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開幕迫るACLグループステージ、韓国側の展望は?「自尊心かけた日韓対決」「浦和の注目選手は…」

  • 2022.4.13
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来る4月15日から5月1日までの約2週間にかけて、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)東地区のグループステージが行われる。

今年のACLグループステージも、従来のホーム&アウェー方式ではなく中立地での集中開催となる。

Kリーグからは大邱(テグ)FC、蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)、全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータース、全南(チョンナム)ドラゴンズの計4チームがACLに出場し、大邱FCと全南がタイ、蔚山現代がマレーシア、全北現代がベトナムでそれぞれグループステージを行う。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)ACL優勝トロフィー

Kリーグ勢は1967年の初回大会から現在まで合計12回優勝しており、AFC(アジアサッカー連盟)加盟国のリーグのなかでACL優勝チームを最も多く輩出している。

特に、2020年には蔚山現代が優勝、2021年には浦項(ポハン)スティーラースが準優勝と、直近2年連続でKリーグのチームがACL決勝に進出する快挙もあった。

そこで今回は、2022シーズンのACLに出場するKリーグ勢4チームが属する各グループについて、韓国プロサッカー連盟による展望を紹介しよう。

グループF:大邱FC「浦和で注目すべきは…」

大邱FCはACLプレーオフでPK戦までもつれる接戦の末、ブリーラム・ユナイテッド(タイ)を下し、2年連続でACL本大会に進出した。

昨年のACLで決勝トーナメント進出に成功した大邱FCは、クラブ史上3度目の出場となる今年のACLで、過去最高成績を狙う。

グループFに属する大邱FCは、山東泰山(中国)、ライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)、浦和レッズ(日本)を相手に迎える。

山東泰山は昨年に中国スーパーリーグとFAカップの2冠を達成した強豪だが、今大会には主要選手が大勢抜けたリザーブチームで参加する予定だ。したがって、Kリーグ1のMVP受賞経験者であり、山東泰山のエースとして活躍中のMFソン・ジュンホが出場する可能性は低い。

ライオン・シティ・セーラーズは昨年のシンガポール・プレミアリーグ優勝チームの資格でACLに出場する。

セーラーズは客観的な戦力で見ると強豪とは言い難いが、指揮官を務めるキム・ドフン監督は2020年のACLで蔚山現代を率いて優勝トロフィーを掲げた経験があり、決して侮れない相手だ。

また、チームの最前線には元韓国代表でKリーグ1得点王経験者のFWキム・シンウクもおり、優れた攻撃力を誇る。

セーラーズは今季開幕前に行われたシンガポール・コミュニティ・シールドで、キム・シンウクの2ゴールで2-1と優勝した。現在はリーグ戦で5勝1分1敗の単独1位と、順調な戦いぶりを見せている。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)大邱FC

最後に、浦和レッズは昨年の天皇杯優勝チームの資格でACLに出場する。

浦和は今年2月のFUJIFILM SUPER CUP 2022で強豪・川崎フロンターレを破り、優勝を果たした底力があるが、現在のJ1リーグでは2勝4分4敗で10位と伸び悩んでいる。

そんな浦和で注目に値する選手は、元スウェーデン代表MFダヴィド・モーベルグだ。モーベルグは直近4試合に出場して3ゴールを決めており、警戒すべき得点力を披露している。

グループG:全南ドラゴンズ「韓国2部クラブ初のACL出場」

全南は昨年、Kリーグ2のチームとして初めてFAカップで優勝し、2008年以来14年ぶりのACL出場を決めた。

Kリーグ2所属クラブのACL出場は今回の全南が史上初。全南はこれにとどまらず、クラブ史上初の決勝トーナメント進出も狙う。

グループGの全南は、ユナイテッド・シティ(フィリピン)、BGパトゥム・ユナイテッド(タイ)、メルボルン・シティ(オーストラリア)と同組に入った。

ユナイテッド・シティは昨年のACLで大邱FCとグループステージで戦うも、当時は0-7、0-4と2試合とも惨敗し、決勝トーナメント進出に失敗した。フィリピンリーグでは強豪と呼ばれ、攻撃的なサッカーを駆使するユナイテッド・シティだが、ACLではやや消極的な守備中心のパフォーマンスを発揮していた。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)全南ドラゴンズ

BGパトゥム・ユナイテッドは昨年に続き、今年も自分たちのホームスタジアムでグループステージを戦えるメリットを持っている。

パトゥムは昨年、ACL初出場ながら決勝トーナメント進出を果たし、全北現代ホームで行われた1回戦では全北現代を相手にPK戦まで持ち込む異変を起こした。

パトゥムは2年連続タイリーグ優勝チームの資格でACLに出場するだけに、侮れない相手だ。

メルボルン・シティは2019-2020シーズンに初めてACL出場権を獲得したが、昨年、Aリーグ所属チームがACLへの参加を辞退したことから、出場が実現しなかった。ただ、同年にクラブ創設初のAリーグ優勝を果たし、今年ついにACL初出場を果たすことになった。

現在のAリーグでも首位を走るメルボルン・シティは、積極的な攻撃展開を強みとしつつも、フランス人MFフローリン・ベレンゲルが攻撃の核を担う存在として、連係プレーやスペースへの侵入に強みを持っている。

グループH:全北現代「横浜FMと2年ぶり再会」

Kリーグ1で5年連続優勝を果たした全北現代は、今回で史上15度目のACL出場となり、2006年、2016年に次ぐ3度目の優勝に挑む。

開催地のベトナムへ向かった全北現代は、横浜F・マリノス(日本)、シドニーFC(オーストラリア)、ホアンアイン・ザライFC(ベトナム)と同じグループHに入った。

全北現代にとって、今回のグループは見慣れた組み合わせだ。2020年のグループステージでも横浜F・マリノス、シドニーFCと同組に入り、当時は横浜FMには2敗、シドニーFCには1勝1分という結果に終わった。

横浜FMは昨年のJ1リーグ準優勝で本大会にストレートインし、今年も現在までリーグ戦2位(5勝3分2敗)に上がっている。

厳しい攻撃力を強みとする横浜FMは、2018年にFCソウル所属で30試合6ゴール4アシストを記録したFWアンデルソン・ロペスが、今季リーグ戦10試合で4ゴールを決めている。

このほか、4ゴールのFW西村拓真、3ゴールのFW仲川輝人などを加えたチーム得点総17ゴールは、J1リーグ18チーム中最多の数字となっている。

次に、シドニーFCはプレーオフでカヤ・イロイロ(フィリピン)を5-0で下し、本大会に合流した。

現在のシドニーFCはAリーグで23試合8勝7分8敗の4位につけており、主要選手には2015年シーズンの加入から現在も活躍中の元セルビア代表MFミロシュ・ニンコヴィッチがいる。

また、過去にレディングやボルトンなどでプレーしたイングランド人FWアダム・ル・フォンドルが、今季リーグ戦で18試合6ゴール3アシストを記録している。ル・フォンドルはカヤ・イロイロとのプレーオフでも2ゴールの活躍を見せた。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)全北現代モータース

最後に、ホアンアイン・ザライFCは2005年以来クラブ史上3度目のACL出場を果たした。昨年のベトナムリーグは新型コロナウイルス感染症の影響で途中中断となかったが、ホアンアイン・ザライは中断時点でリーグ1位に位置し、ACL出場権を獲得した。今季リーグ戦では4試合で3分1敗のリーグ9位に位置している。

全北現代がACLで最後にベトナム勢と対戦したのは、2度目の優勝を果たした2016年大会のグループステージだった。当時、全北現代はベカメックス・ビンズオンに1勝1敗を記録した。

グループI:蔚山現代「プライドをかけた川崎との日韓対決」

蔚山現代も大邱FCと同じく、プレーオフを経てグループステージに進出した。当時はMFチェ・ギユン、FWオム・ウォンサン、FWレオナルドのゴールでポートFC(タイ)を3-0で下した。2012年、2020年にACLを制した蔚山現代は2年ぶり王座奪還に燃えている。

蔚山現代はグループIで川崎フロンターレ(日本)、ジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)、広州FCと対戦する。

川崎は昨年のJ1リーグ優勝チームの資格で、クラブ通算9度目のACL出場を果たした。現在、川崎はJ1リーグで1位(6勝2分2敗)をマークしている。

蔚山現代もKリーグ1で1位を走っており、両チームの対決はKリーグとJリーグの自尊心が懸かっている。

韓国と日本を代表する両チームなだけに、お互いはACLの舞台でよく顔を合わせてきた。直近は昨年の決勝トーナメント1回戦だったが、PK戦までもつれた接戦の末、蔚山現代が勝利を収めた。両チームは2019年にもACLグループステージで対戦し、当時は蔚山現代が1勝1分で上回った。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)蔚山現代

ジョホール・ダルル・タクジムは、昨年まで8年連続でマレーシア・スーパーリーグ優勝を果たした強豪だ。何より、ジョホールはホームスタジアムのスルタン・イブラヒム・スタジアムなど、ジョホール一帯で行われるグループIでホームの利点を積極的に活用することができる。

ジョホールの主要選手には、昨季までセリエAのウディネーゼに在籍した元U-21イタリア代表FWフェルナンド・フォレスティエリがいる。フォレスティエリは現在、リーグ戦やFAカップなどを含めて6試合7ゴール2アシストを記録している。

広州FCも山東泰山と同じく、リザーブチームの選手でチームを構成する見通しだ。昨年もリザーブチームとしてACLに出場した広州FCは、6試合で1得点17失点を記録し、全敗に終わっていた。

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