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歩くたびに痛い…医師が、巻き爪の原因や改善方法について答えます!

  • 2022.3.24
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突然ですが、あなたは巻き爪で悩んだことはありませんか? 歩くたびに痛みが走ったり、タイツで擦れるたびに痛かったりと日常生活に支障をきたすことも……。今回は、「逗子メディスタイルクリニック」院長の徳永理恵先生に巻き爪の原因や治療法を伺いました。

巻き爪とはどんなものか教えてください。

「巻き爪」とは、爪の先にいくほど爪が丸まってきてしまうものを指し、トランペット爪などとも言います。横方向のカーブがきつくなってくるものから、ひらがなの“の”の字やアルファベットの“C”や“O”の字のように巻いてくることもあります。ただし、必ずしも爪が巻いているからといって痛みがあるとは限らず、周囲の皮膚に爪が食い込んで痛みがあったり、傷があったりするものは「陥入爪(かんにゅうそう)」と呼びます。「巻き爪」の呼び名の方が広く知られていますが、本来「巻き爪」は形だけの問題、症状があって治療の対象となるものは「陥入爪」であり、区別されていないこともあります。

巻き爪になりやすい原因を教えてください。

窮屈な靴やハイヒールを履くことが続いたり、足に強く力のかかるスポーツなどを行っていることが原因と考えられます。反対に、長期にわたり寝たきりになって歩かないでいることも原因となることがあります。

巻き爪は爪が内側へ巻こうとする力と爪を広げるように指から爪に向かってかかる圧力がアンバランスになることが原因で起こります。それだけでは痛みが出ることは少ないのですが、さらに、深爪をして爪の角の部分が皮膚に食い込むように伸びてくると痛みを感じたり、慢性的な治らない軽微な傷ができることによって赤くなって腫れたり、肉芽というジュクジュクした出血しやすい状態になったりします。

また、若いときにテニスやサッカーなどのダッシュとブレーキを繰り返すようなスポーツをしていると、薄い爪が刃のように爪の横の皮膚を常に傷つけることにより、肉芽ができ、慢性的な「陥入爪」の状態になることもあります。

巻き爪になったら何科に相談すればいいのか、どんな治療法があるか教えてください。

形成外科か皮膚科を受診すると良いでしょう。特にフットケアに力を入れているクリニックを探してみてください。

治療は巻き爪の原因にもよって違いますが、深爪なのに外側に切り残してしまった部分(爪棘)がある場合は爪棘を取ってテープを貼るだけで治ることもありますし、食い込んでいる部分の爪を切り取って生えなくしてしまう手術をすることもあります。

ただし、手術はその後長い年月をみていくと、うまく体重を乗せられなくなったり、さらに爪の変形を起こしてしまうこともあり、重症の場合に限られます。また、傷から感染していれば抗生剤を使ったり、傷の痛みを和らげる飲み薬や塗り薬が出ることもあります。保険診療外ではありますが、ワイヤやバネを使って巻いている爪を矯正するやり方や、チューブを差し込んで爪が皮膚を傷つけないよう保護したりする治療もあります。クリニックによっては足への体重のかけ方をリハビリして再発を予防する“歩き方トレーニング”などをしてくれるところもあります。

巻き爪の時に注意すべきことがあれば教えてください。

爪の切り方が重要です。爪を食い込ませたくないために爪の角を切り落としたくなりますが、逆効果です。伸びてくる途中の段差の部分で皮膚が傷ついたり、切ったと思っていても一番端の部分(爪棘)が残ってしまうこともあります。ですので、やすりで整えるだけにして、爪の角を爪切りで切らないようにして少し伸び気味にしましょう。そして痛いからと言って、ただ緩い靴を履くだけでは解決にはなりません。

緩い靴では足が靴の中で動いたり滑ったりして、余計に押し込められたり、衝撃が加わったりします。また、足をむくませると肉の部分が膨れ、爪が食い込みやすくなります。足がむくみやすい方はむくませないような対策も必要です。

巻き爪が痛くて、患部に体重を乗せないようにして歩いているとそれが癖になってしまって変なところに胼胝(タコ)や鶏眼(ウオノメ)ができるようになってしまったり、膝や腰に負担をかけてしまい、さらに年月が経ったときに膝の変形や腰痛の原因となることもありますので、できるだけ早く痛みを取り除くようにしなければなりません。

クリニックに行くと治療はもちろん、正しい爪の切り方や自宅でできるテーピングなども教えてもらえます。自己判断や自己ケアで悪化させる前に受診するようにしましょう。

教えてくれたのは

出典: 美人百花.com

逗子メディスタイルクリニック院長 徳永理恵先生

国立東京医科歯科大学医学部を卒業後、同大学形成外科所属。横須賀市立市民病院では美容レーザー外来の立ち上げを行う。
都内美容皮膚科勤務を経て、「医療の力でQOLを上げる」をコンセプトに、2010年逗子メディスタイルクリニックを歯科医の夫と開院。その人本来の美しさをナチュラルに引き出す「美肌プログラム」を提供するとともに、自然・健康・美容のまち“逗子葉山”で、生活の一部としての美容医療を啓蒙している。3人男子の育児にも奮闘中。

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