近場で旅気分【利府】沢乙温泉「うちみ旅館」の日帰りプランを満喫

通勤途中に目にする木々の新芽を数えながら、大好きな春を感じるこの頃…っと、危うく遅刻しそうになり、猛ダッシュするtamです。

暖かい日も多くなり何処かにお出かけしたくなりますが、遠くに行くにはまだちょっと不安…という方も多いのではないでしょうか？ そこで、今回は日帰りで楽しめる温泉と里山懐石のお宿 沢乙温泉 うちみ旅館 を紹介します。

約1200年前、伝説の武人も愛した沢乙温泉

さかのぼること約1200年前の平安初期、この東北の地で大和朝廷軍と蝦夷軍との戦いがありました。

大和朝廷軍を率いていた坂上田村麻呂が足に怪我を負い、国府多賀城に引き返す途中、家臣が見つけた水煙があがるこの沢辺で足を洗うと傷が癒えたのだとか。そうしたことから『沢乙の名水』として広まったと云い伝えられているそうです。

うちみ旅館は仙台市中心部から車で約30分、グランディ・21 宮城県総合運動公園のすぐ近くにあります。まるで城壁のように美しく積まれた石垣の看板が目印です。

駐車場から入口まで続く、天然もみじ100本の「沢乙の庭」を眺めながら歩くと、大きな木の門があります。沢乙の庭は、春は新緑、夏は深緑、秋は紅葉、そして冬は雪景色と四季の彩りを楽しめます。

玄関の扉は木枠のガラス戸になっていて、一カ所の曇りもなく綺麗に磨かれていました。

明るい陽射しと木のぬくもりが感じられるロビー。感染対策の為、席の間隔をあけています。

遥か遠い昔から現代まで長い歴史を刻み、「傷治し温まりの湯」として地域の人々に慕われ親しまれてきた名湯が、こんなに近くにあったなんて！ とても驚きです。

露天風呂で湯ったりん♪まったりん♪

沢乙温泉のお湯は、お宿の真下から湧き出る低張性アルカリ性冷鉱泉で、神経痛・疲労回復などのほか、女性に多い冷え性や貧血にも効能があるそうです。

予約した日帰りプランのお食事は12時からなので、先に湯あみを楽しんできま～す♪

お風呂は男女それぞれに内風呂と露天風呂（桧風呂と岩風呂）があり、曜日によって男女入れ替えとなります。 日帰り入浴は、11:00～19:00（受付18:30まで）の時間帯で利用できます。 ※土・日・祝日は11:00～15:00（受付14:30まで）

本日の女湯は…露天岩風呂ですね。「露天風呂だいすき～♪ 楽しみ～♪」

内風呂は広すぎず狭すぎず、深さが2段階。浅い部分が広くなっているので、ゆったりと足を伸ばせますし、小さなお子さま連れのお母さんにも利用しやすいと思います。

お湯は無色透明で刺激のない優しい肌触りですが、湯上りは『トゥルンッ！ からのするすべ』（この表現で伝わるかしら？）。真相を知りたい人はぜひご自身で体感してみてくださいね！

広々とした空と心地よい風を感じながらまったりとできる露天風呂。「最高に幸せ～♪」 『あたたまりの湯』の名の通り、お湯から出てもずーっとポカポカが続きます。

広々とした個室でゆったりと愉しむ日帰りプラン

歴史あふれる温泉を存分に堪能したところでちょうどお腹が空いてきました。 日帰り会食プランは完全予約制で、お食事と11:30～14:30の間利用できる専用個室に温泉入浴が付いたプチ贅沢なプランです。プライベートな空間で気兼ねなく過ごせるのが魅力ですね。

案内されたのは大きな窓に面した広間。広い宴会場を仕切った清潔で明るい和室です。

いよいよ、お楽しみのランチタイムです！ ミニ懐石プランは、宮城の海と里山の食材を組み合わせたコース仕立てのプランです。 【完全予約制（2名様より）・個室付・入浴料込 6050円】

美しい懐石料理と個性豊かな器のマリアージュ

初めは美しい伊万里焼の器に入った温物。お料理はもちろん、若女将の丁寧な説明付きで、全国の名工が作った素敵な器も一緒に愉しむことができます。

温物 天然岩魚有馬煮 地種里芋 岩魚は骨までふんわりとやわらかく上品な味付けです。お芋もホクホクしてとても美味しい♪

造里 塩釜本鮪・閖上活北寄貝・近海槍烏賊・鰊昆布〆 柑橘醤油 里山のあしらい キラキラと美しい三陸の旬の魚介。程よい酸味の効いた柑橘系造りしょうゆでいただきます。

お造りのお皿から美しい梅の模様が現われました。季節感たっぷりの演出も嬉しいですね。

お次の焼物は、当主である料理長が40分もかけて作ったという白菜とえのきのせんべいを用いてお座敷で調理してくれました。熟練の技を目の前で見ることができるライブキッチン感が嬉しいです。

焼物 金華山沖本鱒ひと塩 こんがりと香ばしく焼いた本鱒は皮はパリっと身はほっくり。お宿の裏の里山から今摘んできたばかりのフキノトウを揚げた天ぷらとサクサクのえのきせんべいを白菜の上にのせて…

上にシャカシャカな食感が楽しい白菜のおせんべいのお布団をかけておしょうゆでいただきます。

小鍋 仙台牛すき焼き 里山野菜 仙台牛ときのこに露地野菜をあしらったすき焼きは、特製の割下でいただきます。

すき焼きに添えられたのは放し飼いの鶏卵。普通の卵より殻がかたく頑丈です。

ご飯 利府町産 天日干し米ひとめぼれ 昔ながらの製法で自然乾燥させた利府のお米と、宿から湧き出す鉱水泉を土鍋で炊き上げたユリ根ごはん。料理長自ら丁寧にお茶碗によそってくれました。

料理長のイチオシは絶妙のタイミングでいただく炊き立ての煮えばな。今まで食べたことのないような食感とお米のやさしい甘味に思わず言葉を失ってしまうほど。感動的な美味しさです。

究極の炊き立て『煮えばな』をいただいたら、次にふっくらと蒸らしたご飯をいただきます。 艶々としたご飯は噛むほどにお米の旨みがじわ～っと口の中に広がります。

自家製の漬物とあつあつのお汁。ご飯が美味しすぎて…「おかわり～♪」が止まりません。

菓子 季節の杏仁豆腐 若女将が作る季節のデザートは、八朔のスッキリした酸っぱさがアクセントの杏仁豆腐です。

プチ旅行気分で、お風呂上りにプレミアム焼酎をいただきました。 登米市にある石越醸造の「喜萬」は、清酒の酒粕を再発酵し蒸留した本格焼酎です。この他、浦霞や日高見など清酒粕独特の風味や香りを楽しめる宮城の酒蔵の自信作が揃っています。

心もからだも温まる、こころづくしの宿 うちみ旅館

うちみ旅館の周りは沢や畑や田園など里山に囲まれていて、そこは初めて見る旅先の風景のようです。春にはカタクリ、イカリ草、山吹などの山野草の花がいっせいに咲き誇ります。

日々の喧騒から離れ、のどかな里山の情景を眺めながらゆっくり過ごせる心づくしのお宿。 仙台市中心部から車で約30分！ 歴史ある温泉と美しい懐石料理を楽しめる「沢乙温泉 うちみ旅館」へ、春のプチ旅行に出かけてみませんか？

DATA

沢乙温泉 里山旬味 うちみ旅館 宮城県宮城郡利府町菅谷字明神沢1 TEL 022-356-3145 定休日 毎週水曜日（お正月・ＧＷ・お盆期間 水曜祝日の場合は営業） https://www.sawaoto-onsen.com/