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もっちもちの米粉パンでつくる簡単ヘルシーおやつのつくり方

  • 2022.4.4
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お米の甘みが生きるやさしい味のヘルシーおやつ

「米粉」と聞けば、グルテンフリーやアレルギーフリーなどといった観点から、健康に良さそうと思いつつも、どう使えばいいのか……と感じている人も多いのでは? しかし「米粉には小麦粉にはない甘みやもちもちの食感があるんです」と教えてくれたのは、米粉料理家として活動する中村りえさん。味や食感が料理をよりいっそう引き立ててくれるだけでなく、調理や洗い物が簡単という利点もあるのだそう。

今回はそんな米粉を使った市販の米粉パンと身近な材料だけでできる「もっちりヘルシーおやつ」のつくり方や、米粉を日常に取り入れる方法を教えていただきます。

米粉の魅力は食感・甘さ・香り

グルテンフリーという点で健康的でもあり、小麦アレルギーの人にとっても心強い食材である米粉。小麦粉より米粉の方がタンパク質が高いといわれていたり、米粉と小麦粉で鶏のから揚げをつくったときに、米粉の方が油の吸収率が少ないともいわれています。

パン好きの中村さん
もともと小麦粉でつくるパンが大好きだったという中村さん。米粉生活に変わってから体の変化を感じることが多かったそう。「吹き出物ができなくなったり、便秘になりにくくなったり。体質が変わったのかな、と感じることがあります」

健康的とはいっても「米粉=お米」であり、カロリーが低いわけではないので注意が必要です。中村さんご自身は、肌や体の調子が良くなったと感じたそうですが、グルテンフリーに関しては、その人の体質によりけりという説も。栄養面に関しては小麦粉も米粉もさほど変わらないのでは?というのが、中村さんのご意見でした。

では、中村さんが感じる米粉の魅力はどこにあるのでしょうか。

「食感と甘さと香りですね。小麦にはないもちもちっとした噛みごたえや、ほんのり舌に残るお米の甘さ。また温めたときに感じるお米の柔らかい香りが米粉料理の魅力だと思っています」

市販の米粉パンでつくる!「ヘルシーバナナロールケーキ」

誰でも簡単に米粉ならではのもちもち感や、お米の甘い味わいを楽しめる手作りスイーツを……ということで、市販の米粉パンを使ったアレンジスイーツのつくり方を紹介します。

「米粉の味わいを際立たせるために、できるだけシンプルにアレンジしました。またお菓子作り初心者の方でもトライしやすいように、米粉食パン以外はスーパーで手軽に買える材料を使っています。米粉パンは専門店や通販などでぜひ手に入れてみてください。最近では大きめのスーパーでも見かけます」

「バナナは1年中手に入りやすい果物。ロールケーキにするときに芯になってくれて、とても巻きやすいのでお菓子作り初心者の方でもすぐに試せるスイーツです。チョコクリームではなく、ココアパウダーを使うことでカロリーにも気を使っています」

<材料>(つくりやすい分量)

  • 米粉食パン:2枚
  • 生クリーム:100mL
  • ココアパウダー(無糖):大さじ1/2
  • 砂糖:大さじ1
  • バナナ:1/2本

<つくり方>

1.米粉食パンを電子レンジで温めて(600Wで20秒ほど)柔らかくしてから、耳を切り落とす。

パンの耳を落とす
耳はなるべく薄く切り落としましょう

2.耳を切り落とした米粉食パンをラップで包み、麺棒で押しつぶすように伸ばす。

パンを麺棒でのばす
クリームを巻きやすくするために、なるべく薄く、厚さが均一になるように伸ばすのがポイント。伸ばした米粉パンを縦に2枚並べて冷蔵庫で冷やしておく。このとき1cmほど重ねて並べておきます

3.ボウルにココアパウダーと砂糖を入れて泡立て器で混ぜ、生クリームを少量加えて溶かす。そのあと残りの生クリームを加えてハンドミキサーで八分立てにする。

きれいに泡立てるために氷水を入れたボウルで冷やしながら行います

4.2にココアクリームを塗りバナナを手前に置く。

クリームをパンに塗る
ココアクリームは米粉食パンの側面が見えなくなるくらい、たっぷりと塗りましょう

5.バナナが芯になるように巻く。そのままラップに包み、冷蔵庫で1時間ほど休ませてから切り分ける。

パンを巻く
手で力を加えながら、隙間ができないように巻いていくのがポイント

生クリームナシでつくる!「ハートいちごのヘルシーサンド」

市販の米粉パンと身近な材料でつくる「もっちりヘルシーおやつ」の2つ目は、「ハートいちごのヘルシーサンド」です。

「生クリームの代わりにヨーグルトを使うことで、さっぱりとヘルシーなフルーツサンドに仕上げました。また、こくがあるマスカルポーネチーズを入れることで高級感を出しています。よりリッチな味にしたいときはブランデーなどの洋酒をちょっぴり加えるのもおすすめです」

「シンプルをテーマに、今回はいちごのみを使用していますが、シャインマスカットやキウイ、オレンジなど、酸味のあるフルーツだったらなんでも合います。ぜひいろいろ中身を変えて楽しんでくださいね」

<材料>(つくりやすい分量)

  • 米粉食パン:2枚
  • (A)マスカルポーネチーズ:100g
  • (A)水切りヨーグルト:100g
  • (A)砂糖:大さじ2
  • いちご:5粒

<つくり方>

1.いちごはヘタをとって、そのうち3粒は上を三角になるように切る(ハート形になるように)。残りの2粒は縦に半分に切る。

いちごをハートに切る
ヘタをとったあと、中心に縦に切り込みを入れる。そのあと左右それぞれ中央に向かって斜めに切り込みを入れて、いちごの上部を切り取ります

2.ボウルに(A)を入れて混ぜ、クリームにする。

マスカルポーネチーズを入れる
マスカルポーネチーズ、水切りヨーグルトは市販のものでOK

3.米粉食パンにクリームを塗って、切ったときの断面を考えながらハート形のいちごを中央に縦に並べる。

「三角に切り込みを入れたいちごを中央に。ここがかわいい断面になる部分です。断面からは見えないですが、いちごの味をより楽しめるようにサイドにもいちごをプラスしました」

4.さらにいちごが見えなくなるくらいたっぷりめにクリームを塗る。

たっぷりクリームを
いちごといちごの間の隙間をうめるようにクリームを塗るのがポイント

5.ラップに包み、冷蔵庫で1時間ほど休ませてから切る。

ラップで包むときは空気がなるべく入らないようにしましょう

今回紹介した2つのレシピは、工程も少なく気軽にチャンレンジできるものでした。麺棒がない人は、使いかけの食用品ラップやアルミホイルで代用するという手もあります。ぜひ試してみてくださいね。

実は料理に使いやすい? おいしい米粉ライフの始め方

米粉料理家と名乗り始めてから約6年。もともと家族が小麦アレルギーになったことをきっかけに「米粉」を料理に使い始めたという中村さん。使いにくそう……という不安があったものの、いざ試してみると、料理に使いやすいことを発見。おいしさだけにはとどまらない利便性もあったそう。

「お菓子に小麦粉を使うときは、ふるいにかけないと水分に溶かしたときにダマになりやすいですが、これはグルテンが原因です。また使い終わったあとのボウルを洗うのもひと苦労。その点、グルテンフリーの米粉はふるいにかけずに調理してもダマにならず、水に溶けやすいのがポイント。調理後のボウルは水にひたしておけば、簡単に洗い流せます」

カップケーキ
お菓子作りがもともと大好きという中村さん。週に1〜2回は米粉を使ったお菓子作りを楽しんでいるのだそう。写真は米粉でつくった中村さん自作のカップケーキ。米粉に豆乳と卵と砂糖、米油、ベーキングパウダーを加えてオーブンで焼いたもの

そして、中村さんいわく「卵」を使う料理の場合には、卵と小麦粉の代わりに使っても失敗はないと語ります。例えば、お菓子ならマフィンやクッキー、食事ならホットケーキやお好み焼きや揚げ物などです。

「グルテンフリーでお菓子をつくった場合、卵がないと膨らまなかったり、柔らかさが出なかったり、翌日ぱさついたり……何かと問題が多いのですが、米粉を使っていれば大丈夫。私自身も小麦粉から米粉に切り替えてから、まったく問題なく調理しています」

いろいろな米粉
最近の米粉は有機米を使ったものや、ブランド米を使ったものなど種類が豊富になったと中村さん。「米粉は商品によって粒の粗さが異なり、料理によって使い分けます。スーパーで売られている米粉は粒の粗さがどんな料理にでも使えるように調整されているので、初めての人には使いやすいかもしれません」

グルテンフリーを心掛けている方はアレルギーフリーを求める場合も多く、その中には卵アレルギーの方も多く存在することが考えられます。米粉料理家として活動していると、グルテンに加えて卵フリーの料理を求められることも多く、その場合は調理の難易度が一気に上がるのだそうです。そのイメージも混在してか「米粉料理=難しい」というイメージがあるのかもしれません。しかし、実際は前出のとおり、卵を使う料理で卵と小麦粉の代わりに使うこともできるなど、身近な料理からすぐに試せることがわかります。

まずは紹介した市販の米粉パンでつくるもっちりヘルシーおやつで、米粉の良さにふれていただき、その次のステップとして米粉を使った料理を楽しんでみてはいかがでしょう。

PROFILE
中村りえ

米粉料理家・管理栄養士

大学卒業後、大手食品メーカーにて外食向け商品の商品開発に携わる。その後、予防医学に興味をもち、健保組合に転職。健診結果の分析、健康セミナーの企画や広報に携わる。家族が小麦アレルギーを発症したことをきっかけに、米粉に出合い、そのおいしさに魅了される。米粉の魅力を伝えるとともに、食事を通して「365日ごきげんに過ごすコツ」を伝えたいと独立。お菓子教室、商品・レシピ開発、セミナー講師、メディア出演など幅広く活動中。
Instagram:https://www.instagram.com/rie.nakamura0707/

CREDIT

撮影/藤井由依(Roaster) 構成・取材・文/坂本アヤノ

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