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身体ナビゲーションVol.68「排尿トラブル」

  • 2015.9.11
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こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

夏場は腎臓疾患の増える時期でもあるので、腎臓についてご紹介してきました。最終回の今回は、加齢が主な原因となる排尿トラブルについて解説したいと思います。

排尿トラブルには、男性は“尿が出にくい”、女性は“尿が漏れやすい”という特徴があるので、そのあたりから見ていきましょう。

●排尿の仕組み

腎臓で作られた尿は、膀胱で数時間蓄えられ、ある程度たまると残らず排せつされます。これは自律神経の働きにより、膀胱の筋肉と尿道の筋肉の“緩む”“締まる”の動きが絶妙にコントロールされているからです。

膀胱に尿がたまっているときは主に交感神経が働き、膀胱の筋肉を緩ませて尿を蓄えますが、反対に尿道の筋肉は締められ尿が漏れるのを防いでくれています。

尿が150mlほどたまると、膀胱から脊髄の神経を通して信号が脳に送られ、“尿意”を感じます。限界というところに来るまでは大脳が排せつを抑える信号を膀胱へ送るため、私たちは排尿を我慢することができるのです。

そして、トイレに行って排尿のための準備が整うと、脳は排尿を促す信号を送ります。このとき、主に副交感神経が作用し、尿道の筋肉が緩みます。反対に膀胱の筋肉は締まり、尿が押し出されるという仕組みになっています。

●男性の排尿トラブル

一般的に男性における排尿トラブルには、排尿回数が増える頻尿や尿が出にくくなる排尿困難が多く見られます。50代に入ると前立腺肥大になる人が増加します。前立腺が肥大すると、尿道が圧迫され尿の排せつがスムーズにいかなくなります。初期には頻尿の症状が出ますが、そのうち排尿困難や残尿感を覚えるようになり、重篤化すると尿が全く出なくなる尿閉という症状に至ります。

●女性の排尿トラブル

女性は尿道や肛門を締める骨盤底筋が出産、加齢などで緩むことがあります。そのため、クシャミなどでお腹に力が入った拍子に尿が漏れる“腹圧性尿失禁”が多く見られますが、骨盤底筋を強化する体操などで改善する場合もあります。

●男女共通の排尿トラブル

男女共通でみられるトラブルとして挙げられるのが“過活動膀胱”。過活動膀胱は、突然激しい尿意に襲われトイレに駆け込んだり、時には失禁してしまったりする病気です。主に加齢が原因で排尿を司る筋肉が意図せずに収縮してしまうものです。

排尿のトラブルは、命にかかわるような病気でなないものの、いつもトイレのことが気になって、外出するのが嫌になったり気分が落ち込んだりと“生活の質”を著しく損なってしまうこともあります。また、恥ずかしさが先立ち、なかなか受診できずに一人で悩んでいることも多い問題です。しかし、気になる症状があれば早めに泌尿器科の受診をされた方がいいでしょう。

【参考文献】

・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

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