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「藝大コレクション展2022 −春の名品探訪 天平の誘惑−」が4月2日から開催

  • 2022.4.4

東京藝術大学は、藝大ならではのさまざまな分野が混在したコレクションを鑑賞できる、年に一度の貴重な機会となる「藝大コレクション展2022 −春の名品探訪 天平の誘惑−」を、同大学美術館にて4月2日(土)~5月8日(日)に開催する。

135年にわたり収集したコレクション

東京藝術大学は、前身である東京美術学校の設立から135年の長きにわたって作品や資料の収集につとめおり、その内容は古美術から現在の学生制作品まで多岐に及ぶ。東京藝術大学大学美術館では、その多彩なコレクションを広く公開する機会として、毎年藝大コレクション展を開催している。

2022年の藝コレは、「春の名品探訪」と題して約3万件の所蔵品の中から選りすぐった名品を中心に展示。天平の美術に思いを馳せた特集展示も見どころとなっている。

著しい損傷を被りながらも威風を伝えている『月光菩薩坐像』は、天平彫刻を代表する仏像のひとつだ。また今回の展示では、所蔵する乾漆仏像の断片や東大寺法華堂天蓋残欠に新たな光を当て、最新の研究成果により南都仏師たちの技法を解き明かす。

浄瑠璃寺吉祥天厨子を大展開

『浄瑠璃寺吉祥天厨子絵』(重要文化財)は、もとは京都・浄瑠璃寺の木造吉祥天立像を収めた厨子の扉および背面板で、明治22年(1889)に東京美術学校の所蔵となった。今回の展示では、当初はめられていた厨子(模造)および吉祥天像(模刻)とあわせ、全7面を一挙公開。目前に開かれた厨子のなかに足を踏み入れていくようなイメージを感じられる立体的な展示を試みる。

展示空間をぐるりと名品が取り囲む

同展では、同学が所蔵する約3万件の作品や資料のなかより、古美術から現代美術に至る名品をぐるりと展示空間を取り囲むように陳列。『小野雪見御幸絵巻』(重要文化財)や狩野常信『鳳凰図屏風』などの古美術からはじまり、

藝コレでは約10年ぶりの出品となる長原孝太郎『入道雲』、初公開の白川一郎『不空羂索観音』といった近代洋画の逸品、

そして狩野芳崖『悲母観音』(重要文化財)や橋本雅邦『白雲紅樹』(重要文化財)などの近代日本画の名品まで鑑賞できる。

フェノロサや岡倉天心らの奈良古社寺調査に同行した狩野芳崖は、31社寺で調査した所蔵品や建築物などをスケッチに描き留めた。同展に出品する『奈良官遊地取』はこのスケッチを後世、12巻の巻子装にしたもの。そこには当時の調査で再発見された「天平美術」が写し取られている。また芳崖の弟子たちの証言によれば、この時の古美術研究が、芳崖の絶筆『悲母観音』の面貌表現につながったという。『奈良官遊地取』との同時展示により、『悲母観音』の淵源に思いを馳せる旅へと案内する。

「藝大コレクション展2022 −春の名品探訪 天平の誘惑−」を訪れ、天平の美術に思いを馳せてみては。

■藝大コレクション展2022 −春の名品探訪 天平の誘惑− 会場:東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1 住所:東京都台東区上野公園12-8 休館日:月曜日 (5月2日は開館) 開館時間:10時~17時 (入館は16時30分まで) 観覧料:一般440円、大学生110円ほか ※同展は事前予約制ではないが、今後の状況により変更及び入場制限を実施する可能性がある。

HP:https://museum.geidai.ac.jp/

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