1. トップ
  2. 「タピオカブーム」が終焉…閉店ラッシュが止まらない

「タピオカブーム」が終焉…閉店ラッシュが止まらない

  • 2022.4.9

インスタ映えとの親和性の高さもあって、2019年ごろから爆発的なヒットとなったタピオカドリンク。「そういえば最近見かけなくなったな……」と思いませんか。

タピオカブームが終わった背景とその後について解説します。

■タピオカ店が閉店ラッシュへ

タピオカミルクティーをはじめとする「タピオカドリンクブーム」は2018年頃から始まり、2019年にピークを迎えたといわれています。しかし、2020年に入ると下り坂の傾向を見せ、2021年にはブームも収まったようです。

東京商工リサーチの調査によると、2019年8月~2020年8月までの1年間でタピオカ関連企業は60社から125社に増加しています。飲食業や飲食以外の事業を手がける企業が、副業的にタピオカ関連の店をオープンするというケースも多く見られました。

しかし2020年は、多くの飲食店と同様にタピオカドリンク店もコロナ禍の影響を受けてしまいます。同年10月には名古屋でタピオカドリンク専門店を経営していた企業が約2,000万円の負債を抱えて倒産。また、他業種への転換を図る企業も相次ぎました。『日経MJ』の調査によると2020年2月時点で東京・原宿には26店のタピオカドリンク店がありましたが、10月時点で12店が閉店しています。

タピオカドリンク専門店の撤退後に空いた店舗には、新たなメニューのテイクアウトやデリバリー型店舗が入るケースが多いといいます。いちばん多いのは唐揚げ専門店で、ほかにもチーズケーキやエビ料理などバリエーションに富んでいます。

■タピオカ店ブームが終了した理由

タピオカドリンク専門店のブームが去った背景として、まず挙げられるのがコロナ禍。外出自粛やインバウンドの消滅によって店に足を運ぶ人が減りました。

タピオカドリンクブームは「コト消費」の象徴といわれ、購買者は商品の魅力そのものよりも「友だちと行列に並んでトッピングを考えたり、買ったタピオカドリンクをスマートフォンでインスタグラムなどに投稿したりする」ことに価値を見出していたのです。

さらに、マスクをつけて外出することが日常的になると、マスクがあるのでタピオカドリンクが飲みにくいことも客の足が店から遠のく要因になったようです。

もっとも、タピオカドリンクブームの終焉は、コロナ禍だけが原因ではありません。コロナ禍以前のブーム真っ只中の頃、出店のために空き店舗の取り合いが起きて家賃の高騰を招いており、店舗経営を圧迫していたという声もありました。

一方、タピオカドリンクのブームを支えた若者の次の受け皿となったのが、コンビニで販売されているタピオカドリンク以外のデザートドリンクです。2020年頃からバナナジュース専門店とのコラボ商品など、コンビニがデザートドリンクに力を入れだしました。

■タピオカドリンクの今後のゆくえは?

タピオカドリンクの専門店は減りましたが、タピオカドリンクが街なかから消えたわけではありません。ブランド力がある台湾発のカフェ「ゴンチャ」のような店は、メニューのひとつにタピオカミルクティーを据え、ショッピングモールなどに店舗を展開しています。タピオカドリンクはブームを経て、台湾系スイーツの1メニューとして定着できるかもしれません。

文・はせがわあきこ

元記事で読む
の記事をもっとみる