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都心じゃアゲハもいない!? 子どもの成長に大切な「昆虫との関わり」とは

  • 2015.9.14
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【ママからのご相談】

3歳の男の子がいます。夏にカブトムシでも捕りに行こうと思いましたが、都心なので、適した場所が見つかりませんでした。どんな風に、子どもを虫に触れさせるのが良いでしょうか?

●A. もっとも身近な“昆虫”との付き合い方をご紹介します!

ご相談をいただき、どうもありがとうございます。女性の働きスタイル研究家のアボカドチョコです。

私たちの子ども時代に比べ、アゲハチョウの数も減りましたし、ハエでさえ、都心部では少ない(気がします)。わが家でも、子どもを昆虫に親しませようと、夏にはセミを探しましたが、ひと夏のうちに出会えたセミは2~3匹、鳴き声だけは聞えるのですが……。カブトムシに至っては、ペットショップに行かないと見られませんでした。昆虫は、“すぐそこにいるもの”というより、“お店で買えるもの”だと思っているのではないかと心配になってしまいました。

でも、子どもの成長課程で、自然の生態系としての“虫”という存在を知ることって大事ですよね。

●子どもと虫の関わり方

丸山宗利さん、養老孟司さん、中瀬悠太さんによる共著『昆虫はもっとすごい』では、子どもと虫との関わり方について、アドバイスしています。

養老さんの『イヌでもネコでもトリでもいいから、生き物と自然環境に接してほしい。お日様が出て、だんだん陰って、風向きが変わって、温度が変わる(ことを感じてほしい)』という言葉には、現代社会で生き物に触れる機会が本当に少ないという実感がこもっていますし、太陽の動きや風を感じること自体も大切なのだ、と改めて実感します。

●生き物を“捕る”ことの大切さ

また、生き物を“捕る”という行為の大切さも語られていました。

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捕ることも経験して欲しい。最近は、親があまりにも殺生を嫌がる傾向があります。たしかに『かわいそう』ということを教えることも大事ですが、自分が殺した昆虫と向かい合って残念な思いを持つ、という経験も大事なんじゃないでしょうか

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私たちが子どものころにバッタやカマキリを捕まえたときには、「かわいそう」という意識はあまり持たなかったけれど、大人になるに従い、どこかの段階でそのような考え方をするようになったのかもしれません。昆虫ではないですが、釣りでも、「食べない魚は逃がしてあげましょう」という考え方があります。虫の場合も、「捕まえた後、いつ逃がすのか?」は難しい問題ですね。

そして、実際に飼うのもいいとアドバイスしています。しかし、生き物を飼うとなると、そのお世話に手間がかかります。そんな場合は、『何も難しいことをする必要はなくて、ただ虫がいる環境に連れていけばいい。そうすれば、ほかの生物も自然と目に入るから』だそうです。

●“大きい”“光沢のある”“色のキレイな”虫が子どもの興味をひく

昆虫に興味を持たせる方法については、“大きい”+“光沢がある”+“色がきれい”な虫を見せると良いそう。

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でかくて金ぴか、と考えるとカブトムシかタマムシあたりがいいのか。タマムシであればどこでも簡単に捕れます。夏の暑い時間に飛んでいるので、その時間に近くの森林公園に行って、網を持って走り回れば何匹かは網に入るでしょう

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網を持って走り回れば、虫が捕れるのですね、知りませんでした! また、虫たちは高いところを飛んでいるので“長竿”の網が良いそうです。

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ちなみに、同著の中で、養老孟司さんが、以下のようにおっしゃっていて、「虫の世界とはいえ、人間社会に似ているなあ」と思いました。

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今の人は、因果関係がはっきりしていて明確な答えがある状態じゃないとイライラしちゃうんだよね。(中略)自然なんて多様性が絡まり合ってできているようなものなのだから、決めつけないで適当なところで収めるしかない

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人間(ホモサイエンス)の歴史が200万年、昆虫の先祖は4億8,000万年も前から、この地球に生息しています。養老さんの言う、「決めつけないで、“適当なところ”で収める」というやり方は、人間の育児にもそっくりそのまま当てはまると感じました。

さて、生態系の大先輩でもある“昆虫”。来年は、虫取り用の長い網をもって、どこかの森林公園を駆けて、捕まえてみようではありませんか。

【参考文献】

・『昆虫はもっとすごい』丸山宗利/養老孟司/中瀬悠太・著

●ライター/アボカドチョコ(女性の働きスタイル研究家)

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