秋のニュアンスカラーを楽しむ花あしらい~ダリア、バラ、トルコキキョウで彩る秋のはじまり~

長く続いた雨が夏のカケラたちをすっかりと洗い流し、東京は穏やかに澄んだ秋空が広がっています。
今回の台風も各地にその爪痕を残し......自然の猛威にさらされ、被害に遭われた地域の皆様には心よりお見舞いを申し上げます。

秋のはじめの涼やかな風を色に例えるなら、パープルに触れた淡いピンクでしょうか。どこか淋しげでだからこそ優しくて、高原に揺れるコスモスのような透明感のあるピンクに癒される感じがします。

花屋さんはすでに秋がいっぱい。リンドウ、藤袴、ホトトギス、紫式部など秋の風情たっぷりの紫色の和の花々が静かに佇むように並んでいます。そんな中でひときわ華やかなダリアや、オータムンカラーのバラも美しいシーズンを迎えます。シックなアンティーク調の色合いの花々も存在感が出てきましたね。秋にはぜひ花の色の"ニュアンス"を楽しんでいただきたいと思うのです。今回は、ニュアンスカラーをテーマに、優しいパープルピンクの組み合わせのアレンジと、アンティークカラーの組み合わせのアレンジをご紹介します。

秋が深まっていくにつれて、このコラムでも何度も登場しそうな花「ダリア」。
原産国はメキシコのキク科の植物。18世紀にメキシコからスペインにもたらされ、その後品種改良が繰り返されて様々なダリアが生まれました。メキシコからスペインにもたらされた花、というところはコスモスと一緒。暑い国のイメージが強いメキシコですが、ダリアもコスモスも冷涼な高原地帯の植物であるため、日本の高冷地にも適したようです。日本では山形県や福島県など東北地方や北海道、長野県が生産地として有名です。山形県の川西町には10万本のダリアが咲き乱れる「川西ダリヤ園」、秋田には世界中のダリアが集められた「秋田国際ダリア園」があり、秋の花の名所になっています。私もぜひ一度行ってみたいなーと思っています♪

まるで炎のように艶やかに咲き誇る大輪のダリアから、お着物の柄のように愛らしいポンポン咲きのダリアなど、花型も花色も実に豊富に出回る秋の女王。でも、ダリアがこれほどまでメジャーに花屋さんに並ぶようになったのは最近のことなのです。今から15年ほど前、限りになく黒に近い濃赤紫の「黒蝶」という大輪のダリアがフラワーデザインのトレンドを席巻したことをきっかけに、ダリアは一躍モダンな花として注目されるようになりました。それまでは夏から秋にかけて庭に咲いている赤い花、という凡庸なイメージ(ダリアさんごめんなさい!)の花で、観察していただくと茎が空洞なことがわかると思いますが、茎が空洞=水揚げが悪く、切り花には不向きとされた花でした。が、「黒蝶」をきっかけにダリアのイメージはがらりと変わり、花持ちを良くする改良も進み、まるでアヒルの子が白鳥に生まれ変わるが如く、あっという間に花の女王に君臨したのです。

今日はそんなダリアの中から、透き通るような淡いピンク色が何とも美しい「桜貝」という品種をチョイス。海辺で拾ったきれいな貝殻のようで、「桜貝」という響きにもキュンとしてしまいますね。そして青みのピンクが上品なバラ「リメンブランス」と、楚々とした秋の野花「藤袴(フジバカマ)」、濃い紫がシックな「スカビオサ」をアクセントに。
ダリア「桜貝」、バラ「リメンブランス(追憶)」......遠い夏の日の記憶を辿るような、美しい詩のようです。

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【優しいピンクパープルに癒されるバスケットアレンジ】

<材料> 画像(下)左から
藤袴2本
ダリア「桜貝」2本
バラ「リメンブランス」2本
シンフォリカリフォス(白い実) 1枝
スカビオサ2本

バスケット1点(画像のバスケットは幅25cm、奥行き10cm、高さ12cm)
バスケットの中の水が入れられるグラス 2点
切花栄養剤適量(最近は小袋をつけてくれる花屋さんが増えています)

<作り方>
1. グラスに8分目ぐらい水を入れ、切花栄養剤を適量加えます。バスケットの中にグラスをセットします。
2. ダリアとバラを、バスケットの高さよりやや長めにカットします。水に浸かってしまう部分の葉は取り除きます。
3. バスケットの縁を利用して、花を手間に向けて活けていきます。この時、花が横一列に平面に並ばないように、多少の高低差をつけたり、花の顔が一番きれいに見える角度を探しながら活けます。
4. 藤袴も同じようにカットします。脇枝の花も1本1本生かしながら、3で活けたバラやダリアの間やバスケットの左右にさしていきます。
5. 最後に、少し長めにカットしたスカビオサをポイントで飛ばし、シンフォリカリフォスの枝も小枝にカットして、隙間にあしらいます。出来上がり!

※花の量が少ない場合、口が広い器に茎を長いまま活けると、どうしてもスカスカな印象になってしまいます。花色のニュアンスを楽しむ際には、茎を短めにカットして花顔を集めた方が素敵に見えます。また、ダリアのように水揚げが悪い花は、茎はより短い方が花持ちも良くなりますので、思い切って短くカットして楽しんでみましょう!

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もう一点ご紹介するアレンジは、ぐっと秋色が深まったアンティーク調パープルのニュアンスカラー。
初夏にもご紹介した「トルコキキョウ(リシアンサス)」ですが、今ちょうどこの季節にも品質の良い花が手に入ります。
トルコキキョウも、大輪の八重咲きやフリル咲きの品種など迫力のある花も多く見られるようになりましたが、その大ぶりな花の反動なのか最近は、トルコキキョウならではの清楚な雰囲気の一重咲き品種のリバイバルや、小さな花をたくさんつける小輪系の品種も新たに注目されています。紫色はトルコキキョウが得意とする色合いですが、今日使用した「アンバーダブルバーボン」はグレープ色のグラデーションが美しい小輪系の品種。1本に8~9輪花がついているお得感もさることながら、1本の茎に、つぼみから咲き始めの淡いグリーン、咲き途中のベージュパープル、そして濃いグレープ色まで花色がグラデーションしているので、1本でニュアンスカラーの色合わせが完成してしまうのです。トルコキキョウは、1本の中でこのように様々なステージの花を楽しめて魅力的ですね!

トルコキキョウを集めて、そのまわりを紅葉した葉でぐるっと囲めば、森の中の小さな秋......といった雰囲気の愛らしいアレンジに。葡萄の房や栗の実を転がしたり、森の住民のリスやウサギなど小動物モチーフと一緒に飾ってもかわいいですね。どんぐりの実のような「ヒペリカム」をアクセントに、淡いベージュ色のケイトウをチョイスして少し抜け感を出すと、色合いが重たくなり過ぎず、コケティッシュな印象になりますよ。

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【グレープパープルで秋の森のアレンジ】

<材料>
トルコキキョウ(リシアンサス)「アンバーダブルバーボン」1本
ケイトウ2本
紅葉ヒペリカム1枝
ヒペリカム(実)1本
アイビー(紫色に染めているもの)2本

器1点(画像は、14cm角のキューブ型の陶器)
切花栄養剤 適量(最近は小袋をつけてくれる花屋さんが増えています)

<アレンジのポイント>
アレンジの仕上げに、アイビーの蔓を器にぐるりと回すようにあしらうと、紅葉ヒペリカムの葉と相乗効果で秋らしさがアップ! 花屋さんっぽいテクニックで、こなれ感も。

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秋の夜長、キャンドルの灯をともしながら、ゆっくり本を読んだりお気に入りの画集を広げたり。
秋の花々に癒されながら心静かに過ごすウィークエンドも良いですね。

次回は、「中秋の名月」をテーマにモダンなマム(菊)のあしらいをご紹介します。
月の美しい季節は、マムが美しい季節。お楽しみに〜♪

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