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年中行事にはご利益がある! 福を呼ぶ日本の知恵にあやかろう

  • 2022.4.14

私たちの暮らしに根づいている四季折々の行事は、「なんか、いいことないかな」「リフレッシュしたい!」「幸せがやってきますように」といった、人々の願いと祈りから生まれたものだという。

花見やお盆、お正月といった季節の行事の由来と、そこに隠された「ご利益」を授かれるアクションを紹介する『福を呼ぶ四季の習慣 小さな日本の行事』(主婦の友社)が発売された。

著者は、日本の伝統行事に詳しく関連著書も多い、本間美加子さん。本書では行事の由来をわかりやすく説きながら、楽しみながらご利益を授かれるアクションを紹介している。行事の解説には、はしのちづこさんによるユーモラスでかわいいイラストが添えられた。

桜は神様が集まる場所。一緒にめで、絆を深めるのがお花見

かつての人々は、桜の開花は、田の神様が山から里へと降りてきた合図と考えていた。神様のもとに集い、お酒やごちそうをお供えして、そのおさがりとして同じものをいただき、豊作を願ったのだという。桜の「さ」は田の神様を、「くら」は神様が鎮まる席を意味するようだ。神様と一緒に桜をめでつつ、ごちそうに舌鼓をうちながら、春に感謝して神様と仲良くすることで気持ちも運気も上向くことになるという。

6月16日は和菓子で災厄を祓い、福を招く嘉祥の日

旬のものやおいしいものを食べる行事もたくさんある。5月5日の「端午の節句」に柏餅を食べることは知られているが、意外なのが6月16日の「嘉祥(かじょう)の日」。

なんと、平安時代から続く和菓子をたくさん食べることで運気を上げる日なのだ。16種類、または16にちなんだ数の和菓子を食べると災厄を祓えるといわれている。これに因んで全国和菓子協会は6月16日を「和菓子の日」と定めた。この日には、除災招福を願う和菓子が登場する店もあるそうだ。

また、京都では6月30日の「夏越の祓(はらえ)」に、「水無月」という縁起和菓子で平穏無事を祈念する風習がある。

夏至から11日目は、たことうどんで疲れを癒やす半夏生

1年の折り返しにあたる節目の日には、関西地方では作物の根がたこの足のようにしっかり張るよう願いを込めてたこを食べ、四国地方ではうどんを打ち、みんなで食べる風習が受け継がれている。7月7日の「七夕」では、そうめんで無病息災を願う。おいしくて、運気を上げられる行事が一年中あるなんて、知らないと損かも。

日本人の季節に対するこまやかな感性から生まれた年中行事

暦は、日本人の暮らしに長く寄り添ってきた旧暦の「二十四節気」が基準となっている。農作物の実りも、台風や疫病などの災害も、人智の及ばない力が及ぼすとして、季節の変わり目や節目ごとに穢れを祓ったり、福を招いたりする行事が生まれた。

行事は、立春、針供養、花祭り、入梅、夏越の祓、重陽、小正月など38、ご利益は悪縁切り、疫病除け、延命長寿、夏バテ除け、火災除け、開運招福、害虫除け、金運上昇、金銀融通、健康祈願、五穀豊穣、裁縫上達、子孫繁栄、邪気払い、収穫祝い、出世開運、諸願成就、除災招福、商売繁盛、身体頑強、先祖供養、疲労回復、婦人病除け、風難除け、無病息災、厄払い、良縁成就、穢れを祓うなど、約30を紹介

今年は、日本の伝統行事をもっと楽しみながら、運気を上げていってはいかが?

■本間美加子さんプロフィール

1979年山形県生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経てフリーライター。和の伝統、日本文化を中心に執筆や編集を行なっている。著者に『神社の解剖図鑑2』(エクスナレッジ)『日本の365日を愛おしむ~季節を感じる暮らしの暦~』(飛鳥新社)、執筆協力に『神様が宿る家の清め方』(大和書房)など。

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