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医師がアンサー!ピルを服用するメリット、デメリットとは?

  • 2022.4.18
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まだまだ馴染みの薄い「ピル」。今回は、ピルを服用することのメリット、デメリットを、医療法人社団都筑会「つづきレディスクリニック」の吉岡範人先生に教えてもらいました。この機会に、ピルについての正しい知識を身につけましょう。

そもそもピルって何なのでしょうか?

みなさんが使用しているピルという言葉には「経口避妊薬(OC)」と、「低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)」の2種類があります。基本的には同じ種類の薬ですが、目的によって名前を変えています。経口避妊薬は避妊効果を目的に使用するもので、LEP製剤は使用目的が避妊ではなく月経困難症の治療であり、保険適応があります。どちらも避妊効果がありますが、副効用(※使用することによる避妊以外のメリット)があるため現在たくさんの方に使用されています。ここではピルという言葉はOC製剤とLEP製剤を合わせたものとして説明します。

ピル服用のメリットとデメリット教えてください

ピル服用のメリットとしてそもそもの薬の効果である避妊効果があります。それ以外のメリットとして副効用が得られることがあります。

副効用としては、

(1)生理痛の軽減
(2)子宮内膜症の進行抑制と症状改善
(3)過多月経の減少
(4)貧血の改善
(5)月経不順の改善・ホルモンバランスの改善
(6)排卵痛及び出血性黄体のう胞化の予防
(7)月経前緊張症の改善
(8)プレ更年期の改善
(9)骨粗しょう症の予防
(10)ニキビの改善

などがあります。これらの副効用を受けることができるのはメリットでしょう。デメリットとしては副作用が生じることや金銭的な問題があると思います。

副作用を教えてください

副作用には内服初期の吐き気や頭痛、不正出血、静脈血栓塞栓症などがあります。また長期投与により子宮頸がんや乳がんのリスクが少し上がります。てんかんの薬や精神病の薬の中には併用がしづらい薬があります。

ピルをうまく生活に取り入れるにはどうすれば良いでしょうか?

副効用の効果をうまく利用することが大切です。特に月経困難症の治療薬として使用されるLEP製剤は生理の痛みや量を改善することによって、みなさんの生活をより良くすることができます。今まではオリンピック選手のようなスポーツ選手で使用され、大会で良い成績をおさめることが注目されていましたが、現在は部活をしている女性や受験生などが内服することで、より良いパフォーマンスを発揮することができます。もちろん通常の仕事を行うにあたっても生理にまつわる症状を変えることでより良い成果を生むことができるでしょう。今はどこでもピルを手に入れることができるようになりましたが、あくまで女性の病気の専門家である産婦人科医に相談し、産婦人科のかかりつけ医を見つけることが重要です。

教えてくれたのは

出典: 美人百花.com

1978年生まれ。千葉県出身。2005年、聖マリアンナ医科大学大学院を卒業。同大学初期臨床研修センター、産婦人科に入局。16年間の医局勤務中、約2年間にわたりカナダ・バンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学へ留学。がんの研究に従事。2019年に事業を引き継ぐ形でつづきレディースクリニックの院長に就任。その後、自らの発案で訪問医療を新たにスタートさせるなど、枠に捉われない多角的な医療サービスを促進。大きな注目を集めている。

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