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すぐに叶えてあげられなくても。「食べたいものリスト」が便利な理由【我が家のごはん日記/かのうかおりさんちの食卓・3】

  • 2022.4.27

忙しいママにとって、日々の家事の中で悩ましいのがごはんのこと。適度に手を抜きたいけれど、家族には栄養のあるものをバランスよく食べてもらいたい。では、食にかかわるお仕事をしているママたちは、家族のごはんをどうしているの?

かのうかおりさんちの食卓 #week3

<月曜日>

ソメイヨシノが満開です。 りんごどんがまだ幼い頃、私の母が言っていたことがある。「おばあちゃんはね、食べものは身も心も作るものだから、子どもにはおいしいものをたくさん食べさせてあげなさい、って言っているの。うまかろうがまずかろうが、てづくりのおいしいものを……ってね」。

料理好きの母と、おいしい素材の話が好きな家族との食卓の思い出は尽きないが、台所からいいにおいがしたり、トントンと心地のよい音がしたり、どんな料理が並んでいたって、あったかい食卓がつくれたらしあわせだと思う。

<月曜日・夜>

【メニュー】 鯛の頭のアクアパッツァ すずきのムニエル セロリマリネ お刺身こんにゃく 昨日の残りなど

海のものが多めの食卓。価格が安くなっていたセロリは、アクアパッツァに少し入れ、あとはマリネに、葉っぱは冷凍して、いつかスープに使う。

<火曜日>

みんなが支度をしやすいように、子どもたちの成長にあわせて配置を変えてきました。リビングには米びつを。そして、いつも使う箸や小さな小皿、料理で使う道具などはキッチン側の下の方の引き出しへ。

<教室に通うお母さんから質問> お手伝いをさせなきゃと思っているのですが、どうしたらよいかわかりません。

<お答えします> 私の場合は、いろいろ一緒にしてもらわなければどんどん時間が経ってしまい、寝かせる時間が遅くなってしまうから、一緒にやっていこう!と思ってやってきました。配膳などはもちろんですが、お肉をこねこねしたり、エンドウなどのさやものの筋取りをしたり、やってみたい!と言った時がチャンスだと思って、少しずつしてもらいました。包丁トントンは、子どもがやってみたいことの一つ。包丁は危ないものだ、とわかる年齢になっていれば、包丁を握らせても怪我はしません。逆に慣れてきた頃が危ないのかな、と思います。時間の取れる週末など、一緒に食材と対話をしながらやっていくと、食べものについての意識が高まるのでおすすめです。食事面以外でも、お布団を敷くのもみんなで、大量の洗濯物もみんなですれば神経衰弱ゲームをしているみたいなもの。子どもたちもチームの一員としてほどよく楽しくやりましょう。

<火曜日・夜>

[メニュー] マカロニグラタン 鶏肉とスナップエンドウ炒め キムチ

マカロニはグルテンフリーフジッリを使っています。

<水曜日>

[メニュー] ミッキーのライスバーガー ターキーレッグ

ディズニーランドに行きました。りんごどんは、もうディズニーに行きたがらないので、家族で行けるのもこれで最後になるのかな。 小麦と卵なしの食べ物を探すのは本当に大変ですが、チュロスはNGだけどポップコーンは平気、ピザはダメだけどターキーレッグは平気で、探せば案外なんとかなります。今回は、ミッキーのかわいいライスバーガーに出会いました。

<木曜日・昼>

今月の料理教室の最終日で、私も一緒に食べました。連日、賑やかでした♪ あぁおいしい、なんでこんなにおいしくなるの? 妖精さんの仕業? ひょっとして先生は魔法使いなんでしょ?という話に……。さぁ、どうでしょうねー。

子ども料理教室では、「味わい名人になろう♪」という、素材をテーマとした実験をした後に、郷土料理をつくります。今回の「味わい名人になろう♪」のテーマ「だし」については、前回の連載で書いた通りなので読んでみてください。 郷土料理は、自然が生み出す山の幸、海の幸を上手に活かして食材を無駄なく使うので、SDGsを可能にする料理だと考えます。食の多様化が進んで、食に対する意識は変化していると感じていますが、受け継がれる味や心も大切にしてほしいものです。

<木曜日・夜>

【メニュー】 ほたるいか、水菜ともやしのナムルとセロリのマリネ イワシのカレー焼き 砂肝スパイシーグリル ブロッコリーのサラダ

ほたるいかの目は、私は気にしないで食べますが、子どもたちのために一応とります。これはお手伝いしてもらいます。セロリのマリネを、水菜ともやしのナムルにほんの少しだけ混ぜ込んだら、「あ! セロリ入れたでしょう」と。それでもパクパク。嫌がられない程度に混ぜて、慣れてもらうことが、好き嫌いをなくすコツです。

今日のごはんは淡い味まで感じられました。淡い味とは食材の本来の味がひきたったバランスがよい味。こう感じられるということは、今日は心が整っている証拠です。

<土曜日・昼>

【メニュー】 キムチ炒飯

私は、渋谷区の「かぞくのアトリエ」での親子講座があったので不在。 この連載をしていることを知っている夫が、念のため撮っておいたよ、と画像を送ってくれました。上手にできてるね。

<土曜日・夜>

【メニュー】 そら豆(旬) たけのこと豚肉の甘辛煮 かます きのうのサラダの残り

焼きっぱなしのそら豆がおいしい。 <教室のお母さんからの質問> 旬の素材をどうやって料理したらよいかわからず、結局ありきたりのものを買ってしまいます。

<お答えします> 旬の素材は焼く、蒸す、煮る、それだけでいつもの料理とは変わった味になります。アクをとる、何度か煮こぼす、というように面倒なものはごく一部なので、少しずつ取り入れてみましょう。今回のそら豆はフライパンにほったらかし。たまに裏返して最後に塩を振るだけで簡単です。

<日曜日>

食べたいものリスト。子どもたちのあれ食べたい! これ食べたい! 忙しい中で、この願いをすぐに叶えてあげるのは難しい。でもこれがあれば、備忘録になるし、献立に困った時にあれ作ろう!というヒントになる。

<日曜日・夜>

りんごどんの友人宅でお魚とチーズパーティ。

お魚は ヒラアジとイトヒキアジの刺身 石鯛中華蒸し 薬味たっぷり鰆のたたき ちらし寿司

チーズは北海道づくし。 しあわせチーズ工房 幸 ニセコ高橋牧場 狩太 長万部ウォッシュ 共働学舎シントコ 江丹別の青いチーズ

今日はハレ(非日常)の料理の日。子どもたちの進級祝いや、最近あった話をたっぷりと。ウィスキーが大好きなご主人にたくさんのウィスキーコレクションのテイスティングをさせていただき、長い夕食のときを過ごしました。

かのうかおり チーズ文化を学ぶために渡仏。「カオリーヌ菓子店」では、バスクチーズケーキが人気に。五感を使った食材の味わい方、食の持つ力や自然を大切にする心を育む活動をしている。フランスチーズ鑑評騎士、J.S.A.ソムリエ、フードコンシャスネス研究員。著書に『カオリーヌ菓子店のチーズケーキ』(主婦と生活社)、『チーズの絵本』(平澤まりこ/イラスト mille books)。

https://kaorinne.ocnk.net Instagram : @kaorinnedesu

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