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パリジェンヌの胃袋を掴んで離さないブラッスリー「レ・フィロゾフ」

  • 2015.9.24
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セレクトショップが建ち並び、おしゃれなパリジェンヌが集うフランス・パリのマレ地区。中世の街並みの中にパリの最先端をみつけることができるエリアです。このマレ地区でひときわ賑わう人気ブラッスリーをご紹介します。

パリジェンヌの生活の中に息づくブラッスリーへ

旅の醍醐味のひとつは、その土地でしか味わえない食事ですよね。世界中の料理人が競い合う美食の街、パリだからこそ、観光客向けではなく、地元の常連客が集まるレストランで食事をしてみたいと思いませんか? そんな方におすすめなのが、マレ地区で長年愛され続けているブラッスリー「Les Philosophes(レ・フィロゾフ)」です。

「レ・フィロゾフ」へは、パリの地下鉄1号線サン・ポール駅からリヴォリ通りを西へ300mほど進み、ヴィエイユ・デュ・タンプル通りへ右折。駅から5分で到着します。

和気あいあいとした雰囲気の店内で食べる、日替わりの一皿

「レ・フィロゾフ」の建物は1900年代に建てられたもの。「Les Philosophes」とは、哲学者たちを意味します。かつてバーとして営業していた名残を感じさせるカウンターや、古き良きフランスの雰囲気にあふれた店内も、こちらの魅力のひとつです。

店内に入って気づくのが、このロゴマーク。屋根の下に、鍋がデザインされたマークは、「fait maison(自家製)」と呼ばれ、そのレストランでは調理済みの冷凍食品などを使用していないことを表しています。つまり、そのお店のシェフが一から手作りしていることを示すものです。

また、メニューには「BIO(有機栽培、有機加工食品)」という文字も。体にやさしい食材をお店で一から調理する。それが「レ・フィロゾフ」の哲学です。

メニューは日替わりで、この日のメインはスペアリブ・アプリコット風味に、熱々のマッシュポテトとサヤインゲンを添えた一皿(12ユーロ)。スペアリブは、しっかり脂身を焼いてから煮込みます。煮込んだあとに肉を煮汁の中で休ませるのが、シェフならではのひと手間。そうすることで出てきた旨みが肉に吸収され、ジューシーな仕上がりになるそうです。

デザートは、サクサクのクランブル生地をベースにしたチョコレートケーキ(7ユーロ)。湯せんしたチョコレートに、やわらかに泡立てた生クリームを合わせたシンプルなデザートです。香りや風味を逃がさないため、温度調節には特に気をつけているといいます。添えられた爽やかなフルーツソースがチョコレートとマッチ。厳選素材で作るとっておきの料理に、会話もはずみます。

グルマンたちを大満足させているのは日本人シェフでした

この「レ・フィロゾフ」の厨房の一切を任されているのが、高橋正嗣(まさつぐ)シェフです。2006年に日本からフランスへ。南仏・トゥーロン、リヨン、そしてパリにて、ミシュランの星付きレストランや有名店に勤務し、現在はこちらのお店の料理長として腕を振るっています。

「お昼どきには、連日200人ほどのお客様がいらっしゃいます。毎日のようにランチを食べに来るお客様もいるので、日替わりメニューのバリエーションには気を遣いますね。クラシックなフランス料理を存分に食べてもらいたい。味も量も両方満足してもらわないと」と高橋シェフ。オニオングラタンスープ、プレロティ(鶏のロースト)、マグレカナール(鴨の胸肉)を使ったメニューなど、王道のフランス料理を大切にしながら、新しい味への挑戦も怠りません。

「この前、“きゅうりのミルフィーユ”に感動されたお客さんがいらっしゃいました。どうしてもレシピが欲しいというので差し上げたんです」。通常であればお店のレシピは門外不出なはず。ところが「レ・フィロゾフ」では、お店の人気メニューのレシピをホームページで惜しげもなく公開しています。 毎年9、10月はファッションウィークで賑わうパリ。旬のパリモードがあふれるこのマレ地区にも、世界各国からファッション関係者が集まります。「今年もまた来たよ」とお店に顔を出す外国人プレスも多いといいいます。白いシャツに黒いサロンをかけてきびきびと動くギャルソンたちや、高橋シェフはじめ料理人たちが、「日本からのお客さんも、お待ちしていますよ!」と店頭に大集合してくれました。パリに来たらぜひ訪れたいブラッスリーです。

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