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「仕事で疲れた」実はそれ、ママは不満に思ってるかも!?パパがやりがちなNG育児・言動3つ

  • 2022.3.29

「今のパパの多くは、育児に積極的に関わりたいと思っている」と話すのは、大阪教育大学教育学部教授の小崎恭弘先生。たしかに昔に比べると、男性の育児参加は当たり前のようになりつつあります。とはいえ、パパの育児に満足しているママばかりではないのも現実……。やりがちなパパのNG育児とその原因を、父親の育児参加のスペシャリストである小崎先生に伺いました。

NG1:子どもとお出かけするとき、いつまでも支度はママ任せ

休みの日にパパが子どもとお出かけしてくれるのはうれしいけど、その支度は「ママ、よろしく!」って……。水筒、着替え、おむつ、おやつ、ごみ袋、遊び道具、ハンカチ、ウェットティッシュなど準備はたくさん! お任せできればその間にほかの家事ができるのに、なんでいつまでも自分でやってくれないの?

小崎先生:「パパが外出に必要なものがわからないから支度をママ任せにして、勝手に自分は遊び担当!と決めているのでしょう。

自分が出演したとあるTV番組でのことですが。パパに、近所の公園に行くための支度を一人でやってもらったんです。そしたら、『今から家出するんですか?』くらい大きい荷物を抱えてきてね(笑)。それくらいパパはわかってない。でも育児や家事は、やりながら経験値を積んでいくしかないので、ママはパパに何を用意すればいいか細かく教えてあげてほしい。そしてパパは自分でやってみる。でも、それがどうしても面倒であれば、パパは遊ぶ担当、準備はママ担当と、完全に役割分担として割り切るのも一つの手だと思います」

NG2:家事育児が残っている夜、ソファで寝転ぶ

「仕事で疲れた」と、帰宅後、速攻でソファに寝転ぶ夫……。私だっていま、育休中ですが、日中は育児と家事でヘトヘト! 寝かしつけている間に、食器洗いなど残った家事をしておいてくれたらいいのに……。

小崎先生:「パパに問いたいのは、育児は疲れないと思っているんですか、ということですね。日中、パパが仕事をしていたように、ママも家事・育児をしていたんです。授乳したり離乳食を作ったりお昼寝をさせたり、外へ連れていったり、自分の時間が全くないママもいます。そういったことを想像して理解しましょう。残っている家事があれば、一緒に終わらせる。そして全部終わらせてから一緒にソファで寝転びましょう。

だけど、やってほしい家事をパパが察するのは難しいということは、ママにも理解してほしい。だって十中八九、パパは残った家事に気づいてないから(苦笑)。だから、ママから『食器を洗っておいて』『洗濯物を畳んでくれる?』という具体的な指示をパパに伝えて、家事や育児を2人でシェアしましょう」

NG3:寝かしつけ前にハイテンションな遊びをする

寝かしつけ前に、テンションの高い遊びをすると興奮して寝かしつけるのが大変に! かわいいわが子と遊びたいのはわかるけど、邪魔をされるとイラっとします。寝かしつけの大変さをわかってほしい……。

小崎先生:「生活リズムや明日の心配より、かわいいわが子を前に『今、遊びたい!』という感覚なのかもしれません。ママとの育児経験値の差が原因でしょう。育児への責任感も少し薄い場合もあるかもしれません。1度、寝かしつけを1から全部パパに任してしまって、寝かしつけという育児の流れ、見通しを持ってもらうといいと思います。

だけど、仕事が終わってやっと子どもに会えてうれしい、子どもと触れ合いたい、遊びたいというパパの気持ちは認めてあげてほしい(笑)。生活のリズムは大切だけど、そのルールにガチガチになるのもしんどいですよね。普段は生活リズムを守ってもらって、金曜日の夜は少しハイテンションな遊びをしてもOKというような、柔軟性のあるルールにすると、ママも気持ち的にラクになると思います」

どうしてこうなっちゃう? パパとママの育児の差

「今のパパたちはやる気はあるんです。でも、見えている家事・育児の範囲が狭く、これまで部分的にしか関わっていないから、やっていないことが多い。その間にママはどんどん経験値を積んでいるので、差が開いてしまうのです」

パパとママの意識の差、経験値の差は埋まるのでしょうか。

「ママには経験値の差を理解してもらい、面倒でも、子どもを育てるようにパパを育ててほしいと思います。パパに任せられることが増えれば、ママの負担はラクになります。ママがやったほうが早いし的確なことが多いと思うけど、まだまだ育児は長く続きますよ(笑)。短期的にとらえず、長いスパンで考えてみましょう。育児や家事を細かく伝えて、パパの視野を広げるほうが得策だと思います」

さらに、お互いに「家族を作る」という意識を持つことが大切だと小崎先生は言います。

「育児や家事の共有は大切ですが、すべてを平等に分担するというよりは、なるべくそれぞれの得意なことをやれるように、役割分担やルールを決めていくといいでしょう。そのためには、意識のズレを感じたときに話し合う、言いにくいことも言う、言われても怒ったりしない。そうやって、トラブルがあればその度に話し合って解決することが大切です。お互いに“夫婦になる” “家族を作る”という意識を持ってコミュニケーションをとれるといいですね」

取材・文/早田佳代


監修者:保育士 大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学)教授 小崎恭弘

兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年間勤務。3人の息子が生まれるたびに育児休暇を取得。市役所退職後、神戸常盤大学を経て現職。専門は「保育学」「児童福祉」「子育て支援」「父親支援」。NPOファザーリングジャパン顧問、東京大学発達保育実践政策学センター研究員。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等にて積極的に発信をおこなう。「男の子の本当に響く叱り方・ほめ方」(すばる舎)、「育児父さんの成長日誌」(朝日新聞社)、「パパルール」(合同出版)など、著書多数。


著者:ライター 早田佳代

編集プロダクション勤務を経て、フリーの編集・ライターに。不妊治療、妊娠・出産、健康、ダイエットなどの企画を中心に活動中。取材先などで得た情報を、よりわかりやすく伝えることがモットー。

ベビーカレンダー編集部

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