3本(生)
エシャロット:1本
白粒胡椒:20個
塩:小さじ2


※塩はトマトとチーズによって加減する。チーズが完全にオイルに漬かっていれば、冷蔵庫で1ヶ月ほどもつ。オイルを軽くきり、ゆで上がったパスタに和えたり、こんがり焼いたパンにのせたりするのも◎。

(1)セミドライトマトをつくる
トマトをよく洗って水気を拭き、横半分に切る(つぶさないように注意)。切り口を上に向けて天板に並べ、塩(分量外)を丁寧に全体にふる。

(2)焼く
100℃のオーブンで3~4時間ほど、好みの加減までゆっくり焼く。表面は十分乾燥しているが、食べてみるとまだ水分が残っている程度になったら、オーブンのスイッチを切り、そのまま余熱で火を入れる。

(3)弱火にかける
鍋にオリーブオイル、にんにく、アーモンド、タイム、エシャロット、白胡椒、塩を入れて弱火にかける。ふつふつと沸いたら火を止めて冷ます。

(4)漬ける
煮沸消毒した密閉保存瓶にモッツァレラチーズと2のセミドライトマトを入れ、3を注ぐ。チーズが浸るまでオリーブオイルを足す。冷蔵庫に入れ、3~4日間おく。

□“赤パプリカのピュレ”のつくり方

◇材料 (つくりやすい分量)

赤パプリカ:2個
オリーブオイル:大さじ3~4
粒が大きめの塩:小さじ1(好みで調整)


※煮込み料理やスープ、ドレッシングなどに少量入れると、味がぐっと深まる。新鮮なパプリカがたくさん手に入ったときは、贅沢にパスタにするのもおすすめ。

(1)パプリカを焼く
パプリカは洗って、水気を拭き取る。焼き網にのせて強火にかけ、転がしながら全体を皮が黒くなるまで焼く。熱いうちに皮をむき、へたを取ってフードプロセッサーで撹拌する。

(2)オリーブオイルを加える
オリーブオイルを少しずつ加えてのばしながら、なめらかになるまで撹拌する。

(3)瓶に入れる
塩を慎重に少しずつ加えて味をととのえる。好みで生クリームやスパイスを少量加えても美味。煮沸消毒した保存瓶に入れ、冷蔵庫で保存する。

□“ブルーベリーとコワントローのコンフィチュール”のつくり方

◇材料 (つくりやすい分量)

ブルーベリー:300g
グラニュー糖:60g
レモン汁:大さじ2
コワントロー:大さじ1/2(好みで加減)
白胡椒:少々


※1週間ほど日持ちする。ちぎったミントを入れてもおいしい。

(1)洗う
ブルーベリーは洗って水気をよく切り、へたがあれば竹串で取る。

(2)弱火にかける
鍋に1とグラニュー糖を入れ、全体をなじませてから弱火にかける。底が焦げないよう手で揺り動かしながら加熱し、果汁がじんわりと出てきたら中火にする。沸騰したら弱火にし、10秒ほどしてから火を止める。

(3)ねかせる
ボウルに移し、表面にラップをぴたりと密着するように張る。冷めたら冷蔵庫で一晩おく。

(4)レモン汁を加える
再び鍋に入れて弱火にかけ、沸騰したらレモン汁を加えて弱火にする。2分したらコワントローと胡椒を加えて軽く混ぜ、火を止める。

完成
完成

――教える人

「オカズデザイン」

2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。


文:藤井志織 写真:伊藤達也

この記事は四季dancyu「夏のレシピ」に掲載したものです。

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