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モデル界随一のパンマニアに聞く!最新の注目店とちょい足しレシピ

  • 2022.3.25
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選んで比べてアレンジしてパンの楽しみ方が広がれば人生の幸福度は上がる

オシャレなブーランジェリーから昔懐かしいベーカリーまで、ジャンルも味わいもさまざまなパン屋さんが今、百花繚乱のにぎわいを見せています。パンをおいしく食べるためのジャムやスプレッドも続々と登場し、パンの楽しみ方にもこれまでにない多彩な広がりが。

そこで今回は、モデルとして活動する一方でパン好きが高じてパンコーディネーターとなり、ついには「パン野」を名乗るまでになった山野さん(以下、パン野さん)にインタビュー。おいしいパン屋さんの見つけ方から、おうちでできる簡単ちょい足しレシピまで、幸せなパンライフを送るための最新アイデアを教えてもらいました。

パンは一番身近な「幸せ」であり「癒やし」

小さい頃からパンが好きで、今も毎日欠かさずパンを食べているというパン野ゆりさん。おいしいパンを求めて日本各地はもちろん、海外にも足を運んできたそう。「パンのすばらしいところは、身近にあって気軽に楽しめるところ。生活に根ざしたものなので、世界中どこに行ってもパン屋さんは必ずあるし、だいたい朝からオープンしているから観光や仕事の前にふらっと立ち寄れる。軽くてかさばらないしお値段も手頃なので、いつでも気兼ねなくあれこれ買えますよね」

パンを選ぶ山野さん
パン野さんにとって、パンは日常の中で一番身近な幸せ。「食べておいしいのはもちろん、香りを嗅いでも幸せな気分になれる。ヴィジュアルもかわいいから眺めているだけでもテンションが上がるし、まさに五感で癒やされる存在です」

そんな身近さに加えてパン野さんをトリコにしているのが、その多彩さ。「パンとひとくちにいっても、食パン、菓子パン、惣菜パン、バゲットやカンパーニュなどのシンプルなパン、サンドイッチやバーガーまで……。本当にいろんな種類のパンがあるから、毎日食べても飽きない。しかも例えば同じクリームパンでも、店によって見た目も味わいもまったく違うので、食べ比べをするなど楽しみが尽きません」

パンのにおいをかぐ山野さん
パン野さんが特に好きなのはバゲット。「一見どれも似て見えるかもしれませんが、バゲットこそ店によって本当にさまざま! 気泡が多く軽くて口溶けの良いものがある一方で、水分率が高くもっちり食べ応えがあるものも。シンプルだからこそ奥深いんですよ」

世界観のある店なら、買いに行くこと自体がエンタメに

パンは選ぶ楽しさが尽きないだけに、どこで何を買えばいいのか途方に暮れてしまう人も多いはず。パン野さんが考える、おいしいパン屋さんの選び方は?

「私の場合、自家製の天然酵母を使っている店が特に気になります。自家製酵母とは市販のイースト酵母ではなく、果物や穀物に水を加えて酵母を培養するところから手がける自家製タイプのこと。もちろんイーストを使っていてもおいしい店はいっぱいありますが、自家製酵母でつくるのはすごく手間がかかるので、パンに対して我が子のような愛情をもっている方が多いと感じます。そういう意味で、自分の中の指針のひとつにしています。あとは、店構えも大事。昔からあるレトロな店でも、最近人気のオシャレな店でも、外観や看板、外から垣間見える内装やショーケースの並びなど、トータルでひとつの完成された世界観やセンスを感じさせる店は、店の前を通るとおっと目が行くし、思わず入店してしまう引きの強さがあります」

なかでも、パン野さんが今一番注目している店が「アマムダコタン表参道店」。数年前に本店である福岡店を訪れた際に衝撃を受け、昨年に東京店ができてから頻繁に足を運んでいるそう。

アマムダコタン表参道店1
マリトッツォブームの火付け役としても知られる福岡発の超人気店「アマムダコタン表参道店」。昨年10月のオープン以来、平日休日問わず長蛇の列が。パンからはみ出さんばかりにたっぷりと詰められた具材が魅力の惣菜パンやデザートパンがずらり100種以上。ドライフラワーがそこかしこにあしらわれたファンタジックな空間にパンの陳列が映えて、抜群の世界観!

「『アマムダコタン表参道店』は、どのパンも見るからに独創的で遊び心いっぱいだし、具だくさんで本当においしい。石造りの街をイメージした内装やパンのディスプレイも非日常感にあふれていてワクワクします。最近はここのように、パンを買いに行くこと自体がエンタメになるような楽しい店が増えていますね」

ちなみに初めて行くパン屋さんでは、自分の好きな定番のパンと、その店イチオシのスペシャリテを必ず買うそう。「自分の好きな定番パンを決めておくと、店頭で迷わないうえに、いろんな店のものを食べ比べられるので楽しさが広がります。また、店のイチオシに従うことで、ふだんあまり食べない種類に挑戦できて新たな発見につながることも」。さらにハード系とソフト系、あるいは惣菜系とデザート系など、異なる種類のものを買うようにすると、その店の個性や得意ジャンルがわかりやすいとか。

簡単アレンジで、極上スイーツやお酒のお供に変身

「気になるパン屋さんを見つけたらあれこれ買ってしまうから、おうちにはいつもパンのストックがいっぱい。買ってすぐ食べきれずに数日たってしまったパンなどは、ちょっぴりアレンジを加えて、自分だけのスペシャルなごちそうにしちゃいます」とパン野さん。

今回は、パン野さんがおうちでよくつくっている「あんバターパン」と「生ハムのブルスケッタ」の簡単レシピをご紹介! まず最初は、ホットサンドメーカーを使った「あんバターパン」から。

あんバターパン
使うのは市販のあんパン(数や大きさはお好みで)と、バターのみ。まずホットサンドメーカーで熱し、表面が温まったら、有塩バター大さじ2をのせて溶かします。溶かしたバターをあんパンの両面に軽く絡め、ホットサンドメーカーのふたをして片面約1分ずつ。表面にこんがり焼き目がつけばもうできあがり!

ホットサンドメーカーがない場合は、フライパンで焼いてもOKです。

あんバターパン出来上がり
数日たったあんパンだって、芳醇なバターの香りとカリッとした食感がたまらない、スペシャルな熱々パンに早変わり!

お次は、切ってのせるだけの「生ハムのブルスケッタ」の作り方です。

生ハムのブルスケッタ
まず、バゲットを好みの厚さにカットして、片面にクリームチーズを塗ります。その上に生ハムを好みの量のせ、仕上げに蜂蜜とブラックペッパーをオンすれば完成! クリームチーズの酸味と蜂蜜の甘さにブラックペッパーのスパイシーさが効いて、ヤミツキになる味わい

生ハム以外にも野菜のラペや缶詰のオイルサーディンなど、好きなものをなんでものせてOK。「冷蔵庫に眠っているジャムやソース、スパイス、残りもののおかずなど、いろいろオンして組み合わせを試してみて。意外な好コンビネーションに気づくこともありますよ」

パン飲みを楽しむ山野さん
パン野さんは、おうちでよく「パン飲み」を楽しんでいるそう。「生ハムのブルスケッタは、お酒によく合うからおつまみの定番。赤ワインはもちろん、クラフトビールにもぴったり。甘いデニッシュをお供にシャンパンを飲むのも最高です! パンって朝食のイメージが強いかもしれないですが、意外とお酒のお供にもなるんですよ。『夜にもパン』は、ぜひ広めていきたいです」

自分でパパッとアレンジを加えて、世界にひとつだけの味を生み出せる。そんな大らかさも、パンに夢中になる理由なのです。

山野さんお気に入りパンのお供
パン野さんはおうちにいろんなジャムやスプレッドを常備して、その日の気分でアレンジを楽しんでいます。最近のヒット3選は、仕事で出合ったというこの3つ。(左から)堀内果実園の「富有柿のコンフィチュール」、紀ノ国屋の「福岡県産あまおういちごバター」、中川政七商店の「産地のパンのとも 宮崎さつまいもとバター」。「トーストにこれらを塗るだけで、人生の幸福度が確実に上がります(笑)」

毎日パンでも体型はキープ、パン野さん流のコツは?

毎日欠かさず数種類のパンを食べているというパン野さん。モデルという職業柄もありスリムな体型をキープされていますが、食べ方のコツはあるのでしょうか?

「高カロリーのパンを食べることが続いたら、ヘルシーなパンを選ぶ日を設けて、バランスを調整するようにしています。ライ麦や全粒粉を使ったシンプルなパンは、糖質も低めだし、食物繊維も豊富で美容にもいいといわれているんですよ」

パンと山野さん
ヘルシーパンとしてパン野さんがおすすめするのは、ドイツ発祥のライ麦パン「プンパニッケル」。「ライ麦全粒粉を70%以上使ったもので、糖質ダイエット中の人にもおすすめ。ちょっと酸味がある味わいなので、クリームチーズなどを塗るとおいしく食べられます」

時にはヘルシーパンへ切り替えることも大切だけれど、やはりパン至上主義のパン野さんにとっては、食べたいパンを思いきり食べて、そのぶん「動く」のが一番の体型キープ法だといいます。おすすめはずばり、徒歩でパン屋めぐりをすること!

「電車やバスは極力使わず、パン屋さんからパン屋さんの間をがんばって歩くだけで、かなりのカロリー消費になります。歩いた先にお目当ての店があると、長距離でも苦にならないし、パン屋さんに到着したときの達成感たるや(笑)。あとは私、モデル仲間の仲川希良ちゃんと、山でパンを食べる『ヤマゴパン』というユニットを組んでいるんです。山麓近くの店でパンを現地調達してから山を登って、頂上など見晴らしがいい場所でパンを食べるというアクティビティなんですが、登山で体を動かすことでお腹が減るので、パンもよりおいしく食べられて、心身ともにいいことだらけですよ」

ヤマゴパン
「自然の中でパンを食べるだけでも最高なんですが、キャンプ用のギアがあれば、網でパンを焼いたり、おいしいスープをつくって一緒に食べたり、よりぜいたくなヤマゴパンが楽しめます」

大空の下で食べるパンの味は格別だと目を輝かせる、パン野さん。気候のいい日に焼きたてのパンを手に入れたら、山とまでは行かずとも、例えば近くの公園などで食べてみると幸せなひとときが過ごせそう。人生の幸福とは、こんなふうに身近で意外と簡単に手に入るものなのです。

PROFILE
パン野ゆり

モデル・パンコーディネーター

モデル・山野ゆりとして雑誌や広告で幅広く活躍する一方、国内外のパン屋さんに足を運び、パンを独自の視点で分析・紹介。雑誌やWEB媒体ではパンの連載などを担当するほか、「世田谷パン祭り」ではワークショップを開催。福岡県小倉市には自身がデザイン・プロデュースするパン屋さん「park baker lab」も。そのほか、東日本橋の「BEAVER BREAD」にて1日店長や、ファッションブランドとコラボレーションしてオリジナルグッズを発表するなど、パンに関して全方位的に活躍中。

Instagram:https://www.instagram.com/yuri.yamano/

CREDIT

衣装協力/シャツ¥27,500(税込)/k.h.r、イヤーカフ¥11,000(税込)Folk/N(ともにUTS PR)、パンツ¥39,600(税込)/UNDECORATED、リングはモデル私物
●衣装問い合わせ UTS PR 03-6427-1030、UNDECORATED 03-3794-4037

取材・文/井口啓子 編集/乾 純子(Roaster) 撮影/忠地七緒 スタイリング/気仙絵里香 ヘアメイク/西 亜莉奈

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