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『ヘチ』で不良王子として悪事を働く密豊君は果たして誰の子孫?

  • 2022.4.4

テレビ東京の韓流プレミアで始まった『ヘチ 王座への道』は、とてもテンポが良くてストーリーも面白い。序盤から画面に釘付けになってしまうが、このドラマで一番憎たらしいのがチョン・ムンソンの演じる密豊君(ミルプングン)だ。

王族であり王位を継ぐ資格があるのだが、とにかく性格が悪い。平気で殺人を犯す悪いヤツなのだ。チョン・イルが演じるヨニングンも、結局は密豊君との壮絶な対決が避けられなくなるのだが、果たして密豊君は実在したのだろうか。

彼は『ヘチ 王座への道』の中で「直系の王族ではない」とされている。それがハンディになっているのだが、密豊君の歴史背景を詳しく見てみよう。

密豊君は、有名な昭顕(ソヒョン)世子のひ孫と言われている。

先祖の昭顕世子は仁祖(インジョ)の長男だったが、朝鮮王朝が清に屈服したときに人質になり清の首都に8年間軟禁されていた。ようやく1645年に故国に戻ったのだが、わずか2カ月で急死している。一説によると、昭顕世子と険悪になった仁祖が息子を毒殺したのではないか、と推測されている。

『ヘチ』でチョン・ムンソンが演じている密豊君
密豊君の悪行

それだけではなかった。昭顕世子の妻が死罪となり、3人の息子も済州島(チェジュド)に流罪にされてしまった。そのときの三男が生き残り、三男の孫となったのが密豊君だった。

ドラマの中で密豊君は「本来なら王位を受け継ぐはずだった」と言っているが、それは間違いではない。なぜなら、王位継承権のトップの昭顕世子の直系のひ孫であったからだ。

しかし、昭顕世子が亡くなったあと、彼の弟が王位を受け継いで孝宗(ヒョジョン)になったので、以後は孝宗の直系の子孫たちが王位を受け継いでいった。

それでも、密豊君に王位がまわってくる可能性があった。なにしろ、世子(張禧嬪〔チャン・ヒビン〕が産んだ息子)には子供がいなかったからだ。

そうであるならば、密豊君も品行方正にして評判を良くすればいいのに、ドラマの中ではまったく逆で、とんでもないワルであった。

今後も『ヘチ 王座への道』では密豊君の悪行が続くことになるだろう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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