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現代っ子は運動オンチ!? 「体力の低下」が子どもに与える悪影響4つ

  • 2015.9.17
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【ママからのご相談】

小学生になる子どもがいます。何をするにもダラダラしていて、「だるい」「めんどくさい」「疲れた」が口癖です。また、運動が苦手なので、外で遊ぶことにも興味がないようです。私自身も体を動かすのはおっくうな方なので、気持ちは分かるのですが、 もっと子どもらしく元気でいてほしいと思います。「今からこんな状態でこの先大丈夫かな」と心配なのですが、将来どんな影響があるのか教えてもらえますか?

●A. 体力の低下は、健康面・精神面に悪影響があります。少しずつ改善しましょう。

ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐藤理香です。

お母様のおっしゃるとおり、小学生でこの状態だと少し心配ですね。文部科学省の『体力・運動能力調査』によると、子どもたちの体力・運動能力は、昭和60年ごろから現在まで低下傾向になっています。

体力や運動面の項目については、ほとんどのテスト項目で親世代が上で、子どもの世代が下回っているんです。一方で、身長や体重といった体格面では、逆に子ども世代が上回っています。

つまり、体格が大きくなったのに、体力・運動能力は低下しているわけで、現代の子どもの身体能力が深刻な状況にあることを示しているのです。また、最近の子どもは、靴ひもを結べない、スキップができないなど、“自分の体を操れない”という指摘もあります。

そこで今回は、“体力の低下”が子どもにどのような影響を与えるのかをお伝えしますね。

●体力低下が子どもに与える悪影響4つ

●(1)肥満や生活習慣病のリスク

体力低下によって、体を動かさない、生活が乱れるということを繰り返していると、運動不足以上に深刻な事態に陥ります。肥満や、生活習慣病などの病気です。

日本小児内分泌学会によると、なんと1割以上の子どもが肥満になっているそうです。肥満はいろいろな合併症を伴い、特に糖尿病、脂質異常症、高血圧の原因となります。子どものころから動脈硬化は進行しています。子どもの肥満は、大人の肥満のもとなのです。

●(2)意欲や気力の低下

文部科学省では、体力を“生きる力”の重要な要素と位置づけています。体力は人間の活動の源なので、その体力が低下すると生活全般に活力がなくなります。自ら考える、判断するという意欲や気力が低下してしまうのです。ご相談者のお子様も、このケースに該当している可能性があります。

●(3)集中力の低下

体力の低下は、集中力や学びの意欲の低下にも結びついていることが知られています。小学校の低学年クラスでは、体力がないために授業中に疲れて寝てしまう……なんていうことも問題視されているくらいです。体力がなければ、勉強することにも影響が出てしまうのですね。

●(4)“社会全体”の活力の低下

“社会全体の活力”と聞くと、「自分には関係ない」と思われるかもしれません。しかし、一人ひとりの子どもの体力の低下が、将来的な国民全体の体力低下につながります。

つまり、生活習慣病やストレスに対する抵抗力の低下など、心身の健康に不安がある人が増えて社会全体の活力が低下すること意味します。医療費などの社会的なコストの増加にも関連しています。子どもたちが大人になったときに、職場環境や税金など、生活にダイレクトに関わる部分で負担が増すのです。

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これまで“体力低下に伴う将来の影響”についてお伝えしてきました。最後に、体を動かすことがおっくうだというご相談者様のために、こんな方法もあるよというのをお伝えします。

調査では、家族で運動を“する”頻度が高いほど、体力があることがわかっています。面白いことに、運動するに至らなくても、家族と一緒にスポーツを“観る”、スポーツについて“話をする”頻度が高いほど、子どもの体力がついていることがわかっているのです。

“観る”“話す”ことは、体力向上の直接的な要因ではありませんが、そういう関わりの多い家庭環境が、間接的に子どもの運動時間の増加や体力向上に好影響を与えているようです。オリンピックや大きな大会、地元のスポーツイベントなど、まずは観たり、話したりすることから始めてもいいかもしれませんね!

【参考リンク】

・子どもの体力の現状と将来への影響 | 文部科学省

●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)

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