その不調、「血」の巡りが原因かも？ 瘀血タイプにおすすめの漢方薬

こんにちは、医薬品登録販売者の志賀美希です。「生理痛がつらい」「頭痛や肩こりがひどい」などの不調を感じることはありませんか？ 実はその不調、「血」巡りが原因になっていることも。女性の体は月経、出産、更年期といったステージがあり、血の巡りが悪い状態の「瘀血（おけつ）」が起こりやすくなります。今回は血の巡りをよくするおすすめの養生法と漢方薬をご紹介します。

瘀血（おけつ）とは、どんな状態？

漢方においての「血（けつ）」は、血液というだけでなく全身に栄養や潤いを与える働きを担っています。その「血」が滞った状態を、「瘀血（おけつ）」と呼びます。

瘀血になる原因

瘀血はストレスや運動不足、不規則な生活、偏った食生活などの生活習慣の乱れから引き起こされやすいです。それ以外にも、血が不足している「血虚（けっきょ）」や体のエネルギーが不足している「気虚（ききょ）」、体のエネルギーが滞っている「気滞（きたい）」も血瘀になりやすい原因です。体のエネルギーが滞ることで、血の巡りも悪くなります。

・起こりやすい症状

生理痛や月経不順などの月経トラブル、手足の冷えや冷えのぼせが起こることが多いです。他にも頭痛や肩こり、肌荒れなどの不調がでることも。

・瘀血タイプにおすすめの養生法

血の巡りは食事や生活習慣を整えることでも対策ができます。おすすめの食材は、血液をサラサラに保つ働きのあるイワシやサバなどの青魚、ほうれん草や玉ねぎ、トマト、青じそなどの野菜もおすすめです。海藻類や大豆製品も効果的なので、バランスよく摂るようにしましょう。

また、ウォーキングやストレッチなどの運動も効果的です。運動不足で筋力が低下すると血液を送る力が弱くなるため、仕事や家事の合間にも体を動かしてみてください。リラックスをすることやあたたかく過ごすことも血の巡りをよくすることに繋がります。

瘀血タイプにおすすめの漢方薬

血の巡りをよくする代表的な漢方薬を紹介していきます。

・桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）：血の巡りをよくする代表的な漢方薬のひとつです。比較的体力があり、生理痛や月経不順、上半身ののぼせ、冷え、頭痛、肩こり、にきびがある人に向いています。

・桃核承気湯（とうかくじょうきとう）：血の巡りをよくする漢方薬です。のぼせや便秘、イライラがある人の、月経時の不安、イライラにも使われています。体内の熱を冷ます作用があるので、手足に強い冷えがある人は避けましょう。

ストレスから血の巡りが悪くなっている場合には「加味逍遙散（かみしょうようさん）」もおすすめです。漢方薬を選ぶ時には、自分の体質や症状に合ったものを選ぶ必要があるので、お近くの漢方薬局やオンライン薬局などで相談してみてくださいね。

教えてくれたのは

医薬品登録販売者 志賀美希さん