日本に縁ある選手、欧州組も！元Jリーガー率いるU-23韓国代表、アジアカップ前最後の候補合宿へ

ファン・ソンホン監督率いるU-23韓国代表が、U-23アジアカップ前最後の“模擬試験”を行う。

韓国サッカー協会（KFA）は3月15日、来る21日から29日まで江陵（カンルン）で実施するU-23韓国代表合宿に参加する候補メンバー26人を発表した。

今回の合宿は、来る6月にウズベキスタンで開催されるU-23アジアカップ前の事実上最後となる招集だ。アジアカップで韓国はタイ、ベトナム、マレーシアと同じグループCに入った。

それだけに非常に重要な合宿となるが、ここ最近激しさを増す新型コロナウイルスの感染拡大を受け、他国との強化試合は実施しないことに決まった。その代わり、合宿地の江陵をホームタウンとするKリーグ1（1部）の江原（カンウォン）FCと2度の強化試合を行う。

昨年9月にU-23韓国代表の新指揮官に就任したファン・ソンホン監督は、現役時代にセレッソ大阪で韓国人選手初のJ1リーグ得点王に輝いた元韓国代表ストライカー。C大阪以外にも、柏レイソルでもプレーした経験がある。

指揮官自ら欧州組の視察も

ファン・ソンホン監督は新体制で初めて招集した昨年9月以降、着実にメンバー構成の輪郭をつかんできた。同年10月のU-23アジアカップ予選に続き、11月にも候補合宿を実施。今年1月には済州（チェジュ）合宿に28人の選手を招集し、3週間の期間で選手をじっくりと観察した。

以降、2月にはスペインやドイツなど欧州一帯を回り、MFイ・ガンイン（21、マジョルカ）、FWチョン・ウヨン（22、フライブルク）といった欧州組のパフォーマンスを自らの目でチェックしたという。

チョン・ウヨンは同時期行われるA代表のカタールW杯アジア最終予選メンバーに選ばれた。ただ、イ・ガンインはA代表、そして今回の合宿メンバーからも外れた。

今回の江陵合宿で、ファン・ソンホン監督は初めて2人の海外組を招集した。オーストリアで活躍中のMFホン・ヒョンソク（22、LASKリンツ）と、ドイツでプレーしているDFパク・キュヒョン（20、ブレーメン）がその面々だ。

元ガンバ大阪FW中村敬斗（21）とチームメイトでもあるホン・ヒョンソクは今季、LASKリンツで公式戦通算32試合1ゴール7アシストと活躍中。元々U-15代表から招集経験があり、今回のU-23代表でも主力を担うことが期待されている選手だ。

一方のパク・キュヒョンは、ブレーメンで出場機会こそあまり得られていないものの、韓国国内ではユース時代から能力を高く評価され、韓国サッカーの次世代を担う守備選手の一人に挙げられてきた。

ファン・ソンホン監督は、そんな2人を招集することで、チーム内の競争力をさらに高める狙いを持っている。

ちなみに、今回招集された候補にはJリーグに縁のある選手も。2020～2021年にレンタル移籍でモンテディオ山形に在籍したGKミン・ソンジュン（22、仁川ユナイテッド）と、松本山雅FCからKリーグ2（2部）の慶南（キョンナム）FCにレンタル移籍中のGKゴ・ドンミン（23）がメンバーに選ばれ、本大会に向けたポジション争いを繰り広げる。

ファン・ソンホン監督はKFAを通じて、「公式の強化試合の開催を進めたが、現実的な困難があった」としつつも、「アジアカップを控えた最後の練習になるだろう。強化試合を行えないまま大会に出場しなければならないのは残念だが、与えられた環境の中でしっかりと準備したい」と強調した。

U-23アジアカップ以降には、9月に杭州アジア大会が控えている。同大会でU-23韓国代表は3連覇達成がかかっている。

それだけに、U-23アジアカップは杭州アジア大会に向けた踏み台になるだろう。はたして、ファン・ソンホン監督の“模擬テスト”を勝ち抜き、国際舞台に足を踏み入れられる選手は誰になるのだろうか。

なお、U-23韓国代表候補メンバー26人は以下の通り。

◇

―GK

イ・グァンヨン（江原FC）

ミン・ソンジュン（仁川ユナイテッド）

ゴ・ドンミン（慶南FC）

―DF

キム・ジュソン（金泉尚武）

クォン・ヒョクキュ（金泉尚武）

イ・テソク（FCソウル）

イ・ハンボム（FCソウル）

パク・キュヒョン（ブレーメン／ドイツ）

キム・ヒョヌ（蔚山現代）

イ・ギュヒョク（全南ドラゴンズ）

キム・テファン（水原三星ブルーウィングス）

チェ・ジュン（釜山アイパーク）

―MF

イ・スビン（浦項スティーラース）

コ・ヨンジュン（浦項スティーラース）

キム・ボンス（済州ユナイテッド）

パク・ジョンイン（釜山アイパーク）

パク・テジュン（ソウルイーランドFC）

カン・ヒョンムク（水原三星ブルーウィングス）

キム・ミンジュン（蔚山現代）

オム・ウォンサン（蔚山現代）

オム・ジソン（光州FC）

ホン・ヒョンソク（LASKリンツ／オーストリア）

ミン・ギョンヒョン（仁川ユナイテッド）

―FW

チョ・ヨンウク（FCソウル）

チョン・ソンス（城南FC）

オ・ヒョンギュ（水原三星ブルーウィングス）