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韓国プロ野球、国民の44%が「関心ゼロ」…今季から全席開放も開幕戦“全球場完売失敗”の現状

  • 2022.4.6

2022シーズンの韓国プロ野球が開幕した。いわゆる“球春”の訪れだ。ただ、球場は満員の観客で埋め尽くされなかった。

全10球団で行われる韓国プロ野球KBOリーグでは、開幕戦で5つの球場すべて売り切れに失敗した。

ただ、実際の現地は十分ににぎわっていた。売り切れ失敗に落ち込む暇はない。再び球場を満員で埋め尽くすには球界全体の努力が必要だ。

韓国プロ野球の開幕戦は去る4月2日に行われた。翌3日までの開幕シリーズ2連戦だ。

韓国プロ野球は今シーズン、初戦から観客を100%受け入れることを前々から発表していた。それだけに“全席完売”への期待が高まっていたが、結果として全球場で満員の事例は生まれなかった。

4月2日の韓国プロ野球開幕戦

開幕日には5球場で合計6万6889人の観客が訪れたという。

球場別に見ると、ハンファ・イーグルス対斗山(トゥサン)ベアーズが行われた蚕室(チャムシル)球場では1万6271人、LGツインズ対KIAタイガースが行われた光州(クァンジュ)KIAチャンピオンズフィールドは1万6742人、サムスン・ライオンズ対KTウィズが行われた水原(スウォン)KTウィズパークは1万7057人、SSGランダース対NCダイノスが行われた昌原(チャンウォン)NCパークは8562人、ロッテ・ジャイアンツ対キウム・ヒーローズが行われた高尺(コチョク)スカイドームは8257人だった。

各球場の総座席数は、蚕室球場が2万5553席、KIAチャンピオンズフィールドが2万500席、KTウィズパークが2万席、NCパークが2万2112席、高尺スカイドームが1万7000席となっているだけに、どの球場も満員とならなかったことは残念だ。

開幕2日目の3日も、全席完売に成功した球場はなかった。蚕室球場が1万1345人、KIAチャンピオンズフィールドが1万124人、KTウィズパークが1mな321人、NCパークが4813人、高尺スカイドームが6155人で、合計4万2718人。

相対的に、日曜開催の試合は土曜開催の試合よりも満員となる可能性が低いのが事実だ。

「生きるか死ぬかの分かれ道」

韓国プロ野球をめぐっては“危機”と表現する見方が多い。これは世論調査専門機関ギャラップが開幕前に実施したアンケート調査でも如実に表れている。

ギャラップによると、「全10球団のなかで最も好きな球団は?」という質問に対し、最多はサムスンとKIAの各9%となった。1位の球団選好度が10%を切ったのは史上初のことだ。回答者の半数近くに上る48%が、「国内に好きな球団はいない」と答えていた。

また、韓国プロ野球への関心度を問う質問では、「かなりある」が15%、「少しある」が16%に対し、「あまりない」が23%で、「まったくない」は最多の44%だった。ほか、意見留保2%だった。

国内で韓国プロ野球に関心がある割合はわずかに31%だ。ただ、それだけプロ野球が国民からの信頼度を失ったことを意味する。

最近、新たに韓国野球委員会(KBO)の総裁に就任したホ・グヨン氏も、「現在、韓国プロ野球は生きるか死ぬかの分かれ道に立たされている」とピンチを強調した。

深刻な人気低下が現実で表れたのが、開幕戦での全球場完売失敗だ。1万人も入らなかった球場が2カ所もあった。特に、NCパークは2万人以上を収容できるにもかかわらず、半分以下の入場者数に終わった。これには憂慮の声が出るしかない。

元メジャーリーガーのヤシエル・プイグも韓国プロ野球に参戦したが…

ただ、久しぶりに球場がごった返したということは、それだけでも喜ばしいことだ。

5球場で最も多くの観客が訪れたKTウィズパークでは、それこそ足の踏み場もないほどの人だかりができた。1階のチケット売り場から長蛇の列ができ、2回の飲食品売り場の前にも長い行列ができた。

蚕室球場、KIAチャンピオンズフィールドでも同じ状況が生まれた。

過去最悪の人気度と言われる韓国プロ野球であるが、依然として球場には少なくない観客が訪れている。“完売失敗”を傍点にするのではない。「それでもたくさん来た方だ。もっと来るようにしなければ」と捉え、前に進まなければならない。当然、現状に満足してはいけない。

野球人気が以前より低迷していることは事実と認める必要がある。これは球界全体に投げかけられた解決すべきミッションだ。人気回復や関心向上に全力を傾けなければならない時期に来ている。

ホ・グヨン総裁自らも積極的に乗り出しており、選手たちと直接会ってコミュニケーションを図ろうとしている。選手協会のヤン・ウィジ(34、NCダイノス)会長も、「選手協会でもファンサービスに関する内容を準備している。すぐに知らせる予定だ」と伝えた。

韓国国内では依然として新型コロナウイルスの感染状況が厳しい。今も毎日10万単位の感染者が発覚している。観客100%動員を決めたにもかかわらず、懸念が残る部分はここにある。

それでも、多くのファンが現地を訪れて野球を楽しんだ。「今年の野球は面白い」「選手たちが変わった」「ファンを大切にしてくれる」という声が自然発生的に上がらなければならない。そうしてこそ、より多くのファンが球場に足を運び、テレビでも試合を楽しむことができる。

人気低迷の危機を脱出するには、結局のところ韓国プロ野球全体が一丸となって失った信頼を取り戻すしかない。

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