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「同居のままなら、彼を刺しちゃっていたかも…」37歳妻が夫に「別居婚」を提案した理由

  • 2022.4.11
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別居婚を選んだ夫婦の実態とは?
別居婚を選んだ夫婦の実態とは?

「別居婚」というワードが市民権を得て、どのくらいたったでしょうか。実際、私の周りにも、子どもが巣立った後に別居婚をスタートさせたご夫婦や、最初からお互いの仕事の関係で別居婚をしているご夫婦、「一緒に住むのは無理だから」という理由で別居婚をしているご夫婦がいらっしゃいます。

今回は、別居婚に関する調査と、私の知るちょっと変わった別居婚についてご紹介します。

別居婚がしたいNo.1都道府県は?

SheepDog(東京都品川区)が運営するITツール比較サイト「STRATE(ストラテ)」が2021年8月、全国の15〜29歳の未婚男女400人を対象に行った「別居婚に関するアンケート」の結果を見てみると、興味深いことが分かります。

なんと、10代・20代の未婚女性の約4割が「別居婚がしたい」と回答しているのです。逆に、「別居婚をしたくない」と回答した割合のトップは10代の男性です。そして、全国の主要都市別の割合を見ると、「別居婚をしたい」という意見が最も多かったのは、東京都(40.74%)を抜いて大阪府(42.57%)でした。ちなみに、「別居婚がしたい」という回答が最も低かったのは宮城県(22.73%)。都心は共働き夫婦が多く、お互いの収入の格差が少ない夫婦が多いので、そういった発想になりやすいのかもしれません。

若い女性層が別居婚を望むのはなぜなのでしょう。現実の結婚のロールモデルに「幸せな夫婦」が少ないということでしょうか。あるいは、家事育児の女性の負担が大きく、キャリアアップに協力する男性が少ないということでしょうか。

出産を機に別居婚をスタート

未希さん(37歳、仮名)と沙介さん(37歳、同)ご夫婦は、1人目の出産を機に別居婚をスタートさせました。とてもラブラブなお二人で、熱烈恋愛結婚です。

しかし沙介さんは、未希さんが1人目を出産した後も相変わらず未希さんばかりを見ていて、子どもの世話は全くしませんでした。家事は「未希さんが大変だから」と率先して行うのですが、育児は彼女に任せっきり。「子どもが懐いているのだから、自分がやるより彼女がやる方が子どもにとってもいいだろう」と、全く手を出しません。保育園の送り迎えなどもする気なしです。

早く仕事に復帰したかった未希さんは、近所に住む両親を頼るようになりました。すると未希さんのご両親は、「だったら2世帯住宅にして一緒に住もう」と持ち掛けます。しかし、沙介さんが「それは絶対に嫌だ」と言って聞く耳を持ちません。2人の関係に他の人が入ってほしくない、という理屈です。そのため、未希さんの母親が、孫のお世話のために家に来るのもいい顔をしませんでした。

自己中心的な沙介さんの家族観にキレた未希さんは、彼に「別居した方がいい」と伝えます。最初は驚いていた沙介さんですが、「平日は別々に暮らし、週末は子どもと3人で暮らして、夫婦だけで過ごす時間もつくる」という未希さんの提案に、むしろ喜んだそうです。そして、未希さんは子どもを連れて実家に帰り、沙介さんは1LDKのマンションに引っ越しました。

「コロナ禍になってますます、別居婚でよかったと思っています。あのまま一緒に暮らしていて、お互いに家で仕事をして、子どももいるなんて状況だったら、彼を刺しちゃっていたかもしれません。2人目もできましたが、平日はじいじ、ばあばの家で家事や子育ても手伝ってもらって、週末だけ彼と過ごすっていうのが私たちにはちょうどいい。子どもたちも、ちゃんとパパに懐いていますし。単身赴任みたいなものって考えたら、毎週会っているわけですからいいですよね」と未希さんは笑います。

どういう人が別居婚に向いているのか

夫婦や家族のルールは自分たちで作る。潔い決断です。お互いが幸せに暮らすことに「◯◯すべき」は何もないのです。未希さんの幸せそうな顔を見て、つくづく感じました。とはいえ、ご両親には感謝ですね。ご両親の理解と助けがあってこその別居婚。ご恩返しはしなくてはなりませんね。

では、どういう人が別居婚に向いているのでしょうか。

「周りにどう思われるか」を気にするタイプの人は、別居婚に向きません。いちいち説明するのに疲れてしまいます。特に、子どもがいる場合は、説明を統一しておく必要があります。お互い経済的に自立して、周囲の詮索が気にならない人でないと難しいでしょう。

また、別居婚とはいえ、将来、衝突や離婚話が出てくることも意識しておかなければなりません。浮気問題はありがちです。期間限定での別居婚にする、書面に残す…など備えておくと、いざというとき、役立ちます。

「夫婦とは、雨の日も嵐の日も一緒に助け合うもの」。そんなイメージが一昔前のものになっていると感じるときがあります。ずっと一緒にいるからこそ、いらぬけんかをしたり、家事を押し付け合ったり…。コロナ禍、ステイホームで窮屈を感じる夫婦が続出したのも事実です。

自分たち夫婦の距離はどのくらいがベストなのか。ウィズコロナの今年は、「夫婦の距離」を考える最高の時期だと思います。

「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美

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