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根本宗子のあまい東京記:〈ルコント〉の「スウリー」。品が良くて特別な、動物形ケーキと広尾の街?

  • 2022.4.24
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あまい東京記 根本宗子

第1回〈ルコント〉の「スウリー」

ルコント_スウリー

日本初のフランス菓子専門店として1968年に創業した〈ルコント〉。看板商品の仔ネズミ形シュークリームは、バニラ香るカスタードクリームが特徴。562円(日本橋三越店 TEL:03-3241-3311)

品が良くて特別な、動物形ケーキと広尾の街?

〈ルコント〉本店である広尾店は昨年10月に幕を閉じてしまったのですが、私にとって20年近い思い出があるケーキ屋さん。この可愛らしい見た目、魔法のお菓子みたい。動物の形をしたケーキは多く存在しますが、日本生まれの動物のケーキってどこかボテッとしてて、「不細工可愛い」みたいな愛らしさのものが多いように思います。

でも〈ルコント〉の「スウリー」はまるでヘンゼルとグレーテルに出てくるような見た目。初めて出会った時、ときめきが止まりませんでした。幼い頃の私がこのケーキを食べられるのは友人宅を訪れる際、手土産として母が買ってくれる時だけでしたが、大人になって自分で買い物に行けるようになってからはいいことがあった日に何度も広尾店に通いました。

いいことがあった時にちょっと贅沢をしに行く場所、広尾。でも、今回この連載のために調べていたら広尾店ができたのは2013年、私が幼い頃通っていたのは六本木の店舗だったということがわかり、子供の時の記憶って当てにならないなと思ったのと同時に、なんだか本当にお菓子の国に迷い込んだような気持ちになりました。六本木店は夢の中の場所のような気分なのでした。

profile

根本宗子

ねもと・しゅうこ/1989年生まれ。お菓子とラジオが好きな、東京生まれ東京育ちの劇作家。代表作を小説化した『今、出来る、精一杯。』が4月21日に発売予定

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